2016/10/08 のログ
ご案内:「スラム」に大河さんが現れました。
大河 > 異能、超常の力の行使…否、乱用が半ば日常であるスラムにおいて
今日もまた、轟音が鳴り響く。

「どぉぉおおおおらぁあああああああああ!!!」

その轟音の只中で、一人雄叫びと共に拳を振るう男。
その右腕には仰々しい形をした、鎧のような、或いは甲殻類と機械を混ぜ合わせたような装甲が纏われている。

そして、その先には男の数倍もあるような、巨大な瓦礫で出来た土人形とでもいうべき巨躯と
その頭上で驚愕の表情を浮かべる痩せぎすの魔術師風の男。

大河 > 「くそ、防げゴーレム!!」
魔術師風の男が土人形に命令すれば、自身と主を守るために土人形が両の手を肥大化させ交差、防御の形を取る。
だが…

「ちまちま石投げてきたかと思ったら、次は助っ人かぁ!?」

男の右腕…装甲の隙間が開き、蒸気を噴出し、そして

「やる事が…」

次の瞬間、開いた隙間から凄まじい量のエネルギーを噴射、全身で飛び掛ると

「せこいんだよこのもやし野郎がぁぁあああああ!!!」

勢いよく右の拳を土人形の交差した腕へ打ち込む!
体格差も質量も桁違いの無謀な筈の一撃は、まるで砲弾でも直撃したかのような強烈な衝撃波と轟音を響かせ
土人形の腕に罅を入れ始める…。

大河 > 「う、噓だ…この俺が、こんなバカ丸出しの原始人みたいな能力者に…!!!」
一度土人形に入った罅は急速に広がり、土人形の両腕を粉々に破壊し、それでもなお止まらず
土人形の胸部に巨大なクレーターを作り出す。
ゆっくりと倒れこむ土人形…

「バカっていった方が…」

そして倒れこむ土人形の頭上、魔術師の男が声に見上げれば、そこには太陽を背に受け悪鬼のような形相を浮かべた
あの装甲を纏った男の姿が

「ひっ!!」
「バカなんだよこのクソバカがぁぁあああ!!」

魔術師の男が悲鳴を上げるまもなく、土人形の頭部にとどめの一撃が打ち込まれる。
粉々になった頭部を撒き散らしながら倒れこむ土人形。あの魔術師の男はというと
ボロボロになりながらもなんとか無事だったのか、這いずりながら何とか逃げようとする。

大河 > 「どこいくんだ?あぁ?」

その男の襟を掴んだのは、あの装甲を纏った右腕。
見上げればそこにはあの鬼のような表情を浮かべた男。

「ま、待ってくれぇ!!いい、命だけh」
「るっせえ!」

男の命乞いを遮るかのようなに、地面へ頭を叩きつける。
死なない程度に加減はしたが、それでも常人には相当な威力だったのだろう、
魔術師風の男の顔は無残な有様に整形され
そのまま気を失った。

大河 > 「ち…一発かよあっけねえ」

仕事を終えた男が、瓦礫の一つに腰掛けると携帯で何処かへ電話をかける。

「あー俺俺、俺だよ…ちげえよ詐欺じゃねえよ
例の依頼、終わったぞ。あの何とかっつう魔術師の男はぶっ飛ばしといた。
で、報酬は…はぁ!?」

男の顔が先程以上に怒りで歪む。

「被害がひどすぎて報酬はチャラ!?それどころか俺の借金に!?
おいふざけんじゃ」

連絡先の相手が切ったのだろう、男の怒声は、切断音を鳴らし続ける携帯に中断される。

「っそが!!」

怒りに任せ、瓦礫を蹴り上げる。
その後怒りが収まらないのか、最後に一際大きな瓦礫を右腕で粉々に破壊すると
その場を後にした

ご案内:「スラム」から大河さんが去りました。