2018/08/22 のログ
ご案内:「スラム」に江風 白さんが現れました。
江風 白 > 静まり返るスラム街。数少ない街灯の明かりの真下で、缶コーヒーを飲みながら、月を見上げる。
学生寮よりも慣れ親しんだ空気が漂うこちらの方がどうにも落ち着く。
最近この付近ではゾンビがでるなんて話もあるし、仕事だけさっさと引き上げたいと、コーヒーを一口。

「うぇ...格好つけてコーヒーなんて買うんじゃなかった。」

明らかに嫌そうな顔をしながらも我慢して飲む。もったいない。
次からは甘い感じのジュースにしようなんて思いながら。

江風 白 > 「パンデミックか...。」

ぽつりと思い出したかのように呟く。
話を聞く限り分かることは生き物を殺して数を増やす。
たしかそんな感じのウィルスが研究所のデータにあったな、なんて考えてみるがそんなもの先生たちが手放す訳がないかと考えることを放棄する。
だがもしそのパンデミックとやらが自分の能力すら塗りつぶす代物だったなら...。

「あんまり考えないでおこ....」

そう言って一口コーヒーを飲めば、再び嫌そうな顔。絶対に苦いのはもう飲まないと心に決めた。
それにしても依頼人の到着が遅い。時間はもう既に十数分は過ぎているのだが。

江風 白 > 「よし、飲み切った!頑張ったぞ僕!!」

空の空き缶を掲げ、そのままオーバースローで正面数メートルのごみ箱に投げ入れる。
カンッと金属同士がぶつかり合う音と共に、缶はごみ箱の中に入らず、そのまま自分の足元まで転がりながら戻ってくる。
自分はどうにもノーコンらしいと自覚すれば、おとなしく目の前のごみ箱まで歩いて入れに行く。

「電話...?」

そんなときポケットに入れていた端末が鳴り響く。
「はい、江風です。」といつも通りの声色で応対するが、どうにも相手側の様子がおかしい。
『たす...てくれ!!ゾ..ビが!!頭がやられ..!!』
随分と騒がしいが、なるほど。どおりで遅いわけだと理解した。あそこの組織も終わりだと。

江風 白 > 向こうのリーダーが使い物にならない以上、これ以上待つ必要もないだろうと、その場を立ち去ろうとしたその瞬間だった。
腹部に感じる形容し難い痛み、視線を下に落とすと、腹部から赤い腕が生えていて。

「冗談じゃ...ないですよ...。」

血塊を吐き出し、無理やり腕を引き抜けば、相手の方に向き直る。
穴の開いた腹部を抑え、痛みに耐えながら歪んだ笑みを浮かべる。
目の前にいるのは体の色こそは変わっているが間違いない、取引先のボスだ。

「随分と...変わりましたね...。酷いじゃないですか...。」

自分の血液の一部を生贄に、剣を生成する。
そして今になって気づく、傷の再生が明らかに遅い、これがパンデミックの特性というものだろうか。
そんなことは今どうでもいいと言わんばかりに、なれない剣を片手に後ずさりをしていき。