2015/06/12 のログ
ご案内:「研究施設群」にエトランジェさんが現れました。
エトランジェ > コツコツと舗装された道路を歩く.
真っ白な髪に黒いゴシックドレスを纏った少女は街の様相からもとても浮いて見える.

エトランジェ > 「えーと……次はここでよかったかな」
はたと足を止めビルの名前とメモを見比べる
どうやら間違いないようで少女はその中へと足を進めていった.

エトランジェ > 研究所らしく受付も居ない.
ただ監視カメラであろうものが不躾に眺めるのみ.
カウンターにある電話を取り内線で受付をする
「もしもし?えっと検体としてきましたエトランジェ・アル・ラディスラウス・ドラクレアですが…」
『真ん中のエレベーターで12階までお越しください』

エトランジェ > みればエレベーターがひとりでに動き出している.
なるほどどこかで管理しているのだろう.
パスか許可がなければここより上に進入することすらできないのだと門外漢なエトランジェにも推察できた.
「何の研究をしているのかしら…?」
きっとよほど重要な研究をしているのだろう

エトランジェ > エレベーターに乗り指定された階に向かう.
『ポーン』と間の抜けた音がしてドアが開く.
きっと広いのだろう,だが無数に仕切られた曇りガラスで見通しは全くと言っていいほどきかない.

「道なりで良いのかな?」

質の良い絨毯.足音は響かない

エトランジェ > 研究者「お待ちしておりましたよ」

黒髪をオールバックでまとめ,銀縁メガネをかけた男に出迎えられる.白衣を着ていなくても研究者だとわかりそうなその男にうながされるまま椅子に座る.

「えっと……?今日は何を?」

エトランジェ > 研究者「今日は採血をさせていただきます」

なるほど一番良くあるパターンだ.やはりどこにいっても吸血鬼の血というのは興味をそそられる物なのだろう
だが私にはちょっと問題がある……

「あの…目を瞑っているのでその間にお願いできますか?」

エトランジェ > 注射をいやがる小さな子みたい―――
なんて,子供っぽく思われただろうか……?
注射が怖いわけではないのだがこのさいその点はどうでもいい
研究者「? もちろんいいですよ.手早く済ませますからね」

こなれた手つきで準備をする男.
わたしはギュッと目を瞑ったままだった.

エトランジェ > 腕をまくられ軽く縛られる.スッとする独特の香り.
そして「んっ……」
―――チクリと針の侵入する感触.

私の中の大切な何かが抜き取られていく感覚

エトランジェ > 少しくらりと来る
この男,検体だからと抜きすぎではないだろうか……?

研究者「はい.終わりましたよ」
『からんからーん』となにかを捨てた音がする

エトランジェ > 研究者「いやー綺麗な色ですね.」

目を開けて―――研究者が揺らすその紅い液体を見て―――血の気が引く感覚―――.

私は意識を手放した

エトランジェ > ―――意識が覚醒する
気を失う前と変わらず椅子に座ったまま.

だがこころなしか男の髪が乱れている気がする.
それに顔色が悪い

たった時間は5分だろうか?10分だろうか?

「あ,すいません……心配させましたか……?」

まだ頭がぽーっとする

エトランジェ > 研究者「い,いえ!す,すす,すいませんでした!!」

「?」
何を焦っているのだろうか.
そんなに狼狽するほどまずい状態だったのか

とはいえ人よりは多少丈夫な身体だ.
男が心配するほどのこともないだろう

「いえ……どうも血を見るのが苦手で…こちらこそすいません」

エトランジェ > 研究者「あ,ああと ここれを渡すように言われていまして……」

包み紙を渡される
中には包装された黒い飴のような物

「あ,はい.いつものですね.ありがとうございます」

どう見てもおっかなびっくり渡される

エトランジェ > 研究者「これで今回お願いするものは以上です.お帰りはあちらから……」

椅子から立ち上がり来た道を引き返す.
男がパスのような物をかざすとエレベーターのドアが開いた.

研究者「それではありがとうございました!!」

最敬礼.どうも来たときと態度が違う.

「それではまたー」

きっとまた会うこともあるだろう.ひらひらと手を振りその場を後にした

エトランジェ > 帰り道…ころころと先ほどもらった物を舐める.

「血を抜かれてお菓子をもらうなんてなんだか献血みたいですねぇ」

などと言いながら駅を目指す

エトランジェ > ちょっと疲れた気もするが実験としてはかなり楽な方だ.
今日はラッキーだったかもしれない.

そう思いながら街を後にした

ご案内:「研究施設群」からエトランジェさんが去りました。