2015/06/20 のログ
ご案内:「研究区街路」にさんが現れました。
> 夜も眠らない研究区.そのかたすみを真っ白な鼠がかける.
野生とは思えない純白の色に赤い目.
その体躯は大きく成人男性の握り拳ほどもある.

> 研究区のゴミ捨て場.
エサを求めやってきたはいいが先客がいる.

だが彼は空腹の限界だった.
そんなことはかまっていられなかった.

> 鼠はある程度のコミュニティをもつ,
とくに研究区のような食料にありつくのが難しい場所では顕著で
―――簡単に言えばこのような異端者は排斥され運命にあった

> 他の群れを刺激しないよう,すみでこっそりと食料を捜す.
だが他の群れはそれすら許しはしなかった.

集団に囲まれ組み付かれかみつかれる.

たとえ他のものより一回り以上大きくともやはり数はいかんともしがたい.

必死にかみつき返し抵抗する.

> すぐに鼠はうずくまりうごかなくなる.

……だがそれは襲われていたはずの彼ではなかった.

> 彼を襲っていたはずの鼠たち,それらはうずくまった状態から立ち上がると
まるで主人にかしずくかのようにかまえる.

不思議なことに彼の飢えは収まっていた.

> 彼は思う「なるほど」と.

次だ.次を探しに行かなければ.

彼は街を駆ける.
今度は群れを引き連れて.

ご案内:「研究区街路」からさんが去りました。