2015/07/21 のログ
ご案内:「とある研究室」にシェムハザさんが現れました。
シェムハザ > 【メンテナンスルーム

ガラス越しの部屋の中にはシェムハザがメンテナンスベッドに繋がれている

頭部は大小のケーブルに繋がれ、上半身と下半身が別々に解体された状態
金髪の猫耳はあからさまにその機械らしい状態を見せ、意識のないままに設備に接続されている

今朝の戦闘……直接には戦闘はしていないのだが……そのためにメンテナンスが入ったのだ】

シェムハザ > 【シェムハザ、ワーカーは被害がなかったが、壱耶は大破、成果らしい成果はほとんどなし

プロジェクトの基本方針に変更はないが、異能者や魔術師その他能力者に対し、
その能力への対処法を発見し、一般人が怯える必要のないよう彼らを制限するための実験である
強力な特別警戒危険能力者に対抗するため、バージョンアップが施されている

そもそも人型自動歩兵などより圧倒的に強い時点で、一般人からすれば大きな脅威である
そう……食事の時、居眠りの時、スポーツの時……ついうっかり無意識にそういう力を使ってしまったら?

当然、そのつもりはなくても簡単に死人は出る

このプロジェクトはそういう連中を可能な限り調査、制御し、必要なら排除、統制しようとする実験である】

シェムハザ > 【もっとも、人工異能であり機械人形にすぎない彼らは、一般人や中程度の異能者より強力だったり有能ではあっても
ひとかどの能力者にはやはり敵うべくもない
基本の戦闘プログラムや擬似経験でできることは限界があるため、学ぶ必要があり
その経験と対処を同時に行い、異能者を管理するためには、自動的に学び更新する必要がある

そのため、何か問題が起こる度に解決するよう設計された機械人形を運用し
誰の被害もないままその統制に当たる実験をおこなっている】

シェムハザ > 【……問題は今朝起こった
もともと非力な個人を保護するための対人関係を重視していたプロジェクトであったがゆえに
基本的に戦車や大量殺戮兵器と戦う能力ではない
個人が殲滅兵器のような攻撃力を持つ場合、明らかに人間という枠を超えていると判断する必要がある

もちろん、相応の対応力は持っていたが、それでも当初の予想を超える対応力が必要とされたため
今回の措置になった

要は、「炎の巨人」レベルの、異常とも言える最終段階クラスの異能に対する対応である

もちろん、十分といえるかどうかは分からないが、それでも可能な限りのシステムが投入された
また、それでいてコストに優れ、破損しても構わないのが特殊な点である

もし失敗したとしても、異能に対する対処は蓄積されるため、そういったデータベース的な面も含めて
彼女たちは制作されていた】

シェムハザ > 【基本コンセプトは変わらないため、彼女たちが直接体験して学ぶというスタンスは変わらない
ただし、以前より少々性能がよく、また改修が行われやすくなった点が異なる

そういった形で調整され、上半身と下半身が接続され、メンテナンスパネルが閉じられ
人工皮膜が修繕されていく

猫耳の機械が猫耳の人形になっていく

やがて、調整がほぼ終了し、ケーブルに繋がれただけの少女が完成する】

シェムハザ > <AIチェック……メインCPU、サブOPU、特殊機能用補助CPU、OK……メモリ、メイン、サブ、チェックOK……
シェムハザ、人格タイプビーストC、OS起動……システムチェック……起動シークエンス開始……>

【シェムハザの起動が開始され、次々チェックが行われていく。
モニターの状態が進んでいき、100%を示すと、やがて起動し、動作を開始する】

OK……シェムハザ、AH002=CL4021、起動開始します

【瞳に光が宿り、行動を開始する
……ゆっくりと身を起こし、ベッドから降りると服を身につける

もっとも、現在起動しているのは特殊行動用人格であり
シェムハザの基本人格は目覚めていない

シェムハザのように行動する偽装人格であり、機械としての行動を司る】

シェムハザ > ……。

【研究室を出ると、シェムハザとしての記憶と整合性がつきやすいよう、調整のための部屋を出て行くと
研究区を離れ、通常活動している落第街周辺に向かって歩いて行った

……シェムハザは何も気が付かないままプロジェクトは進行していた】

ご案内:「とある研究室」からシェムハザさんが去りました。
ご案内:「とある医療施設。」にライガさんが現れました。
ご案内:「とある医療施設。」からライガさんが去りました。
ご案内:「とある医療施設」にライガさんが現れました。
ライガ > 「身体検査は問題なし、かー……」

待合い室で診断書を眺める青年の姿があった。
いまいち腑に落ちない表情だが、診察室から声がかかると、返事をして入っていく。

肉体的なものは、さきほど一通り調べた。
問題の眼についてだが、やはり単なる健康診断程度ではわからないようだ。
次に行うのは、魔術の検査。
初めに魔力測定をし、そのあと各魔術の出力・精確さ、発動前後の身体の魔力変動を確かめる。

ライガ > モニタ付きの測定機械の前に立って様々な計測器をペタペタと貼り付け、その状態で魔力を練る。これは詠唱する直前、魔力を一か所に集める状態。
モニタに移った人型のシルエットには、さまざまな色のラインが引かれ、それが身体器官毎に太くなったり細くなったりしている。
所属の研究員が見たモニタには、青色と黄色の、緑色の太いラインが集中している箇所が映っている。

いくつかの項目にチェックを入れた後、カルテは次の担当に回される。
魔拳はどれも、詠唱から発動までの時間が短かった、これは問題ない。
ただし、いくつかの技は若干の弱体化、もしくは発動しにくくなってきているそうだ。
一抹の不安を覚えながら、次の担当に向かう。

しばらくして出てきた測定結果は、入学時の検査結果と大きく異なっていた。
風や水属性の魔拳は以前より少しずつではあるが性能回復しており。
そして、保有魔力量が以前より大幅に上がってきているのである。

「あいかわらずなかなか覚えられない火属性は、この際置いといたほうがよさそうだな。
あんまり手を広げすぎるのも良くないっていうし。
で、次は何すりゃあいいの?」

ライガ > 次は解除魔術、と言われて誘導される。
目の前には錆びて濁った鏡、いかにも禍々しい気配を放っているようだ。
研究員は、これを『解呪』しろという。

「了解、じゃあいくよ」

青年がその両手を淡く輝かせ、ボロ鏡にかざしたその時。
『バチィッ』と大きな音を立てて火花が両眼から散り、瞼に熱を感じたライガはその場にうずくまった。
頬を、何か温かい液体が流れていく。涙だろうか、それにしては妙に鉄臭い。
視界が朱く染まり、ほどなくして暗闇に閉ざされる。

……どこかで、自分を呼ぶ声が聞こえたような気がした。
ぬるり、と頭の中をかき分けて何かが這っているような気分に襲われる。

うめき声をあげて横に転がれば、ぼんやりと視界は開け。
ぐるりと見回せばそこはさっきまでの検査室、研究員が心配そうにのぞき込んでいた。

ライガ > ふらりと立ち上がるが、意識ははっきりしているようだ。今のは何だったんだろう。
……備え付けの洗面台で目をよく洗い、きれいさっぱりになったところで、
検査の結果を知る。

やはり眼球に魔力の流れが集中しているらしい。
具体的な内容は不明だが、魔眼が発現しうる前兆の可能性が高いとのこと。
特製の眼薬を渡しておくので、痛むときに使うこと。
異変があったら随時連絡すること。

おおむね、そのような内容であった。
ふんふんと話にうなずく。

ライガ > ああ、それと。と研究員は付け加えた。
『解除魔術を使おうとしたとき、今のような症状が出るならば、軽度ならいいが
あまり影響出るようならば控えたほうがいい』

ライガはそれを聞くと顔をしかめ、考え込んだ後に、分かった、とため息をついた。

ライガ > 薬局に行って処方箋を提出し、ほどなくして目薬と栄養剤の入った袋を手渡される。
お金を払い、ライガは施設を後にした。

「眼鏡、探さないとな。
魔術を制限するような奴」

ご案内:「とある医療施設」からライガさんが去りました。