2015/08/29 のログ
ご案内:「研究区中央公園」に平岡ユキヱさんが現れました。
平岡ユキヱ > 無機質なセラミックのような建物が立ち並ぶ研究地区の一角。
人気がほとんどない静かな公園。

夕日を背に、ブランコに腰かけ。解析結果だと渡された自身の
異能についての資料に目を通す。

「投薬治療および…たちばな学級への編入推薦状。おいおいおい」
茶封筒からいろいろなモノが出てくる。
表題だけ見ても、なかなか芳しくない内容であることは容易に推察できた。

平岡ユキヱ > 「これがそんなにかあ…? 枝毛みたいなもんだろ」
青白い毛先を指でいじると、ほのかに光った。
けほっ、と咳き込むが。、気にせず覆った手で軽く口元をぬぐう。

「…」
謹慎だの同居人だの、襲撃だの暴走だの、色々起こった夏だった。
そう総括するとブランコから立ち上がり尻の誇りを軽くはたく。
この前、木刀は持っていたら謹慎中に何事かと怒られたので、やむなく本部に預けた。
今は手ぶら、ゆえに。

「棒切れでもまあ…やれなくはないが」
軽く2、3回素振り、いい具合のものを見繕う。どこにもいない相手を思い描き、宙に構える。

「…」
とたん、気配が真綿のようにじっとりといやに圧迫感のあるものに変わった。

ご案内:「研究区中央公園」に鏑木 ヤエさんが現れました。
平岡ユキヱ > 「    ッ!!」
ぎゅらっ、とその場で鞭のように鋭い弧を描いて斬撃が走る。

剣術の型のような、踊りのような動き。
青い残像を発生させたと思うと、信じられないほどの緩急差でもってぴたりと止まる。

「動きは…ごほっ…絶好調なんだけどなあ…」

鏑木 ヤエ > (そんなどこか圧迫感のある公園を、空気の読めない自転車の鈴の音が引き裂いた。
 ちりんちりん、とどこでも聞けるであろう鈴の音。
 少女が棒切れを振り落した瞬間、その自転車を止めて走り寄る)

「あのあのあのあの、あなたもしかしてちょーつよい感じの人ですか?
 今のは異能?それとも魔術?」

(羊を彷彿とさせるような伸ばしっぱなしのもこもことした
 濁ったクリーム色の腰まであるロングヘアを揺らす。
 甘ったるい声で早口で捲し立てたかと思えば、
 人差し指を自分の唇に宛てがい、どこか考え込むような様子で)

「あ、もしかして体調悪い感じですか?
 すみません、やえつよそうな人見るとちょっとテンションやたらめったら上がるんですよね」

(ぺこり、頭を小さく下げて謝罪の言葉を述べた。
 言葉尻はアホほど高いテンションだが、その薄い表情をぴくりとも変えることはない)

平岡ユキヱ > 「…あ、どうも?」
初対面だ。報道部なんてあったかしら、など考えながら
自分よりも小柄な相手に丁寧に礼を返して。
質問に答えていく。

「一つ、今のは異能。
 人様に吹聴できるような武はないけれど、必要な時に、必要な手段は下せるつもりよん?」
手にしていた枝を納刀するように左手に収める。

「一つ、馬鹿はひかないハズなんだけど、風邪っぽい」
わははと笑い出す。元気であるように見える部分もある。

「一つ、こりゃ訊かれてないけど…どちらさん?」
どっかで会いましたっけ? と少しバツが悪そうに頭をかく。

鏑木 ヤエ > 「一つ、これは失礼しました」

(ぺこりと頭を下げる。笑う彼女を見遣ればはて、と不思議そうに首を傾げた。
 問いを向けられればそういえば初対面だったな、と言葉を落としていく)

「すみません、やえです。
 鏑木彌重、二年生の十八歳です。二年連続留年中の馬鹿です」

(いえーい、なんて雑な声を漏らして顔の下あたりで両手でピースサイン。
 そして彼女の言葉に気になる部分があったのか、ずい、と上半身を乗り出す)

「ほうほう、なんか剣術の達人的な異能ですか。
 それとも宮本武蔵の生まれ変わりだったりします?
 中々かっこよかったもので思わず自転車降りちゃいました、すみません。

 風邪なら保健室でも病院にでも行った方がいいと思いますよ。
 治癒系の能力者も沢山いますし薬を作る異能を持つ人だっているとか」

(こてり、首を傾げた)

平岡ユキヱ > 「エッ…先輩!?」
18…年上だあ、と身長を視線指さし確認…などしていない。してないよ。
げふふんと咳払いしつつ。

「一年、風紀…は今、謹慎中だけど。平岡ユキヱです。よろしくどうぞ!」
ぴんと背を伸ばしたまま、快活に答える。
相手に身を乗り出されれば、おお、と少し退いて。

「いや…、『覚えた動きを高速で再現する』のが私の異能です。」
『型』ともいいますがね、と自分の力の一つを明かす。
保健室の下りには、たははと苦笑いしながら。

「…あー、いやまー。病院嫌いというか
 お医者さんのお手を煩わせるのもなーって」
ちょっぴりだけ、真実を隠して答えた。

鏑木 ヤエ > 「ええ、いつも間違いなく鼻で笑われますが先輩です」

(咳払いをするユキヱに対してない胸を張る。
 自己主張の乏しい胸を張りながら「十八歳ですからね」、と)

「なるほど、謹慎中。
 それでそんなに趣味のいいTシャツ着てるんですね。
 やえはそのセンス嫌いじゃないですよ、むしろ好きかもしれません」

(淡々とぶっきらぼうに言葉を並べていく。
 機嫌が悪い訳でもなく、寧ろ機嫌はいい方なのだが表情からはそれを伺えないだろう。
 異能の話は「なるほど」、と興味深そうに頷いた)

「ふむ、病院嫌い、ですか。
 わかりますよ、やえも病院嫌いですし。
 なーんかあの独特のノリが嫌いなんですよねー、病気だって認識したくないのもありますが。
 長く続くようなら諦めてお医者さんに行くのがいいかもですね。
 あとは保健室に行ってみるとか」

(隠れた真実には気付かないし知る由もない。
 故にただ、その言葉に対して返しをひとつふたつと積み上げる。
 にこ、と。小さく口元が緩んだ)

平岡ユキヱ > 「ほう…。鏑木センパイもまたTシャツ者…! ならば!」
ギラリと、同志見つけたりという眼光が光る。

「この世界に来た魔王の中に詳しい奴がいるんで、センパイも是非そこに!
 あ、これ倉光センパイも喜ぶかなー?」
恐るべきことに、同胞がこの島の中にいるようである。しかも複数名。
寒くなる前に買って着ましょう! と満面の笑みで親指を立てた。

「うぐ…まあ。えー、前向きに善処を…」
病院の話を重ねられると、やはり苦笑いしてたじろく様は隠せなくて。

「そんなことより、鏑木センパイ! 強そうなやつを見るとテンション上がるって
 仰ってましたけど、センパイも何かそういう不思議を嗜むんですか?」
異能・魔術を不思議と呼称し、そう相手に質問を返した。

鏑木 ヤエ > 「なるほど!」

(先刻のなるほどよりもテンション高く、囀るように言葉が洩れた)

「それは是非行かないといけませんね……ダサTは世界の真理ですよ。
 ………魔王がダサTって中々興味深いですね、RPGだったら一瞬で緊張感が崩壊します」

(魔王、というワードには興味深そうに頷いて、次いだ名前は脳裏に刻んだ。
 倉光センパイ。中々に趣味のよい。満面の笑みを見遣ればぐ、と親指を立てた)

「重病でしたー、なんてなったら大変ですからね。
 風邪だと思ったらちょー重病でちょー大変でした、なんてドキュメンタリーよくやってますからね。
 平岡ユキヱもそうなる前に早めに気が向いたら病院に行くといいですよ」

(いつも通りの遠慮のないフルネーム呼び。
 純粋に相手に対する心配だけを向けて肩を竦めた)

「ええ、やえは不思議もステゴロも大好きですよ。
 つよいひとっていうのはいつの時代もカッコイイじゃないですか。
 はて、『も』ってことは平岡ユキヱも不思議が大好きなタチですか?」

(返された質問に対してまた問いを。
 目の前の彼女は少女が興味心を抱くには十分以上だった)

平岡ユキヱ > 「ありゃあいい魔王ですよ。
 この世界にすごい馴染んでいるので…逆に見つけにくいか…」
ただちに害はない、的な感じでこの島の面白住人みたく紹介しておく。
「…いや、大丈夫ですね。シャツに魔王って書いてあります」
しれっと真顔で言い切った。この島に住む魔王はそういうものなのだ。
自分の言葉に確認するように頷く。

「は、はい…。センパイに言われちゃあ、まあいかなくては…。
 一回自主退院した手前、すごくバツが悪いですけど」
へへぇ、と図体のデカい後輩が小柄な先輩に忠告されるの図。

「うーん、まあ研究肌の強い人ほどじゃあないですが、興味ありますよ?
 私はそれよりも、手合せとか実地訓練の方が性にあってますけどねー!
 だから…強い相手に気持ちが動くのはわかります」
考えるのあんまり得意じゃないですワハハ! と能天気しているユキヱさん。

鏑木 ヤエ > 「自主退院はおすすめしませんよ。
 きちんと治せばいい感じに身体もいい感じに強くなりますが中途半端だと弱いままですから」

(よくわからない暴論をつらつらと並べるセンパイがひとり。
 ユキヱの所作を見遣ればいちいち「なるほど」と呟く)

「興味があるのはいいことですよ。
 興味心は猫をも殺すとは言いますがやえはニンゲンですしね。
 死ぬこたぁありません、知りたい事には正直でありたいものです。

 手合せともなればフーキイインなら訓練とかないんですか?
 なんだかめっちゃ強いイメージありますよフーキ。
 
 やえはそんなつよいひとが何を考えて何を見てるのかが気になりましてね。
 さっきもつよそうな平岡ユキヱがなんでここにいてなにを考えてるのかなって思った次第です」

(ワハハと笑うのに対してくすりと含んだような笑み。 
 くすくす笑えば性格が悪そうにしか見えないヤエである)

平岡ユキヱ > 「…中途半端だと弱いまま、か。…。肝に銘じておきましょう」
少し考え込むように急に静かになると、次いでそう口を開いて頷いた。
弱いままでは、と思うところがあるらしい。空をちらと見上げる。

「風紀の訓練も為になりますね。でもまあ…
 一番いいのは在野の実力者と手合せする事です。
 どんな手の内かわからない事がほとんどで実践的ですし、何より…」
スカウトにもつながる。とニヤリと笑った。

「私がですか?」
独特な質問だと思ったのか、変わった先輩だなー。と不思議そうに首を傾げた。

「んー、ここにいるのは異能者の研究にちょっと協力して、
 学園卒業後に就職の便宜を図ってもらおうとか、あとは早く風紀の謹慎処分解けないかなー、とか。
 …そんなに大したことは考えてないっすよ?」

鏑木 ヤエ > (空を見上げるユキヱを不思議そうに見つめる。
 同じようにつられて空を見た。雲が綿菓子に見えた。おいしそう)

「なるほど、フーキはスカウトもしてるんですか。
 それならいっちょどこかで雇ってもらえるようにしないと──、なんて。
 やえはラウンジのとこでバイトしてるので今度遊びに来てください。
 梨のパフェ、作るの面倒なんですけどなかなか美味しいんですよね」

「異能者の研究で便宜、ですか。羨ましい限りです」

(やえは異能がありませんから、と困ったように。
 されど困った様子はみせずに、曖昧な様子で語って、それから)

「アレ、なんで平岡ユキヱは謹慎中なんですか?
 悪いことでもしやがりましたか」

(首を傾げるユキヱを真似るようにして、また自分も首を傾げた)

平岡ユキヱ > 「へー! いきますいきます! そろそろ夏休み的なものも終わっちゃいますし。
 お昼とかいきますよー」
パフェかあ。とすごく楽しみそうに腕を組む。

「…フフ、それ訊いちゃいますか」
ウカツ! と腕を組んだまま自身の発言の軽さを内心諌める。
Tシャツに書いてあるので、むしろ誰もツッコまなかったのが不思議な位であるが。
もしかしたら生暖かい目で見守られていたのかもしれない。

「…さる失踪事件について、風紀への報告を怠りました。その前の、
 風紀収容施設・襲撃事件でも被害を防ぎきれなかった事もある。
 ま、色々マズい失点が重なって、流石に上層部から猛省しろとこってり怒られましたよ…」
真っ白く燃え尽きそうな気配で風にたなびくユキヱさん。

鏑木 ヤエ > 「なるほど」

(暫し考え込むような様子をみせて、少しばかりの逡巡ののちに口を開く。
 座りましょうか、と小さく溢してぎいこと揺れるブランコに腰を下ろした)

「失踪事件、ですか。なるほど。
 平岡ユキヱが報告しなかった、ってことはそれを自分で解決してあげたかったんですかね。
 それともただの職務怠慢でしょうか。
 
 風紀の襲撃はよくラウンジでも話を聞きましたよ、お疲れさまです。
 うーん、やっぱり組織ってのはどこもそんな感じなんですかねえ。
 どこも謹慎だ反省文だ、ってめんどくさそうだしやえからしたらツマンなさそうです」

(風にたなびくユキヱの横で文字通り風を切るヤエ。
 ぎいこぎいこと錆びついたブランコが鳴いた)