2015/07/13 のログ
ご案内:「第一演習場」にエルピスさんが現れました。
エルピス > 「―――ふぅ。」

 昨日行われた『アップデート』の調子を確かめるべく、一人演習場へ。
 そこで仮想敵を立てた実戦訓練を行い、終えたばかりなのだろう。
 休憩室へと足を運び、座る。

「うん、身体が勝手に動いてくれるのはいいけど、慣れないとちょっとびっくりしちゃうね……」

ご案内:「第一演習場」に楓森焔さんが現れました。
楓森焔 >  ぺたりぺたりと裸足の音が響く。
少し力が戻ってきたとはいえ、未だに力は戻らない。
演習場に来たのも単なる気分。ふと、なんとなく気になったからにすぎなかった。
「はーっ、ここまで歩くのもきついかあ……」
 学生区から歩き詰めただけなのだが、それでも厳しいらしい。
珠のような汗を肌に浮かせながら、なんとか演習場に足を踏み入れた。

エルピス > 「あっ、ほむらちゃん!」

 見知った顔を見つければ、彼女の近くまで駆け寄った。
 が、調子の悪そうな彼女に気付けば、不安そうに見つめる。

「……凄い汗掻いてるけど、大丈夫?」

楓森焔 > 「あー、いやいや、大丈夫!」
 膝に手をついて中腰になりながらも、手を突き出して静止するように。
「こないだからちょっと不調でさ。上手く走ったり殴ったりできないんだよな」
 怪我、というわけではなさそうだ。少なくとも外傷は見当たらないし、その一連の所作に違和感はない。
 少しの間呼吸を整えると、懐から水筒を取り出して飲み始める。
「あー……生き返る」

エルピス > 「うん、暑いからね。水分補給は大事かも。
 ボクはもう、あんまり関係なくなっちゃったけど……」

 ほぼ全てが機械に置き換わった自分の身体をじっと見下ろして、ぽつりと呟いた。
 嗜好として食事こそ出来るものの、実際は必要ではない。

 ……ともあれ、目の前の焔は怪我や熱中症の類では無さそうだと判断する。
 スランプなのだろうか、と思いながらも不安そうに訊ねるだろう。

「上手く走ったり殴ったり出来ない?
 えっと、こないだ、って言うと……あの、騒動の時?」

楓森焔 > 「あー、そりゃそうか。ロボットなんだもんな」
 そうやって感心したように頷くと、ゆっくりと体を伸ばして。
気分が落ち着いたようで、姿勢を自然体に戻す。
 焔はすでに、エルピスに対して気負うことはしない。
アンドロイドだからどう、人間じゃないからどう、と気を使うのではなく、
適当に――という言い方も問題だが――受け入れるような態度であった。
「ん、あー……」
 さすがに。あの騒動の話になると少し困ったような表情を浮かべる。
笑みは崩さないままだが、頬をかいて少し眉尻を下げた。
「そういうことだな。怪我ってわけじゃないんだけど」

エルピス > 「そんな所。 ううん、スランプなのかな。
 ……やっぱり、前に此処に有った時と比べると、全然元気がなさそうだね。」

 困った風にしてみせた彼女を見れば、ううん、と唸る。

「……もうちょっと、詳しく聞いてもいいかな。」

楓森焔 > 「詳しく、かー」
 頭を掻いた後、腕を組んで考え始める。
あの時。あの後どうしたかを冷静に振り返る。
「クゥを俺の家に運んで、あん時はまだ大丈夫だったかな……
で、なるべく起きてたんだけど眠っちまってさ。
朝起きたらあいつが居なくて、探しに行って……」
 その時。歩きまわっている内にいつもより疲れるのが早いのを自覚したのだという。
すぐに不調になったというより、じわじわと弱くなっていったような。
そういう感覚だと焔は語る。
 体力は落ちたし、壁を走ったり水の上を走ったり、拳で風を起こしたり。ああいった芸当も今はだいぶささやかなものだという。
「まあ、そんな感じかな」
 うん、と。事実だけを端的に述べながら状況を整理する。
心因性の不調――というものに関して、焔はその存在を知らなかった。
そのため、自分のメンタルがそこまでこの件に関わっているとは思っていなかったのだ。

エルピス >  ひと通り、彼女の話を聞く。
 間違いなくあの件が切欠なのは間違いない。
 ただ、毒や呪いが焔へ向けて放たれた様子はなかった。
 そして、元気が無い。

 おぼろげながらも、負い目があって集中出来ない故に弱っているのだろうか。
 そこまでは、察する事は出来た。ただ、

(多分……だと思うけど、
 どうしてなのかが、まだちょっと不明瞭かな……)

「そっか。……うぅん、その子、クゥちゃん、って云うんだね。
 その子は、何も言わずに出て行って、それから会ってないの?」

楓森焔 > 「会ってないんだよな……」
 彼女の心を守ることができなかった。
"だから"自分は弱い。それが彼女にとっての、今の根本である。
誰かを守るために俺流を磨き続けた故に、それがたとえ心の問題であろうとも、
守れなかったという事実だけで心が痛む。
「いつか会いたいとは思うんだけどさ。
あいつ……あいつが一人じゃ、俺もいやだ」

エルピス > 「そっか……
 でも、焔ちゃんが居なかったらきっと、助からなかったと思うよ。
 連れてく人もいなくて、ひとりぼっち。」

 ……そう言って、何処か憶えのある様子を見せて目を伏せる。

「……そうだね。ひとりぼっちは寂しいもん。ボクも、痛いほど分かるよ。
 いつかってことは、まだ、会いに行く勇気が出ないの?  ……何か、気がかりなの?」

楓森焔 > 「…………そうか。そうだよな」
 そこはきっと間違っていなかったのだと思いたい。
どこか視線は遠くを見ていて、恐らく彼女も過去を思い出しているのだろう。
 うん、うん、と何度か頷くと、続く問いには、
「ううん……いや。あいつの居場所も俺分からねえしさ。
学生区メインで色々歩きまわってるんだけど。
……あー、それに、なんて言おうか……は、まだわかんねえかな」
 守れなかった。だからこそ、彼女に対して向ける言葉が見つからないのだ。
どれだけ言葉を尽くしても、"裏切られた"というその事実に、
相手を怯えさせずに気持ちを伝える自信がない。

エルピス > 「……ううん。掛ける言葉が見つからない、んだ。
 確かに、事情が余りわからないけど、友達だと思ってた人に裏切られた……のかな……?」

 エルピスは深く事情を識っている訳ではない。
 故に、曖昧に推測するに留まるだろう。

「……やっぱり、力不足とか、そう、思っちゃったのかな。
 それとも、自分は出来る事を全てしただけに、どうすれば良いか分からない、
 ……誰が悪いともいえないから、悩んでいるの、かな。」

楓森焔 >  裏切られた、という言葉に同意しつつも。
「力不足……うん、それはある」
 少しつかれた様子で、演習場に用意された椅子にどかりと座り込む。
 立ち上がる元気は取り戻したが、やはりあの時のことばかりは笑って済ませることはできない。
 少し真剣な表情で空を見上げながら拳を上に突き上げて。
「最近色んな人に話してんだけどさ。
やっぱ俺は弱いんだよなって。
……誰かを守りたくて始めた俺流が、
友達の心一つも守れなかった。そういう感じでさ」

エルピス > 「そっか……」

 思う所があるのだろう。
 同じ風に空を見て、突き上げられた拳を見て、悲しそうに目尻を下げた。
 
    「それは、違うと思うかな。」
 
 
 

楓森焔 > 「そうか?」
 焔の思考は自罰的だ。だからこそ今の彼女があるし、
そうでなければ既に楓森焔という少女は居なかったかもしれない。
 自罰的。それは彼女における根本で、
治すだとか、治さないだとかはとてもむずかしい話。
 自分が悪いのはいい。だが、自分が弱いことが許せなかった。
「確かに、俺は強いって、そう言われたけど」
 自分の強さに確証が持てずにいる。
強さとはなんなのか、自分が何をしたらいいのか。
それが言葉に表せないでいた。

エルピス >  
「あ、ごめんね。ちょっとだけ言葉が足りなかった。
 ……力が強ければ救える、それが違うと思うんだ。
 そして、ほむらちゃんもちょっとだけ、気付き始めていると思う。
 だって、弱いと言っているのに、特訓する気が全然ないんだもん。
 この前までは、凄く意欲的だったのに。」

 勿論、ほむらちゃんのスペックは高いと思っているよ。
 一度表情をゆるめて、焔へとそう声を掛け、また空を観る。


「ボクはこうなってしまったけど、力強さを手に入れたよ。
 けれど、こと心を救う事に、この力そのものが役立ったと思う事は、一度もない。」
 
 本気か、方便か。
 いずれにせよ、そう告げるだろう。

「確かに、力が有れば自分の主張を押し通すのは、楽になると思う。
 権力があれば、我儘を通せると思う。でも、どうかな。

 完全に最強になって、何もかも思いのままの強さを手に入れた。
 それでも、友達の心は救えないんじゃないか――そう思っているんじゃ、ないかな。
 拳では届かないものを見ちゃったから、拳に意識が行かない。間違っていたら、ごめんね。」

 首を傾けて、何処か憂いを帯びたような瞳で焔を見る。
 所謂、シャフ度と云う奴だ。

楓森焔 > 「ん……」
 エルピスの諭すような、そんな言葉。そうかもしれない、とぼんやりと行き当たる。
強いとは何か延々と悩み続けている彼女だが、
力や強さに関してをあまりにも一本化してしまっていた。
「………………どうだろう」
 強くなりたい。自分の意見を押し通したい。思いのままにしたい。
そう思ったことはなかった。
あくまでも"守りたい"という一心だけが彼女の原動力だった。
 だから、俺流で守れない"心"という範疇に戸惑っていた。
 しかしながら、概ね――エルピスの最後の言葉は的を射ていた。
「うん。そう、だなあ……」
 俺流を鍛えることに、意識が向かない。
心を守るために俺流は必要ない。
だが、ならば。どうすればいいのか。
 ただ無心に俺流を鍛えた少女の、見えない問い。
 すべてを守りたかった、子供のわがまま。それが俺流の源流だ。
「……………どうしたらいいのか、難しいよなあ」

エルピス > 「本当に、難しいよね。
 ボクはカウンセラーではないし、
 力を手に入れて、公安委員として動いている、ただの素人の、一意見だし、解決策をすぐに出せる訳でもない。
 ……でも、それでも言えるとしたら。ううん、人を救け悪を罰する公安委員として、学園の先輩として、
 お節介かもしれないけど、伝えたい事があるんだ。」

 そう微笑んでみせてから向き直り、
 しっかり"と立ち上がってみせて"から真剣な面持ちで焔を見る。

「迷ってもいいと思う。
 ――ボクはいつだって、正しくありたいと思ってるよ。迷いながらだけど。
 もっといい方法はなかったか、ちゃんと他人の役に立てているか
 起こり得るすべての可能性を考えたか、誰かを無意識に悲しませてないか、
 気付かない内に楽な方に流されていないか、人を助けることに慣れて、驕っちゃっていないか、
 いつだって迷っているし、いつだって不安。でも、それでも正しくありたい。

 ――だから頑張ってるし、頑張れる。迷いはあるけど、全力で動く。」

 ――自罰的、と言えばエルピスもそれには違いない。
 公安委員として人を救い、時には懲らしめ、裁いてきた。
 だからこそ、その先輩として、言葉を贈ろうと、試みる。

「……もし、迷わなくなったら、
 ボクが心を殺したただのサイボーグに成り果てたら、
 きっと、誰の心も救えないと思う。だから、迷ってもいいと思う。
 迷う事も、大事だと思う。でも、迷っている暇がない時は、これまで迷ってきた自分を信じて全力で動くよ。
 迷ってきて、常に省みてきたからこそ、自分の意思を信じられる。後悔する事も、やっぱりあるけど。それでも。」

楓森焔 >  エルピスを見つめる瞳。それは最初から真剣だ。
いつでも正面から問題に向き合いたかった。
いつでも正面から困難に立ち向かいたかった。
 あの日、あの時。一度は逃げてしまったけれど、
色々な人のお陰で元気を取り戻すことができた。
 だから、エルピスの言葉を聞くのだ。
彼もまた焔に何かを伝えようとしている。
 己を責めるからこそ、己を罰するからこそ。
彼女は己を高めることに貪欲だ。
「迷いはあるけど……全力で動く」
 それはきっと彼女もそうしてきた。
けれど、最後の最後に躊躇してしまった。
想いを伝えるのに、どれだけの心を尽くせばわからない。
だからといってそれを放棄していいとは限らなかった。
 エルピスの言葉を改めて受け止めて、自分の拳を握りしめる。
そうだ。自分の走ってきた道はきっと間違いではないはずだ。
誰かを守りたいというスタート地点は間違っていないはずだ。
 何をどうすればいいかはわからないけれど、彼の言うように。
 俺は。
「俺は……流派・俺流の、開祖にして師範で。みんなを守りたくて」
 俺は強い。強くなりたい。目指せと、友達にも言われたから。
ファンだと言われたから。
 確証は持てない。でも、迷っても自分の意地は信じるべきだ。
「俺の拳は…………」
 じっと見つめる。何の役に立つのか分からなくなった拳。
 強いか? 分からない。今でもそれはわからない。
 ただ、拳が熱を持つ。

エルピス > 「ほむらちゃんの拳は、ほむらちゃんの拳だよ。
 ほむらちゃんの頭じゃないし、ほむらちゃんの口でもない。
 口で絵を描く事は困難を極めるし、手で考える事は出来ない。
 
 ……でも今は、そんな事はどうでもいいんだ。重要なことじゃない。」

 そこまで言って、正論は要らぬとばっさり斬り捨てる。

「ほっほっほ、楓森焔よ、よくぞここまで技と体を鍛えた――次は心を鍛えるのじゃ。心・体・技揃ってこそ、一流の武術家なのじゃ!
 ――なんてね。でも、案外そういうことかも。なんて。ちょっと大変な、試練になるかもしれないけど……」

 暗い雰囲気を飛ばそうとしたのか、明るく努めようと、ややわざとらしい老師風の口調で喋ってみせる。
 ――あんま、似合ってない。

楓森焔 >  エルピスの、わざとらしい口調。
「ぷっ!」
 それに思わず吹き出して。
「ははっ、ははは! そうか、うん。
そうか……次は、心を鍛える番か!」
 真面目に聞いていた。聞いていたからこそ、
きっと彼のそういった気遣いが心に届く。
「なあ、エルピス! ……俺の拳はさ」
 こちらも、ようやくゆっくり立ち上がった。
「守るだけの力があるのかな」
 確証の持てない拳。心を鍛えれば心を守れるのかもしれない。
拳は。拳を鍛えていたのは間違いじゃなくて。
誰かを守るために拳は必要で。
ただ、守るために二つの力が要るだけなのだと。
そういった確証が持てないでいた。
 それは彼女にとって迷いだ。
心を守れなかったから、ただそれだけで、己の拳、道すら否定してしまった。
 拳が熱を持っている。身体も少しずつ、温まっていくような。

エルピス > 「うん。在るよ、絶対。
 ――誰が保証しなくても、ボクは保証する。
 ううん、ちょっと違うね。こうかな。」


    「信じるよ。」


 にぱっ、と、花が綻ぶような、日が昇るような、
 とても柔らかく、暖かい笑みを見せただろう。

楓森焔 > 「そうか。……そうか」
 その笑顔を見て。焔はもう一度、力強く拳を握りしめる。
「無駄じゃ、なかった。俺の拳は、俺は、」
 大きく息を吸った。自信に満ちた笑みを浮かべ、目を閉じて。
一本一本拳を握りこんで、重心を落とす。
今までやってきた反復練習。それを確かめるように丁寧に、丁寧に。
 拳が熱い。身体が熱い。
「流派・俺流、開祖にして師範!」
 ズダン、と。まるで大地を揺るがすような踏み込み。
空から吹き降ろす風のように。或いは大リーガーのピッチングのように。
拳を振る。足元を大きくへこませるほどの力強い踏み込み。
「楓森焔ッ! だぁッ!!」
 大砲の如き轟音。竜巻めいた、風の砲弾が撃ちだされる。
それは己の拳の届かぬ敵を撃つための技。
焔が最初に編み出した原点。
 演習場の結界に着弾したその"拳"は、周囲一帯を大きく揺るがせた。
「ぅ押ッ忍!!!」
 ビシリと残心を決めて、大輪のような笑顔を浮かべ。
勢いよく親指を立てながら、
「完全ッ! ふっかーーーっつ!!」
ババァーン! と、効果音がなりそうなほどの見得を切った。

エルピス >  
 力強さに溢れた焔の一挙一動を、さも自分の事の様に嬉しそうに見る。
 うん、と頷けば、再び、大げさに――

「うむ、よくぞ復活した、楓森焔よ! 心を鍛えながらも体と技もの鍛錬も怠らず、更なる成長を遂げるのじゃ!
 ――えへへっ、完全復活だね。ほむらちゃん!」

 楓の両手を取ろうと、そして上下に揺らそうとしながら、嬉しそうにはしゃぐだろう。

楓森焔 > 「あーーーッ! なんかすっきりした気分だ!
いや、ほんとありがとうな、エルピス!」
 もちろん、相手の両手をとって、こちらも勢い良く振るだろう。
 焔は原因を理解できない。しかしすっきりした。
その上で復活したのだ。色々な友達の力を借りて。
 後顧の憂いはない。あとは焔として全力を尽くすだけ。
 楓森焔はシンプルそのものだ。だからこそ、これからもそれで行く。
悩み、駆け抜け、自分を磨く。
それでいいに違いない。
「うん」
 それでいい。にっと笑って。
「さんきゅーな!」
 と、エルピスの肩を叩くだろう。

エルピス >  
「うん。役に立てたならよかったよ。ありがとう。
 これからも大変だと思うけど、頑張ってね。応援、してるから。」

 くす、と微笑んでみせる。

「それじゃ、行こっか。――あっ、かけっこでもしてみる? どっちが演習場の外まで早く辿り着けるか、なんてっ!」

楓森焔 > 「おう! 見とけよ! これからの俺は全力だ!」
 雑にまとめた髪を払うようになびかせて。
「度肝を抜かれてもしらないぜ!」
 挑戦には不敵な笑みで答えた。
 まるで大地をつかむように、焔の素足が真下をつかむ。
 ぐっと足に力を溜めて、
「"勝った方が"ニルヤカナヤで飯奢りな!」
 自分が勝つ気満々に。今まで持て余していたパワーを振り絞るかのように。
「3! 2! 1! ドン!」
 ロケットの如き全速力で演習場の外へと駆け出していくだろう。

エルピス >  
「うんっ、負けないよっ! ――って、"勝った方"?」

 にっと笑って、全身の飛行ユニット起動――するのが一カウント分遅れてしまう。
 それでもロケットの如き速度を魅せる焔の後を追い、全力で加速する。

「あっ、ちょ、ま、待ってー!?」

 さてはて、勝負の結果は如何に――

ご案内:「第一演習場」からエルピスさんが去りました。
ご案内:「第一演習場」から楓森焔さんが去りました。