2015/07/19 のログ
ご案内:「第一演習場」に頸城 陸さんが現れました。
頸城 陸 > 演習場の一角に一人。
その眼前には、一体の自動人形。
「……さ、頑張ろ」
小さく呟いて、自らの異能を発動。
己の体から黒い霧が吹き出すと、即座に鎧の形を取り硬質化。
漆黒の装甲を身に纏うと、ゆらり、拳を構えた。

頸城 陸 > 演習開始のブザーが鳴る。
自動人形が地を蹴り、此方に向かって一直線に突っ込んでくる。
どうする、一瞬の思考。決まっている、真正面からぶっ飛ばす。
右足で踏み込んで、左足を跳ね上げ、蹴る。
硬い激突音が鳴り、自動人形が吹き飛び、防壁に激突。
その腹部は、己の蹴りによってひしゃげている。相手が人間なら致命傷になりうる一撃。
だが、まだ終わってない。まだ、ブザーは鳴っていない。だから、もっと潰していい。
地を蹴り、駆ける。

頸城 陸 > 防壁に弾かれた自動人形は重力に惹かれて落下、仰向けに床と衝突。
起き上がろうとするそれの背を左足で押さえつけ、左腕を掴んで引きちぎり、乱雑に放り投げる。
その後、背を踏抜き、自動人形に穴を開けんと左足を上げた時、訓練終了のブザーが鳴る。

……もう潰すのは終わり。我慢しろ。
足を上げた姿勢のまま、兜の中でゆっくりと息を吐き、異能の使用を解除。漆黒の鎧は霧へと姿を変え、周囲の空気に溶けていく。
ゆっくりと停止した自動人形の足を下し、口を開く。
「……うん、このレベルなら楽勝、だね」
最初は簡単なやつから、ということで低いレベルのものからチャレンジしてみたが、結果は快勝。
これなら次はもう少し強めの物にしても大丈夫だろう。もしくは、もっと固いやつか。

「……って、違う違う」
慌てて首を横に振り、思考を切り替える。
自分の目的は異能の制御だ。戦闘能力を鍛える事じゃない。
少し早いかもしれないけれど、休憩しよう。後、考え事。
演習場の床に座り込み、思考の海に浸る。

頸城 陸 > 腕を組んで、思考の海を泳ぐ。
……腕を引きちぎったのはやりすぎだとは思うが、最後の追撃を止められたのは成長だと思う。以前なら、ブザーが鳴ってもそのまま踏み抜いていただろう。
「少しは、我慢強くなってるのかな」
忍耐力を鍛えるためのドミノ倒し特訓は無駄ではなかったのだ。……と、思いたい。
まぁなんにせよ、いい方向には向かっているのだろう。
……後は強化の度合いをなんとかしたい。この異能の鎧は強力すぎる。
「メーターとかでいじれればいいんだけど、強化倍率」
そんな便利なものはついていない。
なら、どうするか。
とりあえず、考える。

頸城 陸 > 「……これ、弱い版、とか作れないのかな」
ふと、思い浮かんだ考えを、口に出してみる。
どうすればできるのか、なんてことはよくわからないが。
気を抜いて発動してみればいいのだろうか。
……そもそも、本当にできるのだろうか。
無駄な努力、じゃないだろうか。

「……いや、そうじゃ、なくて」
首を横に振って、思考を吹き飛ばす。
やりたいようにやればいい、考える前に動けばいい、以前言われたことを思い出す。
そうだ、出来るかどうかじゃない。やってみるんだ。
思いついたことは全部やる。
もっと頑張って、完全にこの力を制御するんだ。
そして。
「……カッコイイ姿を二人に見せるんだ。約束、したから」
小さく、そう呟いた。

頸城 陸 > 「さて、じゃあもうひと頑張りしようか」
立ち上がり、大きく伸びをする。
取り敢えず、普段よりも弱いものを作る感じで頑張ってみよう。
「……あー、でもレベル高い奴倒せるようになったほうがカッコイイのかな」
なだと、気の抜けた声で呟きながら、新しい自動人形を見に歩き出した。

ご案内:「第一演習場」から頸城 陸さんが去りました。