2015/12/19 のログ
ご案内:「訓練施設」に倉光 はたたさんが現れました。
倉光 はたた > ドン!
ドン!
ドン!

砲弾を叩きつけるような轟音とともに、
訓練施設に立つコンクリート柱が投じられた稲妻の槍によって
次々に打ち砕かれていく。

「…………」

雷光を放った異能者――倉光はたたを名乗る女子生徒は、
そのさまを無感動に眺めていた。
白い稲光を帯びる背の翼状突起が、ぴんと天を目指して屹立していた。

倉光 はたた > 倉光はたたは厳密に言えば倉光はたたではない。
少なくとも“倉光はたた”当人はそう認識している。
落雷を受けてから彼女は何もかもが変化してしまった。

自身の“正体”について、彼女なりに検討をつけて、数ヶ月。
その間ずっと、授業に出るほかは誰とも交流らしい交流をせず、暇を見てはこうして異能の訓練をしていた。
そのかいあって――自身では制御がほとんどできていなかった放電の能力を、
今やこうして自在に操ることが可能となっていた。

翼状突起から伸びた稲光が蛇のようにうねり、砕いたコンクリート片へと伸び……
それを掴み上げて、お手玉でもするように宙に放り投げる。
自然の稲妻には決してできない芸当であった。

倉光 はたた > 破壊力も精密性も申し分なし。十全に発揮できている。
……これで十分だろうか?
……まだまだ足りないだろうか?
それは未だはたたの知るところではない。
しかしきっと必要になる。それは知っていた。

訓練でかぶった塵を払い、施設を後にする。

ご案内:「訓練施設」から倉光 はたたさんが去りました。