2016/01/15 のログ
■ヨキ > まさか、と、小さく笑う。
まだ十年と少しばかりで、結果など期待していないはずだった。
だが、今なら。
どこまでもゆけるかも知れない。
試してみれば、本当に本当の意味で、無限に産み出せるとも知れない。
この常世島はおろか、さらに広い範囲をも揺らがせるほどの量が?
もう一度、空の手のひらを開きかけて――止める。
「止そう」
再び目を付けられかねない危険と、行為そのものの無為さに手を下ろして、目を伏せる。
■ヨキ > 例え小賢しい人間がヨキの異能を悪用したところで、誰ひとりとして罪にはならない。
何故なら、世のバランスをひどく安易に崩しうるにも関わらず――ヨキの力が産み出す金属は『本物』だからだ。
即ち、それこそが法に触れず、人びとが裁くことのできない『悪』だ。
やがて金属が消え去り、元通りに開けた演習場に立ち尽くす。
(人に利用されるのならば……)
踵を返す。
(『君』がよかった)
同時に、それが決して望まれはしないことも判っていた。
暗闇に目を伏せる。
ひとり、演習場を去る。
ご案内:「演習施設」からヨキさんが去りました。