2016/03/17 のログ
ご案内:「訓練施設」にセシルさんが現れました。
セシル > 試験が終わった。
来年度からは本格的に試験が始まるし、近々委員会に入るための面接も控えている。

しかし、今は座学からの解放感に任せて、時間を忘れて剣の鍛錬をしたい。
そう思って、セシルは訓練施設を訪れたのだった。

セシル > もちろん、こういった身体を使う技術は訓練を怠るだけ鈍るので、試験期間中もこまめに訓練はしていた。
しかし、いかんせん試験勉強との兼ね合いがあるので時間を気にしながらの訓練になってしまうし、何より試験のことが頭にあってはいまいち気合いが入らなかったのだ。

解放感に任せて、楽しげに訓練用の端末を操作するセシル。
もう、すっかり慣れたものだ。

セシル > ひたすら、無心に素振りをする時間というのも嫌いではないが、明確に目的を定められていて、そして向上を客観視するための指標も分かりやすいこの世界の鍛錬のやり方を、セシルは好ましく思っていた。

まずは、レイピアの突きの正確さの訓練だ。
空中に浮かぶごくごく小さな幻術(実際はホログラムなのだが、セシルはそう解釈している)の的に、正確に、素早く突きを入れるという訓練内容だ。
1セット10回を10セットで一組。それを3回繰り返す。

セシル > 「………ふぅ」

瞬発的な動きが要求される鍛錬であるため、無酸素運動になる。
インターバルの間に深く息をついて、そしてもう一度同じ設定で訓練を繰り返す。

それを、何度か反復する。

セシル > 「………よし、このくらいか…」

しばらく鍛錬を続けて、息が大分荒くなったあたりで長めの休憩に入る。
呼吸を整えながら軽く柔軟体操をした後休憩スペースに移動して、自動販売機でスポーツドリンクを購入。
適当なベンチに腰掛けて、ペットボトルの蓋を開けると、一気に三分の一位を飲んでしまった。

(思う存分鍛錬が出来ることが、これほど気持ちの良いことだと思えたのは久しぶりだな)

ペットボトルの飲み口を口から離すと、満足そうに表情を緩めて深い息を1つ。

セシル > スポーツドリンクを半分ほど飲んだところで、再び訓練スペースへ向かう。

今度は、反射神経の訓練だ。
端末を操作していく。セット数を入力して、訓練開始のボタンを押すと、今度は先ほどの的よりは少し大きいものの、小さな輪が5つ空中に現れる。
そして、始まるカウントダウン。

レイピアを抜き、強く、速く呼吸をして集中。
目の前の「幻術」で出来た的を見据えた。

セシル > これは、カウントダウン終了と同時に輪の中に数字が現れ、その数字の順番に、正確に素早く輪を突いていく(中である必然性が無いのは初回に確認済みである)、というものだ。
先ほどの正確さの訓練では時間と同時にどの位置を突いたかという記録が出たが、こちらは反射神経…つまりは速さを鍛えるための訓練なので、かかった時間の記録だけが出る。

セシルはこれを10セットで一組とみなして、これまた何回も繰り返す。
実戦は大事だが、反復練習も大事なのだ。

セシル > 速さを鍛える訓練のため、時間自体はさほど長くはない。
それでも、集中力を切らさぬように気を配り、素早く、正確な動きが出来るよう全身に意識を巡らせていれば、身体がじわりと汗をかいてくる。

「………よし、終わりだ」

自分で決めていた量をこなし終えると、レイピアを腰に戻し、端末のところに戻る。
そして、時間の記録を確認する。慣れもあって、早くなってきてはいるようだった。

(…後は、この成果を実践で確認出来れば言うことは無いが…)

剣士の知り合いは、まだそこまで多くない。
剣術訓練の授業を来年度から正式に取れれば、知り合いも増えるだろうが…。

セシル > (…いや、基礎の反復を怠らなければ、それが私を裏切ることも無い。
粘度が改まってから授業を取れば良いし、焦ることも無いだろう。今はこの島の社会のあり方を覚える方が先だ。

…シャワーでも浴びながら、今度の面接で話すべきことでも考えておくか)

そんなことを考えながら、セシルはシャワー室へ消えていった。
…無論、女子用の方に。

ご案内:「訓練施設」からセシルさんが去りました。