2016/04/21 のログ
ご案内:「演習施設」に佐伯貴子さんが現れました。
佐伯貴子 > (歓楽街の路上を模したVR空間。
 制服を着た佐伯貴子が立っている。
 相手にするのは、演習用にプログラムされたロボット3体。
 関節はほぼ人間や亜人と同じに作られており、
 表面は筋肉や脂肪の代わりに人工スライムが張り付いている。
 風紀委員用の対人制圧トレーニングプログラムである)

両手を見えるように地面に伏せろ。

(お決まりの文句を口にするが、これはトレーニングである。
 ロボットたちは周囲を取り囲もうとする)

佐伯貴子 > (ロボットたちが動き始めた瞬間、
 佐伯貴子の姿がかき消える。

 転移魔法。

 入学当初から訓練に力を入れており、
 ここ半年で物にした能力である。
 3人をできるだけ直線で捉えるような位置に移動。
 数の不利を一瞬でなくす。
 ロボットたちは貴子の姿を見失う)

佐伯貴子 > こっちだ…

(小声を出したのは、こちらを向かせて正中線上の急所を正確に狙うため。
 一番近い位置にいるロボットは、170cmほどの人間男性型。
 こちらを見られると同時、貴子は右足を踏み込み、
 縦にした右拳を顔面に突き出す。
 直突き。
 鼻の下と顎の上にある2つの急所に同時に打撃を与える、
 ルールのない場所でこそ威力を発揮するブローである。
 右拳はロボットの顔面を捉え、
 打たれたダメージで腰を折る動作をする)

佐伯貴子 > (左足を引きつけ、その勢いを利用して、
 金的蹴り。
 格闘技をやっているか、喧嘩慣れしていなければ、
 ほぼノーガードになる急所。
 崩れ落ちる一体目を一瞬確認して、転移魔法。

 残りの二人を一直線上に捉える。
 数の不利は常に潰し続ける。
 二体ともこちらを視界に捉えていない)

佐伯貴子 > (二体目は190cmほどの亜人タイプ。
 すかさず右の上段回し蹴り。
 狙うは首筋、後頭部。
 脳にあたる器官が首の上についている以上、
 神経網の集まる首は急所である。
 足を引いて残心を取るのと、
 ロボットが前かがみになるのは同時。
 両手で頭部を掴み、左膝を顔面に叩きこむ。
 およそ鼻っ面に打撃を食らってひるまない哺乳類はいない。
 そこが弱点であるから)

佐伯貴子 > (残りは一人。流石に奇襲は通用しなかった。
 右手を伸ばしこちらに掴みかかってくる。
 身長は2mを超えるくらいであろうか。
 殴り合いは避けたい。

 左腕を曲げ、手を広げ、指先は上に。
 ロボットはその腕を掴む。
 腕がなければ襟首を掴んでいただろうから)

佐伯貴子 > (腕力が強い方が弱い方を掴めば、一方的な展開になる。
 そこで、掴まれた部分を支点に、左肘を時計回りに半回転させる。
 手首を極めた。
 哺乳類の手は、手の甲を内側に向けたままでは力を十分に発揮できない。
 右手で相手の拳を掴み固定し、
 喉仏へ爪先蹴り。
 鎖骨の間に爪先蹴り。
 鳩尾に爪先蹴り。
 正中線上に急所は存在する)

佐伯貴子 > (力を失った相手の後頭部に踵を落とし、転移。
 三体を見回せる位置に移動。
 立ち上がってくるものは、いないようだ)

物理反射や自動発動の能力がなければ、不可能ではないな…

(言いながら、VR装置のスイッチを切りに行く)

佐伯貴子 > (演習場の端のベンチに座り、タオルで汗を拭く。
 こういった訓練は数をこなさなければならない。
 実践で使えるのは練習でとった行動のみだ。
 戦闘服とも言える風紀委員の制服を着たまま、
 何度も訓練を繰り返すのであった)

ご案内:「演習施設」から佐伯貴子さんが去りました。