2016/05/25 のログ
ご案内:「演習施設」に雨宮 雫さんが現れました。
雨宮 雫 > 夜間の利用可能時間、誰ともバッティングしなさそうな一番遅くを予約。
利用再現フィールドは林の中を再現。

何をするかといえば、まぁ、昨日のに影響されたと言えば安直かつ安易だが、異能の発露でもさせようと思ったのであった。

林の中に立ち、入念な事前の準備運動。
異様に柔らかい体をぐりぐり動かしてー……ほぐす。

そしたら、縦にながーい長い布を出して、端を握って地面へ投げる。

そしたらー…… 目を閉じて、意識の中で、錠前に鍵を差し込み、 ガチリ と開くイメージを想起する。

雨宮 雫 > 息を吐きながら開く両の目が、強い翠色を灯す。

途端、視界を埋め尽くす情報量に脳が急速に動き出す。

佐伯を攫い、洗脳し、強化させた異能がもたらす異常な情報の海を強化された神経系統と脳組織が消化していく。

足元を見る。
再現された地面に使われているものまで細かく細かく、観えて、分かる。

周りを見る。
再現された木々に草に  処理に必要とされる膨大なリソース、集中力に笑ってしまう。

「これキッツいなぁ、でも佐伯に全力強化させたらどうなってたんだろうかな、かな。
 ほんと、勿体無いコトをしたものだね、だね…… ぉえ。」

雨宮 雫 > さて。
自分の体も勿論、この異能の例外にはならない。

むしろ自分の体だからこそ、呼吸で呼び起こし、意識的に全身の経路に巡らせる気の流れも容易に把握できる。

布の端を握っていた手を軽く振って。
巻き上げた長布をグールグルと緩く、体操選手のリボンのように宙に、螺旋状に回す。

よーく回して、自分の気を十分に通してー……ぐっと逆に思い切り引く。


「――――――――加ぁ!」


気合と共に、引き絞られる長布が真っ直ぐな一本の棒と化す。

雨宮 雫 > 「ふ――――っ」

布棍と化した中ほどに片手を添えて、両手で勢い良く振り回す。

ひゅうんひゅうんと空気を裂いて旋回する布棍が加速し。
両手から肩へ回り、タイミング良く両手を添えて、動きを変えて上半身を旋回する。

視線を忙しく動かし。
つま先から指先、布棍に、勢いで振られる髪の毛の先まで気の流れを視認しながら、ゆっくり、足を踏み出す。

雨宮 雫 > しっかり地面を踏んで、身に憶えさせた型をなぞる。

布棍を手首に腕に肩に腰に、首を基点に ぐにゃり としならせながら旋回させて、視界に入った林の木を、枝を順番に叩き折る。

宙に飛ぶ枝を更に狙いながら、加速する布棍を振り回す。

高速で動く布棍の先まで、自分の髪の毛の先まで氣を入れて、制御するのは、異能の習熟にもなる。

どれぐらいそうしていたのか―――

先端が霞み始める速度になった布棍が、自分を中心にした地面に綺麗な円を画くになって、疲労より先に頭痛が生まれた。

膨大な情報を処理させられている脳が そろそろ辛い と訴えてきた。

雨宮 雫 > 最後に、左手の手首から旋回させた布棍を腕に、肩に、反対の肩へ腕へと振って。

右手で布棍の端を握ると、全身を思い切り回転させて、近くの木へと全力で突を放つ。

ゴキァ  と、大きく、鈍い音をさせて布棍が木へめり込んで   雫が全身の動きを止める。



宙を舞っていた長い髪が地面へ落ちて…… はぁ という短い吐息と共に練った氣が霧散。

吹き出る汗と共に、布棍がただの布へと戻って、地面に落ちた。

雨宮 雫 > 「はぁー…………はぁー……   あっつい。
 もーシンドイこれ、眼が痛い。」

服の襟を思い切り緩めて、バタバタと扇ぎながら、袖で汗を拭う。
拭っても拭っても、汗が出る。

雨宮 雫 > 「ぉえ、 ちょっと吐きそう。
 ボクの体じゃ不足っぽい、うぇー……」

ぜー ふー と不規則な息を吐いている間に、両目から翠色の光は消えている。

握ったままだった長布で顔や首やの汗を乱暴に拭って、拭って。
やっと立てるようになった頃合になるまで待って、その場を立ち去る。

去り際にフィールド再現のスイッチがOFFにされれば、鍛錬の痕跡も綺麗に消え去ることだろう。

ご案内:「演習施設」から雨宮 雫さんが去りました。