2016/06/27 のログ
ご案内:「訓練施設」に真乃 真さんが現れました。
真乃 真 > …必殺技、それは男のロマンである。
いかなる窮地であってもそれを覆すことの出来る必殺技は例え使わなくとも持っているだけで
一つ上のステージに立った感がある。…気がする。
つまり、必殺技はとても大事である。

そんな訳で真乃真はこの訓練施設にやって来たのだった。
おそらく必殺技を練習するにあたって転移荒野、浜辺と並んで人気のあるこの訓練施設に!

…決してテストの時期が近づいてきた事実から逃げているわけではない!
確かに今年からとった異世界言語の試験については若干の不安が残るもののそれ以外は大丈夫だ!
大丈夫だ!

真乃 真 > 「…さてとそれじゃあ始めるとするか!」

そういうと普段は持ち歩いていない固そうな材質のケースを開く。
黒色のケースには機械化された龍のイラストがプリントされている。
真はそこから針と糸を取り出した。
そう、このケースこそはは真が小学生の時から使っていた裁縫セットである!

チクリ、チクリと自らが愛用するタオルにタオルと同じ白い糸を通していく。
図書館で借りた本のページを書き写したものをみながらその作業を続けていく。
これは繕っているわけではない。刺繍を入れているのである。

チクリ、チクリ、意外と器用に進めていくが訓練施設を使用する必要はあったのか
疑問を感じるほど静かに進む。

真乃 真 > …ある程度は完成していたのだろうか。
或いは自らの異能を有効に使用したのだろうか、意外と早くそれは完成する。

「出来た!真乃真式必殺技一号!ホワイトタイフーン!」

新たなパワーアップが施されたタオルを首に巻く。
こころなしか普段よりもたなびいているように感じる!
さっそく、訓練用の機械を操作して的を出現させると一気にそれへ駆け寄った!

「必殺!ホワイトインパクト!!」

(説明しよう!ホワイトインパクトとは!タオルによる打撃の際に刺繍により施した魔術発射穴から!
 簡易のな風の魔術を発動することでスピードと威力を高める技である!
 一つの魔術に全てを振り切る事によって応用性を減らしながらも威力を高めることに成功したのだ!」

先ほどと名前の少し変わった一撃を振るい魔術を発動させる!
タオルは微かな光を帯びて低級な魔力糸によって編み込まれた刺繍に力を宿す!
光とともにタオルの先端に編まれた刺繍から風が吹き出し!
長さと重さ!そして速度の乗ったタオルが的に叩きつけられる!

ズパンと大きな音を響かせて的は粉々に砕けて散った!

コンソールに駆け寄って数字を見ると驚くべきことに普段の二倍程度の数字は出ていたのだった!

「これは!成功だね!」

真乃 真 > 「あれ…何かフラってしたような…。」

喜びを感じたのと同時くらいに頭がくらりとする感覚に襲われる。
普段使うことない魔力を一気に消費したことにより身体のバランスが崩れたのである。
しかし、真はそんなこと知る由もない。

「…とりあえずもう一回ぐらい練習してみるか!」

両頬をバシリと叩いて気合いを入れなおして再度、機械を操作し的を出す。

「今度は三倍くらい狙おう!」

グルグルとタオルを右腕に巻き付ける。
…意味はない。

真乃 真 > 的まで一気に駆け寄ってその速度を生かしたままで右の拳を叩きこむ!

「必殺!タイフーンインパクト!!!」

何気なく行ったタオルを腕に巻く行為これは奇しくも魔力の供給効率を
最大限発揮できる形であった!
そうして最大威力まで高められた風の魔術は殴打の瞬間に!
一気に解き放たれてその真の魔力で発せられる最大限の威力を持って!
真の体を吹き飛ばした!

「何で!?」

未だになかなか強い風が衝撃の地点から吹き出す。
吹き飛ばされた空中で自らの異能により何とか衝撃をおさえる。
それとともに体の魔力を殆んど失ったことによる脱力感が体を襲う。

「…あっこれ…だめなやつだ…。」

しばらくして風が収まった訓練施設には付きっぱなしのコンソール
開いた裁縫道具と泥のように眠った男が残されたのだった。

ご案内:「訓練施設」から真乃 真さんが去りました。