2016/08/28 のログ
■真乃 真 > 「おっと!あれは、結構痛いな…。」
蹴りを食らう青年を見て心配そうな顔をする。
防御も出来ていないし下手したら折れてるのではないだろうか…。
「ああ、落ち着け!確かに勝てるさ!君はあれに勝てる!
でも、それは今でなくては駄目なのかい?」
ロボットと男子生徒の間に立って男子生徒に声をかける。
背後に立つロボットは勢いをつけたトンファーで男を殴打した…ように見えた。
しかし、ロボットは男に触れた瞬間に音も無く地面に寝かされていた。
一切の衝撃無く。一切の外傷無く。少しすればまた起き上がって攻撃を加えてくるだろう。
「どうしても今勝たなくてはいけないなら僕は止めないよ。
絶対今でなくても良いなら少し頭を冷やした方がいいと僕は思うな!さあ君はどうする!?」
無駄にカッコいいポーズをとり男は男子生徒に問いかける。
■滝川 浩一 > 「…!?」
こちらにロボットが突撃してくる…っと思ったのだが突如現れた男子生徒に驚く。
次の瞬間、ロボットが男子生徒を攻撃したかと思えば、地面に寝かされていた。
「貴方は…」
そうだ。彼は公園でジュースをくれた人だ。名前は確か…そういえば聞いてないのでわからない。
ともかく、何故彼がここに来たのだろうか。フラフラしつつもそう思考する。
腹部のダメージのせいか、あまりまともな答えが出てこない。
「……?いや、そういうわけじゃないですけど……」
とても情熱的な声で自身を説得するような彼に疑問符を浮かべながらそう返す。
かっこいいポーズも奇異な行動にしか見えない。
とはいえ、ロボットは立ち上がってくる。
止めるには破壊するか設定されたパスワードを発言するしかないようだ。
■真乃 真 > 「ああ、公園以来かな?あれから元気だったかい?
暑かったからね!熱中症とかならなかったかい?」
変な部分の心配をする。
だがそう、確かに熱中症は良くない。
「そうか!ならこれは止めてしまってもいいのかな!!
君はちょと休むべきだ汗だらだらかいてるし顔色も凄く悪いぜ!」
そう言いながら首元に巻いたタオルでロボットを殴打する。
変則的な軌道はトンファーの防御をすり抜けてロボットに当たるが金属が打ち合う音がするだけで破壊には至らない!
「うん!堅いなコレ!!」
縦横無尽にタオルは舞い金属は鳴り響きそしてロボットは防戦一方。
だが、塗装が剥げ装甲がへこんでもロボットに大きなダメージを与えられてるようには思えない。
むしろこのままならば男の体力が尽きるのが先だろう。
■滝川 浩一 > 「っ…!」
剣を消し去り、ロボットの戦闘を開始する男の背を見る。
あの長いマフラーは…まるで、昔にテレビでやってたバッタのヒーローみたいだ。
「っとそんなこと考えている場合じゃない…!『止まれ』!!」
ロボットと正面から互角に張り合う彼を見て、唖然とする。
しかし、見た限り決定打を打ててないことを察すれば大声でそのように発言する。
直後、ロボットは動きを停止し、背筋を伸ばして回れ右をする。
地面からロボットを格納するような倉庫が飛び出せば、そこにロボットは歩いていき、ガチャンと音を立てて倉庫内に収まる。
倉庫は地面に戻り、再度訓練施設の無機質な一室が広がる。
「くっ……何故庇ったんですか…?」
腹に手を添え、激痛を感じつつも目の前の彼にそう問いかける。
■真乃 真 > 「ああ、もう埒が明かないな!」
こうなったら必殺技を使うしかないな!
そう思ってたところでロボットがパスワードにより帰っていく。
そういえばそういうのもあったな…とか思い出しながら青年の方に向き直る。
「何故庇ったかって?そりゃあ続けても意味がないからだよ。」
青年に近づいて押さえている手の上から軽く腹を叩く。
こんな状態でさっきのような戦い方をするのは難しかっただろう。
「君は別に今勝てなくてもいいと言っただろう?
絶対やりきりたいわけでもない訓練でにこんなにボロボロになるのは褒められたものじゃあない。
それとも何かい?君はこのロボットに勝つのが最終目標で訓練しているのかい?」
もしも、どうしても今勝ちたいと答えていたならば。
とりあえず保健課に連絡を入れておくぐらいで止めずに見ていただけだろう。
おそらくこれ以上ボロボロになっていたとしても。
■滝川 浩一 > 「っ…!」
痛みに耐えきれず、その場に座る。
座れば少しは痛みが引いてくる。腹部への衝撃はさすがに不味かったか。
「…いえ、そういうわけじゃありません。ただ…なんというか…」
彼の言葉、ロボットに勝つことが最終目的ではないことを告げれば、どのように今の気持ちを伝えようか考える。
落ち着くために深呼吸するが腹部の痛みが悪化する。
それに顔を歪め、下を俯く。
痛みに耐えつつ、何とか口を開こうとする。
やはりダメージが多すぎるか。回復する何かが必要だ。何かが…
彼が痛みに顔を歪ませれば、周囲に粒子のような青い光が発生する。
■真乃 真 > 「ああ、分かるよ!それはプライドのようなものだろう!
或いは矜持のようなものかもしれない、未だただのもやもやとした気持ちのようなものかもしれない!
でも、譲りたくないものなんだろう?ならば君はそれを示すべきだった!言葉で!態度で!行動で!
だけども、しかし!君はそれを示さなった!ああ!だから、君は庇われた!」
自分がそれを望むなら示すべきなのだ。
周りから見て危険でも!無謀でも!不可能でも!
自分を示すべきなのだ!
「おっと、ごめんそんなに強く押したつもりはなかったんだけど…!」
痛みに耐える様子に思わず謝罪する。
何だろう?この光は魔術?或いは異能だろうか?
魔力の探知に劣る真では判断がつかないが異能のような感じがする。
■滝川 浩一 > 「何かが……必要だ…!」
下を俯くが力強くそう発言する。
掌を前に出せば、その手に向かって青い光が集まってくる。
青い光は何かを形作るように集まっていき、形が整えば、一瞬だけ閃光が走る。
彼が手に持っていたのは球体のような物質。
その球体には複数の線が複雑に入れてあり、目を凝らせば隙間から内部の構造が見える。
顔を俯きつつ、それを強く握れば、黄色い光が球体から発せられ、まるでオーラのようにそれを握っている彼に纏わりつく。
「っ…?何だ?」
顔を前に向ければ球体を見てその様に呟く。
その表情は先ほどまで苦痛で悶えてたそれとは打って変わって、痛みが消えたように穏やかだった。
しかし、頭の中は疑問で一杯であった。自分で何をしたのかわからないのだ。
■真乃 真 > 「何だいそれは?」
手にした球体を眺めるも答えは出ない。
作り出した本人もどうやら分からないように見える。
「治ったの?それは治癒魔術なのかい?」
傷の有無はともかく男子生徒の様子は明らかに違う。
顔色も良くなっているし、汗も引いている。
上位の治療魔術?或いは自己再生の異能?
どちらにしても…
「そんな隠し玉を持ってるなら言ってくれよ!
止めた僕が先走っちゃった恥ずかしい奴みたいじゃあないか!!
いやあ、凄いね!これはどのくらいまで治せるんだい?」
みたいじゃなくてそのものである。
■滝川 浩一 > 「あっ、いえ…」
立ち上がり、その球体を見れば、先ほどの青い光になるように消し去る。
球体を消し去ったことにより彼を纏っていたオーラも消え去れば彼の方を振り返る。
実際、自分も何を作ったのかわからず、返答に困った。
(自分の無意識で物体を生成した…?いや、そんなハズは無い。
生成なんて、イメージがあり、意識がある中で出来る芸当だ。…とすれば、強い目的への意志が生成物を作り出したのか?)
頭を抱え、そのように考える。
強い意志で生成物が出来上がったのか…それとも、強い意志があればそれを達成するに最も相応しい生成物ができるのか…
謎である。
「あ、いえいえ…魔術かどうかもわかりませんし…というかこれを作り出したのも初めてなので隠し玉でもなければどのくらいまで治せるかもわからないので…
つかぬ事をお聞きしますが、お名前は何というのでしょう?」
次々に質問を投げかける彼に困惑気味にそう返せば、名前を聞いておく。
■真乃 真 > 「分からないのか…なるほど!ピンチになって隠された力が目覚めた的な!
なるほどな、こういう事がある異能ならやっぱり止めないほうが良かったかな?」
成長のチャンスを一つ潰してしまった事にもなりかねない。
今度からは気をつけるとしよう。
「おっと、急だね!とても急だね!僕の名前は真乃真!三年生だよ!」
無駄にカッコいいポーズでそう答える。
「僕の名前は答えたよ!じゃあ、君の名前はなんていうのさ!?
まだ知らないぜ新入生!」
おそらく新入生であるという決めつけから新入生と呼ぶ。
先輩とかならごめんなさいだ!
■滝川 浩一 > 「……」
彼の言葉に無言を以て答える。
目の前の男性の言葉は差し詰め間違いではないのだが何というか反応に困る。
(真乃真…?ヒーローっぽい…ってこの人のことか!!)
彼の自己紹介、そしてかっこいいポーズを見て、あからさまに驚く。
実は彼の話を以前、友達から聞いており、それ以来探していたのだ。
「いえいえ、すいません。…滝川 浩一。二年生です。転校生です…はい」
急と言われ、申し訳なさそうに謝ればそのように返す。
ある意味では新入生だがそのように返す。
■真乃 真 > 「なるほど滝川君か!転校生で二年!それはある意味新入生よりも大変だ!」
別に4年で卒業しなければならないというわけでもないが4年生での卒業を目指すならば
それは大きなディスアドバンテージであるだろう!
そしてそれより大きいのが価値観の変化だろう。
長く本土にいた分、価値観が固定されやすく受け入れるのに時間がかかりそうである。
「転校してきたばかりなんだろう?困った事があるならば何でも言ってくれよ!
僕に出来るところまで助けるから!!」
そう、転校生でも新入生でも新しく入って来た人を助けるのには慣れているのだ!
実際に助かっているのかは分からない!!
■滝川 浩一 > 「えぇ…まぁ、はい。そこは何とか頑張ってます」
大声で元気に話す彼に苦笑いしつつ、そのように返す。
価値観の変化や環境の変化は今ではもう慣れつつある。
とはいえ、異能や魔術、異邦人などのこの島でしか見られない事象について、驚きは尽きないのだが。
「あぁ、はい。実は今困ってるんですが…真乃さんは以前、羽切東華という人物にアパートを紹介したと聞いたのですが…
その、自分にもアパートを紹介してほしいな~…なんて」
早速助けてもらおうと目の前の彼にその様に言い放つ。
目的の人物に出会えたのだ。もし今を逃せば次は無いかもしれない。多分。
■真乃 真 > 「なるほど!羽切君からの紹介か!!確か彼も新入生だっけ?」
確か、妖刀の女の子と同棲したいからアパートを探しているとかだった!
そう、同棲してイチャイチャしたいから!アパートを探しているとか!!
イチャイチャは言っていない気もする!!でもきっと、恋愛的なあれだろう!!
決めつけである。
「なるほど!さては君も誰かと同棲してイチャイチャしたいからアパートを探してるんだね!!」
凄い決めつけである。
「ああ、でもそこのアパートは駅から遠くて交通の便は良くないよ。
代わりに家賃が安くなるし足も鍛えられるんだけどね!
あ、あと異邦人街が近くにあるけど大丈夫かい?」
今はともかく学校が始まれば少し不便になるだろう。
■滝川 浩一 > 「彼も、というか彼『は』ですけどね」
一応新入生ではないということははっきりさせたいのかそのように返す。
しかし目の前の彼が訂正するだろうか。しなければしないで素直に諦めるが…
というか途轍もない決めつけをされているような気がする。気のせいだろうか?
「い、イチャイチャ!?いや、その自分はそういう不純な目的のために同棲しているわけではなくて…」
彼の発言を聞き、顔を赤くしてそのように否定する。
気のせいではなかった。彼の元気の良い返事の裏に何かが潜んでいるようで少し怖い。
「えぇ…そうなんですか?…困った。とりあえず、場所だけ教えてもらえませんか?」
近くに置いてある自分の物であろうリュックサックから、ペンとメモ用紙を取り出し彼に渡す。
そう急ぐ必要もない。
妖刀の彼とは違い、こちらはカモフラージュ作戦が確立しているため少し余裕があるのだ。
■真乃 真 > 「うん、わかった彼はだね!」
素直に訂正に従う。特に従わない理由もない。
「でもその様子を見る限り女性と何だろう?
いやあ、良いね!まあ、頑張りなよ!僕は二人とも応援してるから!!」
妖刀の彼と目の前の彼の二人をである。
ああ、頑張れ!!
「ああ!分かった!」
既に描きなれた様子で地図を書いていき余白に大家の電話番号を記す。
とても分かりやすい。地図を読める者なら迷うことはないだろう。
「もし、部屋の内装とか間取りとか気になるなら羽切君の部屋を見せてもらえばいいんじゃないかな?
僕の部屋でもいいけど彼の借りてる部屋は二部屋あるらしいからそっちの方が参考になると思うよ!
彼女さん…じゃなかった!同棲相手と一緒に見せてもらいにいきなよ!」
そんな勝手な事も言う。
■滝川 浩一 > 「あ、は、はい…」
こちらにエールを送る彼にまだ顔を赤くしてそう答える。
あちらはともかく、こちらはそのような関係に発展してないが恥ずかしさのせいで否定を忘れる。
「あぁ、どうもありがとうございます。助かります」
快く地図をかき、電話番号も書いてくれる彼に笑顔で礼を言ってメモ用紙とペンを返してもらう。
解りやすいその地図を見て、それをジャージのポケットに仕舞いこむ。
「そうですね。実際見てみないとわからないものもありますし…
別件ではありますが、羽切少年の家も尋ねてみたいですから。あ、あと彼女なんて…そこまで発展してませんよ」
目の前の彼の言葉に同意し、そのように言う。羽切少年にはいい迷惑だろうが…何、主人公ならば許してくれるだろう。
彼女と言われると顔を少し赤くするも即座に首を振り赤みをごまかす。
■真乃 真 > 「賑やかになるのは良い事だ!きっと大家さんも喜ぶよ!」
入学シーズンに殆んど新入生が入っていないのでかなり厳しいって嘆いていたのだ。
学園から補助金は降りているらしいがそれでも何とかギリギリらしいし!
「その様子を見ると二人は結構仲がいいみたいだね!良い事だ!!」
男子2人は大分仲が良さそうに聞こえる。
なんだろう、急に同棲することになった仲間だからだろうか?
「いやあ、でも彼女でもないのに同棲なんて正直そっちの方が良く分からないんだけどね!
実は君のとこの同棲する子も妖刀ではなくても何かだったりするのかい!?そっちの方が自然だよね!」
何かは知らないけどきっと何か訳アリなのだろう。
そうでないなら逆に怖い。凄いじゃなくて怖い。
■滝川 浩一 > 「はは、まぁ、前向きに検討しときますよ」
笑顔でその様に返し、サムズアップをする。
現状はアパートに無理して引っ越す必要もないが、もしも手詰まりになった際はすぐに頼りたい。
その時に引っ越すだけの余裕があればだが…
「えぇ、何かと共通点が多いので…結構打ち解けて話せました」
確かに仲の良いことはいいことだ。
それが男なら尚更だ。女性とはできない会話がじゃんじゃんできる。
「えぇ、色々有るんですよ。彼女の名誉のために、詳しくは言えませんが…」
彼の言葉に肯定するが具体的に何があるかは話さない。
一々許可を取らねばならぬというわけではないが彼女の正体は彼女の口からいうべきだろう。
■真乃 真 > 「まあ、今何とかなっているならそれでもいいしね!
今は男子寮かい?あそこは近いし、安いし、賑やかだからね!タイミングを見て移ればいいよ!」
サムズアップには同じように返す!
まだ、将来的に同棲を考えている段階なのかもしれない。
あれ、実は普通の関係?
爬虫類を飼う用のケースで暮らしてもらっているという現状を知らない真はそう考えた。
「ああ、僕がこの島に来たばっかりの時はそこまで仲の良い友人は出来なかったからな!」
慣れないここでの生活も良い友達が出来ればそれだけで大分過ごしやすくなるだろう!
良い事だ!
「まあ、ここは常世島だ!色々あるんだろうね!君が言わないなら聞かないよ!
それにしても滝川君は誠実だな!そんな君だから君なんだろうね!」
その誠実さだ。
きっと、その人柄があったからその彼女に選ばれたのだろう。
「さて!結構長い事話したね!僕はそろそろ自分の訓練に戻るよ!!
あっ!傷が治せるようになったからってあんまり無理はしないようにね!
変な反動があるかもしれないしね!」
時計を見ると結構な時間話をしていたらしい。
そろそろ休憩は終わりにして自分の訓練に戻るとしよう!
「それじゃあ!また会おう!」
部屋の出口で最後にもう一度無駄にカッコいポーズをとる。
風が無いにも関わらず長いタオルを靡かせた無駄にカッコいいポーズである!
ご案内:「訓練施設」から真乃 真さんが去りました。
■滝川 浩一 > 「えぇ、ゆっくり、慎重に考えますよ」
元気いっぱいの彼に微笑んでそう返す。
色々なことをポジティブに考えられる人物なのだろう。
皮肉ではなくとても羨ましい。
「なんと…それでは自分は運のいい方なのですね」
早い段階で過ごしやすい環境を作れた自分は珍しいのかと少し驚く。
いや、目の前の彼が遅かったのかもしれないのだが…
「はは…いえいえ、褒められるほどのものではありませんよ」
誠実と言われ、少し照れつつもそのように謙遜する。
「…あぁ、はい。そうですね。訓練頑張ってください。
では、また」
かっこいいポーズを取り、去っていく彼に小さく手を振る。
出入り口の扉が閉まれば
「ヒーロー…か」
その様に呟き、後ろを向いて訓練に戻ろうとするのであった。
ご案内:「訓練施設」から滝川 浩一さんが去りました。