2016/12/02 のログ
ご案内:「訓練施設」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 『君は何か武器を使うべきかもしれないな…』と、風紀委員会の先輩に言われたのが数日前。
最近は仕事にも漸く慣れてきており、目立たぬ範囲で無難に立ち回っている。
その矢先に先輩に掛けられた言葉だ。…とはいえ、戦闘スタイルが基本徒手空拳なのだが。

「…むしろ、武器の類なんて全く使った事ないんだけど…」

死んだ魚の瞳の如く、覇気の無い視線のままボヤいて。学生証を提示して訓練施設の一つを借りる。
そして、持参していたボストンバッグを地面に落として。
中からゴソゴソと取り出したのは…光学照準器(スコープ)が付いた銃…スナイパーライフルだ。
先輩曰く、『君は射撃の素質があるかもしれない』と言われた。
何を根拠に?と、当然尋ねてはみたが返って来た返事は…。

「『名前からして飛び道具向きじゃないか…』なんて根拠も何も無いだろうに那須与一じゃないんだから」

そうボヤきながら、取り合えず説明だけは一通り受けてきた狙撃銃を持ち上げて具合を確認する。
実銃ではなく、特定の弾丸のみを撃てるレプリカ品…らしい。銃は素人だからよく分からないが。

(…そもそも、素人がいきなり射撃…それも狙撃なんて無理だと思うんだけどなぁ)

飛鷹与一 > 「…えーと、ボルトアクション式…とか言ったっけ…一発ずつ装填して撃つ感じの…。」

ブツブツと小声で呟きながら。素人スナイパー(仮)は狙撃銃を持ち上げてみる。
重量は3~4kgくらい、だろうか?実銃の場合は普通に5kgとか超えるらしいので、軽量な方なんだろう。
試しに、一度スコープを覗いて見る……うん、何と言うか新鮮だな。そんな感想しか出ない。

「……まぁ、気楽に力抜いてやろう。えーと、的を出すのは…これか」

このレプリカ銃の弾丸は特殊弾頭らしく、人体に当たると砕ける程に脆い。
が、その際に電気ショックを対象に与えて麻痺させるらしい。
電撃麻痺弾頭(スタン・ブレット)とか何とか言っていただろうか。

取り合えず、操作などは素人でも出来る程度に簡略化もされているらしい。わかりやすいのは助かる。
マガジンの中身を確認してから銃身下部にカシッと装填。ボルトを一度上に引き上げてから後ろに引いて弾丸装填。

「…で、後はスコープを見て撃つ、と。…色々と大事な要素をすっ飛ばしてる気がするけど…いいんだろうか…」

等と呟きながら、近くにあったコンソールのスイッチを押して的を出現させる。
…操作を間違ったのか、100メートル地点、150メートル地点、そして200メートル地点に的が出現する。

(……うっわ、普段使わない施設だからマズったかも…どう考えても当てられる自信が無い…)

飛鷹与一 > (…と、いうかこれって護身にはならないだろ…どう考えても他の人を後方から援護するタイプのチョイスだろ…)

素人なので、呼吸のあれこれや気温、湿度、風向きのあれこれとか分かる訳が無い。
雑念も多分に混じっている。…が、異能はアレで魔術も未だに使えない。
平凡を目指しているとはいえ、こういう特技があるとまぁ…少しは役立つだろうか?

「……まぁ、どうせ外れるだろうから気楽にやろう」

そう呟いて、スコープを覗きながら100メートル地点の的を見る。
簡易的に人体の上半身が描かれているそれ。特に狙いを付けず、当たれば良し、のつもりでトリガーを引いた。

ガァンッ!反動が手元を襲い…いや、あまり反動が無い。銃弾が特殊だからだろうか?
さて、まぁ問題は結果な訳だが…。スコープを再度覗いて確認する。

「………嘘だろ…?」

的のど真ん中…いや、描かれた人体の頭部中央に弾痕があった。いわゆるヘッドショットというやつである。