2016/12/10 のログ
ご案内:「訓練施設」にニコラスさんが現れました。
■ニコラス >
(この街で暮らし始めてしばらく経った。
違う世界と言っても言葉は通じるし、異世界の者には資金面での補助もあるようだ。
色々調べたけれど元の世界に関する情報は全く手に入らず、狙って元の世界に帰る方法も無いようだ。
ショックではあるものの、旅の一環だと考えて切り替える事にした。)
えっと……こう、かな。
(コンソールを操作すれば的が出てくる。
後はスタートボタンを押せば、カウントダウンの後にいっせいに動き出す、と言うものらしい。
射撃訓練に使われるプログラムだが、自身が手に持つのは弓と矢だ。
複数の木材で作られた所謂コンポジットボウではあるが、何の変哲も無い弓である。
ボタンを押して射撃位置に着き矢を番えた。
カウントは五から始まり、電子的な声が読み上げる数字を減らしていく。)
■ニコラス >
(弓に番える矢は一本。
矢を握る手にはその一本の他に三本の矢が握られている。
狙いは付けず、弓は引かず、しかしいつでも動けるように。
読み上げられる数字がゼロになり、四つの的がいっせいに動き出した。)
――ッシ!
(同時に矢を構えて引き絞る。
右方向から左へ孤を描いて移動する的へ矢を放ち、新たな矢を引く。
左前方から離れるように移動する的を狙って矢を放てば、次は跳ねるように左から動く的へ。
最後に落下するように上から移動してきた的。
それぞれの矢は見事に的の中心を射抜き、四回連続で硬いものが砕けるような音を立てた。)
ふー……。
(見事な早撃ち。
狩りには必要の無い技術だとは思っているが、旅をするにはこういう技術も必要だとわかった。
前の世界にいるときからずっと訓練はしていたのだが、それなりに誇って良いぐらいの出来になったのではないか、と考えている。)