2017/02/05 のログ
ご案内:「訓練施設」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 休日の午後。
図書館で本を返してから、蘭は訓練施設に足を運んだ。

『元素魔術・属性魔術に対する驚異的な適性』。その真価を確かめるために。
自分の技術の、先を見るために。

美澄 蘭 > 訓練スペースに入った蘭は、元素魔術の練習用の的を出現させるべく端末を操作する。
今回は、適当な間隔に並べられた的が三つ。
蘭は、その的から適当に…10mほど距離をとった。
的に向けて、両手を伸ばす。
目を閉じて、深呼吸。それから、目を開いて的を見据えて…

「『フレア・フレア・フレア』!」

渦巻く炎の球体が3つ、両手の間に生まれ…そして、的めがけて放たれる。
一つはやや中心を外れたものの、一応的には全部当たった。

美澄 蘭 > 「…流石に3つは…掌の数より多いから、イメージがちょっと難しいわね」

むー、という感じで眉を寄せて唇を軽くとがらせる。
的は、きっちり当たった二つは透明度の低い緋色に染まっているが…中心を外れた1つは、頑張れば的の向こうが見えそうな程度の透明度を残している。

(籠めた魔力の量は間違ってないはずなんだけど…)

的の方を見ながら…時折、的の方に手を近づけたりしてみながら、首を捻りつつ的の周りをしばしうろうろする。

美澄 蘭 > (…うーん…?)

首をひねりながら、端末の方に向かう。
的の水晶体の状態をリセットするついでに、魔力の均整をしっかり観察するようなことが出来ないかと思って。

「えぇっと…魔力のモニタリング…」

細く長い指を宙に迷わせながら、端末の仕様を探る。

美澄 蘭 > 「あ、これそれっぽい」

何かそれらしい文字列を見つけたのか、それを起動させる蘭。
その機能が作動した影響か、訓練スペースの空気が変わった。
的の状態もリセットして、蘭は再び同じ位置に立つ。
再び手を伸ばし、一度…先ほどより少しだけ長い時間目を閉じてから、開いて…

「『フレア・フレア・フレア』!」

再度、火球を3つ的めがけて放つ。
先ほどよりは命中精度は良かったが、やはり1つはやや外れた当たり方をした。

美澄 蘭 > 「…さっきよりはいいけど…」

やっぱり、しっくり来ないような表情で端末を操作する蘭。
モニタリングした結果を出力するが…

「………?」

首をひねる。蘭には、こういった機械で出力される結果の見方はよく分からないのだった。

美澄 蘭 > 「…いくつか、パターンを変えてみたら分かるかしら…?」

そうして、蘭はいくつかパターンを変えて魔球魔術を放った。
元素を変えたり、籠める魔力の量を変えたり、制御する時間を変えたり。
制御する時間を削った結果、まともに的に当たらない場合すらあった。

それでも、丹念に…魔力と時間の許す限り、実験をし、出力される結果を保存する。

美澄 蘭 > 「…こんなものかしら」

何度試しただろうか。満足したらしい蘭が、訓練スペースの設定を初期化して、スペースの外に出る。
魔力のモニタリングの結果は、魔術学の教師なり、研究所の人なりに聞くためにしっかり手元に保存した。

今日は、調査協力のために島に渡ってくる祖父と夕食の約束をしている。
蘭は、携帯端末で時間を気にしながら、訓練施設を後にした。

蘭の「実験」のために消費された魔力の大きさを、モニタリングの結果から推測して研究員が驚くことになるのは、また後日の話である。

ご案内:「訓練施設」から美澄 蘭さんが去りました。