2017/04/14 のログ
ご案内:「訓練施設」にニコラスさんが現れました。
■ニコラス >
(先日コンパウンドボウなる弓を手に入れた。
安物だが手にしっくり来る良い品だったし、所持金にも余裕があったので衝動買いしてしまったのだ。
と言う訳で本日の目的は試射。
コンソールを操作すれば、離れたところに幾つかの的が出現。
矢を番えて引き絞り、)
――軽っ。
(その軽さに思わず口から零れた言葉。
軽い、と言うよりは引けば引くほど軽い力で引ける感覚。
何より引ききって保持する時に力が殆ど要らないと言う不思議な感覚に戸惑う。
これでちゃんと矢は飛ぶのだろうか、と戸惑いながらも狙いを付けて、矢を放つ。)
う、おっ。
(放たれた矢は引き手に伝わっていた力からは考えられない速度で飛び出し、見事に的の真ん中を貫通した。
その結果を呆然と見て、改めて手の中の弓を見る。)
――良いじゃんこれ。
(すっかり気に入ってしまった。)
■ニコラス >
(続いてコンソールを操作すれば、的との間に透明な壁が競りあがってきた。
今日試そうとしていたのは新しい弓だけではない。
こちらに来てから得た魔術の知識を利用した矢。
それを番えて、引く。
妙な感覚だが、力が要らないので引きやすいし狙いやすい。)
軌道をイメージして、魔力を込める……。
(慎重に魔力を練り上げ、矢に刻んだ魔術文字へ流す。
充分な魔力が込められたのを確認し、矢を放つ。
的を直接狙っても壁に阻まれて当たらない。
だから狙うのは壁の途切れているところ。
的の高さよりやや高めに上がった矢は、途中で落ちながら横方向へと放物線を描いて的の端を貫いた。)
――イメージとズレるな……。
(イメージ通りなら的の真ん中を貫いていたはずだ。
それに矢へ魔力を込めるのに時間が掛かる。
そちらは徐々に速度を上げていくとして、今日の課題は精度の向上だ。)
ご案内:「訓練施設」にクロノさんが現れました。
■クロノ > (養護教諭兼公務補という身の都合上、訓練というよりは設備の維持管理、補修がここに来る理由のメインな男の子。けれども今日はちょっと久しぶりに、違った理由で訪れた。)
……ん。誰か、いる。
(異能とか魔法とか、憧れるけれどもそういったものとはからきし無縁な工場製品、科学文明の産物である男の子は、混雑する時間帯はなるべく避けて、閑散とする時間帯に維持管理ついでに利用するのが日常だった。いくつかの扉をくぐり、中に進む途中で利用者名簿を見ては現在使用中の部屋を確かめる。琥珀色のガラスの眼差しで紙面から名前を読み取って、学校のデータサーバーと通信して利用者の情報をロードする。)
……あ、あの人か。
(名簿の前にちょこんと突っ立って、おでこのインジケータを忙しく点滅させながら通信と思考処理をするロボット。記憶の記録を読み出して、ようやく再び歩き始めた男の子は、ジーガシャ、ジーガシャ、といつもの独特な駆動音を伴ってその人物のいるであろう部屋へ。)
■ニコラス >
(二発三発と打ち込んでいくが、どうにも軌道が安定しない。
手前に落ちたかと思えば奥に落ちたり、曲がりが足りなかったり曲がり過ぎたり。
どうしても毎回同じイメージを魔術に反映させる事が難しい。)
また、その都度軌道をはっきりイメージすると言うのも使い勝手が悪い。)
曲がる量は込める魔力で調整するか……。
(その場に座り込み、メモ帳を取り出して魔術の構成式を組み立てていく。
ガリガリとペンを走らせて、曲げる魔術ではなく曲がる魔術の式を組み立て、出来る限り簡略化。
猟師なんてやっていたが、意外と魔術――と言うか研究のような事は性に合っていたようだ。
没頭するあまり来訪者にはまだ気が付かない。)
■クロノ > (訓練施設の中、種目・目的別にいくつもある棟のうち、射的系の訓練に使われるその場所にやって来た男の子。先客の邪魔にならないようにできるだけそーっと扉をくぐって、ロビーから準備室へと。ガラス越しに見える景色はよく見慣れた、的がいくつもならんだ訓練施設らしい光景。…その中で、弓を構えて的と対峙しているかと思いきや、座り込んで一心不乱にノートにペンを走らせる彼の姿。)
……──── ?
(射手と的との間には遮蔽板が上がっていて、どうやら色々試行錯誤した形跡。そして座り込んで物書きに思考するその姿を、ロボットはちょっと不思議そうに見守る。そんな男の子の手には、愛用の金属製アタッシュケース。今日の中身は整備用工具ではなく、長年愛用し続けてきた小型の自動拳銃だ。)
■ニコラス >
――うし、こんなもんか。
(完成した構築式を丸で囲う。
本職の魔術師からすれば乱雑で美しくは無いだろう。
だが自分は本職では無いし、使えればそれで良い。
その式を矢へ書き込もうとしたところで人の気配に気が付いた。)
あれ、クロノじゃねーか。
(正確には人ではなかったけれど、印象は人と変わりない。
ガラス越しに見える彼へ向けて右手をあげて挨拶。)