2017/07/08 のログ
ご案内:「演習施設」に暁 名無さんが現れました。
ご案内:「演習施設」から暁 名無さんが去りました。
ご案内:「演習施設」に暁 名無さんが現れました。
暁 名無 > 「──よし、と。こんなもんだろ。」

必要なもの。程よい広さのある空間。大量の水。
今ここにあるもの。50m×20mの水をなみなみと湛えたプール。
演習施設の一画で、俺は水中演習用プールの一つを借り切っていた。
別に泳ぐつもりじゃあない。一人でプール遊びなんて子供の頃だけで充分だ。

「あとはバリアーと温湿度計、魔力補填用の煙草と……」

ぽつぽつ呟きながら、必要なものを確認していく。
うん。ちゃんとある。

暁 名無 > 「よし、それじゃいっちょやりますか。」

まずはプールを中心に、ドーム状の魔術障壁を張る。
正直、障壁なんて張るのは数年ぶりで術式を編むところからうろ覚えだ。
それでも一度やった事があればどうにか再現できる。

「ええと、こんなもんか……。」

苦戦する事10分。どうにか目当ての障壁を張り上げる事が出来た。
虚空を軽くノックすると、ぐわん、ともぼわん、とも何とも不思議な音と手応えがする。
中途半端に空気を固めたら、きっとこうなるのだろう。

暁 名無 > 続いてプールの水を全て水蒸気にする。

何を言ってるか分からねえと思うが俺だってそんな事しなきゃならない現実を受け入れたくない。
が、しかし。やらなきゃならないのだ。やらなきゃ。
俺は煙草をくわえると火を着けた。

「さーてと。途中で倒れない事だけ考えとくかね!」

ドーム状障壁の中で、目の前の水のみに意識を集中させる。
魔力を介して水を加熱し少しずつ蒸気へ。
少しでもバランスを崩せばたちどころに蒸気は水に戻り、ドームの中でちょっとした水害が起こるわけだ。

暁 名無 > いったい何リットルあるのかも考えたく無いような量の水をどうにか水蒸気へと変える。
ドーム状の障壁の中はすっかり蒸気で埋め尽くされ、外側から見れば真っ白なカマクラの様相だろう。

「中は割と地獄なんだけどなこれ……!」

何しろ湿度100パーセントだ。
水気を吸ってずっしり重くなった服を脱ぎたくなるのをぐと堪えて魔力の調整に集中する。
障壁を維持しつつ、水を蒸気へと変換しているのだから、途方もない精神的疲労が俺を襲う。