2018/01/27 のログ
ご案内:「演習施設」に川風 白さんが現れました。
川風 白 > 「え、えっと...難易度は一番高いやつで、1対1で...。」

小声でそう自分に言い聞かせるように言いながらそう端末を操作し、設定する。
設定が完了すれば、警報音と共に周囲の風景が変わっていく。

『グルルルルァァァァ!!!』

そして目の前に現れる演習相手。
教師に頼んで召喚してもらった大狼。その大きさはゆうに3mは超えているだろう。
敵を視認すると怯えたような表情で指先を敵へ向けた。

「ひっ...えっと...こうやってこう!!」

先手を取ったのは彼だった。
指先からは閃光が発射され、大狼へと一直線に飛んでいき、直撃するだろう。
だが。

「なんでっ、先生の言う通りにやったのに?! うわぁ!!」

閃光は命中こそしたが、大狼にはかすり傷一つもつくことはなかった。
それと同時に大狼は彼を押し倒し、今にも喰いつこうとしていた。

川風 白 > 『グガァァァァ!!!』

鼓膜が破れそうなほどの雄たけび。
狼の牙が彼の腕を貫き、振り回され、彼はそのまま壁に叩きつけられた。

「あぐっ...痛ッ...あがっ....!?
くそ...。うぐっ....。」

強く壁に叩きつけられた彼の体の所々は切り傷や打撲、骨折までもしているだろう。
うめき声をあげながらもよろよろと立ち上がる。
しかし反撃をさせまいと狼が追い打ちに彼の胴体に食らいつく。

「はぅ....あっ...。」

口からは血を垂れ流し、腹部からは血がだらだらと流れ、そのまま動きを止める彼。
だが、彼は少し嬉しそうに。

「つ...捕まえたよ!!」

川風 白 > 『グギャァァァ?! ガアアア?!』

彼は狼の頭部を掴み、先ほど放った魔術を発動する。
何度も、何度も、何度も。
遠距離がダメなら至近距離での接射。一発で駄目なら何発でも。
薄っすらと口元に笑みを浮かべ彼は魔術を使い続けた。

「はぁ...はぁ...。ふう...。」

最後にそこに立っているのは自分。即ち自分が勝者である。
自分が勝ったと理解すれば、そのまま尻もちをつく。
傷があった場所は嫌な音を立てながら塞がっていき、先ほどまであった痛みは完全に引いていく。

「勝てた...。や、やった!勝てた!!」

彼が全てを理解できた頃には傷は完全に回復していた。
立ち上がると同時に風景は元に戻り、いつもの景色になっているだろう。

川風 白 > 「痛かったなぁ...。過去で一番強かったかも...。
でも僕の魔法は通用した!!...零距離だったけど...。」

少しは周りにいるすごい人達と並んで立てるようになりたい!と思ってはいたが、どうやら先は長そうだ溜息を吐く。
今回は単体だったからこそこの戦い方ができたが、2体3体となるとまず勝てない。

「次の作戦も考えなくちゃ...。」

今回の反省をメモに手短に書きながら出口へと向かう。
おそらく近いうちに何度かここに来ることになるだろうと、退出の際はしっかりと礼をしておいた。

ご案内:「演習施設」から川風 白さんが去りました。