2015/06/12 のログ
■片翼・茜 > 「君のポジティブさには感嘆するよ。嘆いてもいない事象に同情は不適切だったな。」背中に二丁背負ったダブルバレルのソウドオフショットガンの片方を手に取り、地面に向けて発砲する。轟音と閃光に驚いて、獣達は逃げていった。ウェインライトも死ぬだろうが、このまま放っておいたら死に続けるだろうから仕方ない。
「あー、それでだ。君の学籍はなんとか私が復活させる。そうしたら寮に入れるだろう。どっちに入ることになるかは……わからんが。」確かプロフィールには両性とあった、その場合ベースとなる性別の方に割り振られるはずだったが、目前の彼はどちらがベースなのかわからない。
■ウェインライト > ビクンビクン。
音のショックか小刻みに振動するウェインライト。
そろそろ彼女の扱い方も、手馴れてきたような素振りすらある。
感覚の麻痺とは恐ろしいものだが、実際正解だから仕方ない。
「ふ、すまないな、獣たちよ。また戯れようではないか」
散り散りになる獣たちに優雅に礼をすると、
改めて彼女と相対する。
「どっちか、か。ふ、この僕は残念ながら性差を超越した存在でね。
定命の者のように、番になって子を反映させる文化ですらないのだよ。
この身は生まれつきただ美しくあるのでね……!」
寮のルールは在学中に聞き及んでいた。
その時から常々疑問であったが、ウェインライトはやはり男でも、女でもないのだ。
外見からすれば胸があるゆえ女ともとれるが、
裸になってしまえばもちろん――。
「しかし、君にはどうやら世話になっているようだね。
このウェインライト。差し出せるものは何もないが」
先日、薔薇を人に贈ったことを思い出し。
それを後悔することはないが、ひっそりと悶死した。
■片翼・茜 > 不死者の知り合いは割りと多いので、死んで復活する姿は見慣れているのだ。ここまで些細なことで死ぬ相手は初めてだが。
「なるほど、確かに吸血鬼の繁殖に性別は必要ないな。」顎を撫でながら、納得する。相手の血を吸えばいいのだから、両者の性別は何の意味もなさない。その結果性別がなくなるというのもありえる話だ。
「なんだ、貸し借りなんてのは無しだぞ、教師は生徒の世話を焼いて給料もらってるんだ。気にするな。」いきなり悶死した相手を見下ろしながら、首を振った。
「恩返しがしたいっていうのなら、きちんと授業受けて、単位取って、何年かかっても構わんから卒業してくれ。それが教師への恩返しだし、君の奪ってきた命への償いにもなると思う。カハァー」少し臭いこと言って、照れ隠しにコーヒー臭のする息を吐いた。
■ウェインライト > 儚き世界かと思ったら儚き己。
「佳人薄命、ということだな……」
こちらの言葉を思い出し、指を鳴らして感じ入る。
正に的確な表現であると打ち震えた。
「だからこそ滅んだとも言えるがね。
つまるところ我々の一族は、誰も愛することができなかったのさ」
果たしてウェインライトはどうなのか。
語らず微笑むと、相手の言葉を受け取って。
「君もまた、面白いことを言う。受けた行為と恩を覚えることは別さ。
それを言うならば、僕は僕の生き方を通すことで生きているのだから」
「だから君への恩もまた忘れないだろう。
これで僕は教師二人に恩を覚えてしまった。
なるほど、これはどうにも逆らえそうにないな」
本当に復学するというのなら。
彼は彼の生き方を貫くために卒業するだろう。
美学とは、そういうものだ。
「気にしないでくれたまえ。僕は美しいのだから。
その生き様を汚すことなど誰にもできないのさ。
グランドマスターが帰ってくれば話は別だが、今は君たちから受けた恩が優先される」
■片翼・茜 > バッグから水筒を取り出して蓋を開け、中のコーヒーを流し込む。
確かに死との距離が近いが、そのたびに復活するのは果たして薄命なのか?というツッコミが思いついたが、多分言っても仕方ないのでコーヒーと一緒に飲み込んだ。
「そうか、君は一族の末裔だったな。そして君がこちらに居る以上、元の世界の君の一族は滅んだのか。」もしこちらに来なかったならば、彼はどういう生活をしたのだろうか。想像してみようとしたが、やめた。私は彼についてほとんど知らない。
「まぁ、君の好きにするといい、君は自分の生き方を持っているからな。」人生の悩みとは無縁なほど、確固とした自分を持っている相手を、ほんの少しだけ、羨ましそうに見つめ。
グランド・マスターという言葉には、眉をぴくりと動かす。
「そうなれば、話は別……か。カハァー……。」かすかに落胆をこめた吐息。「そうなれば君はかつてのように、グランドマスターに従って、学園に牙を剥くのか。」
■ウェインライト > 「ああ。確かに。僕は帰る手段もないし、滅んだと言って差し支えないのだろう」
郷愁の念は無く、ただ空だけを見上げ。
「牙を剥くか剥かないかは……どうだろうね。
あの人の命令は、別段僕にとって不快でなかったというだけ。
僕は君たちを殺せと命じられたわけではないよ。
ただ……そう。征け、と言われただけ。言葉の通りに僕は赴き、振りかかる火の粉を少し払っただけ」
ウェインライトがその場に向かうというだけでも災厄だ。
その身が直接、能動的に戦ったのはただの一度。
"ウェインライト最初の死"。
「だから、例えば彼が君を殺せというのならば僕は従うつもりはない。
僕は、僕の美学に則って動いているだけだからね」
■片翼・茜 > 空を見上げる彼の目に、望郷も、悲しみも見られない。誰も愛することが出来ないというのは、恐らく彼もそうなのかもしれない。滅んだ一族への想いを読み取ることは出来なかった。
「そうか……」少しだけ聞けた彼の心のうちに、相槌を返す。グランドマスターでも彼を支配していたわけではなかった。彼の美学を侵さなかったから、彼は従っていたのだろう。
「それを聞いて、少し安心した。実を言うと怖かったんだ。君がロストサインに、グランド・マスターに心酔していて、私なんかと少し話し合った程度じゃ、君は何も変わらないんじゃないかと。私の見込み違いで良かった。」微笑もうとして、頬が動かず、指で親指と人差し指で口の両端を無理矢理上げる。
■ウェインライト > 「いい笑顔だ。ミス片翼。その笑顔は美しい」
肯定し、首肯し、だが、と最後に否定した。
「フェアでないのは美学に反するのでこれだけは言っておこう。
僕は、悪徳を嫌うわけではないよ。
そうでなければ、彼らとともに"マスター"などやってはいなかった」
「だから。僕を信用しすぎてもいけない。
君の思う僕の美学と、僕の思う僕の美学は別なのかもしれないのだから」
■片翼・茜 > 「……あ、ありがとう」この笑い方を褒められたのは初めてだ、少し驚きながら、感謝する。
「そうだな、君が従うのは己の美学だけで、悪徳も美徳もないのだろう。そして、残念ながら私では君の美学を推し量ることは出来ない。カハァー。」生徒を理解出来ないことへの、自分の無力さへの苛立ちの吐息。
だが、とこちらも否定する。
「私は君を信じよう、盲信するわけじゃない、盲信というのは一種の無理解だからな。君は勤勉で真面目な生徒だ。規則よりも自分の美学を優先するとはいえね。」もう一度、指を使って笑う。
■ウェインライト > 「はっはっは! なに、このエクセレントかつブリリアントなこの僕には劣るがね。
しかし、それでも美しいには違いない」
己を抱き寄せ、踵を鳴らし。
「ならば良し。いずれ君もこの僕の美しさを讃える一人になることを祈っているよ」
盲信でもなく/無理解でもなく
なにせ、ウェインライトが美しいというのは世界の理なのだから。
「それでは! ミス片翼。僕はそろそろ行かせてもらおう。
アデュー!」
もう一度踵を鳴らす。
そして背を向け、帰還魔術のために指を指を鳴らし。
魔術の負荷で、命の糸が切れた。
#死因・うっかり
ご案内:「転移荒野」からウェインライトさんが去りました。
■片翼・茜 > 「全く、まず自分を褒めずにいられんのか。」呆れた声を出すが、本心はちょっと嬉しい。
「まぁ君は私の中で割りと特別な位置にあるよ。面白いしな。」讃える気にはならんし、まだ複雑な気持ちは残っているが。
「学籍が戻ったら連絡を入れよう。そしたら授業に……おい魔術を使ったら!」止めようとして、遅かった。その場に崩れ落ちる相手に「カハァー。」ため息めいた吐息を1つ吐いて。
「じゃあな……。」今度こそ本当に呆れて、こちらも立ち去った。
ご案内:「転移荒野」から片翼・茜さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」に桜井 雄二さんが現れました。
■桜井 雄二 > (灰色の外套を着込んで転移荒野を歩く)
(どこまでも、どこまでも歩く)
(男が通信機器を取り出し、どこかと連絡を取る)
こちら桜井雄二。異世界と繋がるゲートの発生予測地点に到着した。
これから先、ゲートから出現した存在が友好的であれば元の世界に帰るよう忠告する。
……敵対的であれば。(桜井の目つきが鋭くなる)
■桜井 雄二 > ……今回もゲートの先が蟻人(ギジン)の世界に繋がるとは限らない。
(外套が風に靡く)だが、ギジンが姿を現すようなら殲滅する。
ギジンは人類の敵だ。倒さなければならない敵だ。
(通信機器の向こうから笑い声が聞こえてくる)
ああ、そうだな……切るぞ、川添孝一。
(通信機器を胸ポケットに仕舞いこむ)
……魔導バイクで来るべきだったな。次までに防塵加工をしておかないと。
■桜井 雄二 > (その時、転移荒野の中にゲートが口を開く)
……今度のゲートは大きいな………
(その中から、黒蟻と人が混ざったような亜人が姿を現してくる)
「ギィィィィィィィィッ!! ギィィィィ!!!」
「ギシャアアアアアアアアアアアァァ!!」
(ハチの巣を突いたかのような、いや)
(アリの巣を突いたかのような騒ぎと共に大量の蟻人――――ギジンが、武装した姿で歩いてくる)
やれやれ、やはりギジンか。
巣に帰る気がないのであれば、掃除させてもらうぞ……生活委員会らしくな!!
■桜井 雄二 > (ギジンは相手に先手を取る時はまず弓矢を使う)
(遠方から弓なりに矢が放たれ、雨霰と金属の鏃が降り注ぐ)
フン、セオリー通りか。まるで面白みがないな!!
(左足で地面を蹴ると、氷の壁が突き出して矢を防ぐ)
うおおおぉ!!(右半身から炎が噴出し、左半身が凍り付いていく)
燃えろぉ!!(右手から炎を放射線状に放ち、前列のギジンを焼き払う)
ご案内:「転移荒野」に岡部 吹雪さんが現れました。
■岡部 吹雪 > 冗談のようなバカデカいバイクをブン回し、教師はこの地へやってきた。
財団から学園側へ提供された"特別授業"が参加者ゼロという結果に終わり、後始末として派遣されたのだ。
とはいえ、彼の目的だった大型のワームの姿はない。
代わりといってはなんだが、奮闘する桜井の姿と、戦争でも始めようかと言わんばかりのギジンの群れであった。
「うっわあ、大量だなおい。」
思わず口走る。
■桜井 雄二 > ………!(燃えた外套を投げ捨てる)
岡部先生……!? どうしてここに!!
(左手から巨大な氷の大鎌を作り出し)
こんなところで授業ですか!!(無表情にギジンを切り裂きながら語りかける)
……戦争中ですよ、人類とギジンの!(桜井に向けて白兵武器を構え、一斉にギジンが飛び掛る)
■岡部 吹雪 > 「俺だって来たくて来たワケじゃねーよ!」
「クライアントからの要望でよ……後始末しねえと、俺の休暇がねえんだとさ。」
大型バイクの後部コンテナには、冗談のように重火器が敷き詰められていた。
ギジンが群れで戦争を仕掛けるならば、岡部はさながらワンマンアーミー。
醜悪なオークの群れから翼竜から、なんでもござれだ。
アクセルを再び吹かせば、加速度的にその巨大な影はかっ飛んでいく。
遥か後方にいたはずの岡部が、桜井の前に躍り出たその刹那、無数のギジンが肉へと変わった。
彼らが持つ弓矢とは対照的に、岡部が奮うのは近代兵器。
片腕に握った機関銃が白煙を上げる。
「折角だ、サービスしてやっから後でちょいと手伝ってくれ。」
「どうもミミズのバケモンが潜伏してるらしい。」
■桜井 雄二 > (大型バイクが加速すれば襲い掛かってくるギジンたちが物言わぬ肉に成り果てる)
なるほど……休暇は大事ですから、ねえ!!
(大鎌を振るって次々とギジンの命を刈り取っていく)
ええ、いいですよ! ミミズだろうとアリだろうと!
(両腕を広げる)掃除するのが生活委員会だ!!
(ブリザードブレス―――――――極低温の吹雪と雹がギジンたちに叩きつけられる)
(凍りつき、その命を散らすギジンたち)
(次にやってきたのは、隊列)
(大盾に槍を構えたギジンが横並びに迫ってくる)