2015/06/29 のログ
ご案内:「転移荒野」に悦=フレイザーさんが現れました。
■悦=フレイザー > (ゴーレムの起源は創世にさかのぼる。ちりより作られた人である。最初の人間を創世した力を模倣した術とも言える。
転移荒野と呼ばれる空間に一人足を踏み入れた理由はひとつ。
己の修行のためであった。
大地に手を這わせると、砂に意識を浸透していく。土はいわば擬似的な己の人形となるのだ。一粒一粒にまで意識を通していく。目を閉じてひたすらに待つ。別の世界にも通じているという荒野には独特な魔力が満ちており、気がそがれる。だからこそ修行になる)
「………」
(言葉は発さない。目を瞑って大地に触れている)
■悦=フレイザー > 「 」
(砂の一粒一粒がふわりと重力を振り切り浮遊していく。普段魔術を使用する際にはめているグローブは嵌めていない。変わりに教科書的な着こなしをしている制服のシャツがまくられている。
指を噛み血液を滴らせる。
制服を捲り上げて、腹部に刻み込まれた紋章へと塗りつけた。)
「 」
(腹部から順々に肉体が溶けていく。制服さえも。皮膚ははがれ血液とまじりあい衣服は繊維まで分解されて交じり合っていく。しまいにはさらさらとした砂と泥へと分解されていく。
泥はやがて大地の砂をも吸収し肥大化し始めた)
■悦=フレイザー > 【まだ……】
(眼球はとろけ骸骨が露出していく。しかし骨さえも早回しにするかのように風化して土へと還元されていくのだ。ホラー映画さながらだった。
もし魔力の流れを感じ取れる人間が居たならば、渦巻く砂埃が極めて不安定な制御によってかろうじて混沌とした状態を保っているのがわかるだろう。)
【あぁ……だめ】
(ぱぁんと音を立てて泥が弾け取る。泥は肉へ。泥は服へ。泥は髪へ、皮膚へ。
力がすべて収縮していき、一人の少女の姿へと元通り。)
■悦=フレイザー > (かつてゴーレムの秘儀を極めたと言う一族は、人の創造というかつてなしえなかった禁忌へと手を伸ばした。と、伝えられている。それが一族の没落に繋がっただとか、繁栄をもたらしたとか、今は昔の物語。少女にとっては所詮御伽噺。いまだに制御さえできない技術があるだけに過ぎなかった。
地面にうずくまったまま肩で息をしていた。)
「未熟……ですね」
(術を使えずに派生形でしか表現できない悔しさ。
歯を食いしばる)
■悦=フレイザー > 「これしき使うことさえできないというのですか」
(正座。荒涼とした大地の上で一人反省する。何が悪かったのか。どうすれば次にいかせるのか。目標を達成するために必要な手立ては何か。考え続けて――答えはでない。
正座を解いてその場を後にするだけ)
ご案内:「転移荒野」から悦=フレイザーさんが去りました。
ご案内:「転移荒野」に駆藤 栄Qさんが現れました。
■駆藤 栄Q > 「おお 美しき月夜かな」
柄にもないことをつぶやく、
今日は所持武装の定期テストだ。……学生向けのテストはどうしたのかって?そんなもの昨夜のうちに印刷している。
■駆藤 栄Q > 人気もないことだし、遠くから地響きが聞こえてくることだし。
戦闘準備をしよう。
「では始めようか ───《マキナライズ》起動」
右手を高く掲げ、蒼く光る指をパチンとならせば、ブゥーーンと電子音が鳴り、頭上に5mほどの立方体が燐光を放ち、ゆっくりと回転しながら出現した。
「今日は黄黒でいこうか」
そうつぶやくと、立方体の色が黄色と黒の縞模様になり、【!】と描かれた一つの面を下にして空中に停止する。
■駆藤 栄Q > 地響きが大きくなってきた。音のする方を見れば、二階建ての家ほどはあろうかというオーガが、棍棒を振り回して向かってくるのが見える。
「ふん 脳筋め 人の技術を食らうがいい───
《マキナライズ・鉄面武装兵》」
指から蒼い電光が奔り、立方体が展開する。
中から現れたのは、全高4mの魔導工学で創られた人型兵器。
それが背面噴射器を使いゆっくりと着地、頭部に赤く光るモノアイでオーガの姿を捕えた。
■駆藤 栄Q > オーガはぶんぶんと棍棒を振り回している。
あれに当たれば並の装甲ならばぺしゃんこだろう。
だが、武装兵は決して標的に近づかせない。
タタタタタタッ タタタタタタ…………
腰から展開し、突出した30mm機関砲が鉛の弾をばらまく。
それはオーガの足を止めるには十分だったが、ところどころ皮膚から血を流しながらも、棍棒を振り上げる。
「ふむ デカブツ相手には牽制にもならんか 威力を重点的に強化すべきだな」
■駆藤 栄Q > 「試しに種類を変えてみよう──《換装・赤弾》」
再び右手をパチンとならせば、機関砲が蒼く光って霧散する。
その代わりに、人型兵器の頭上に赤い直方体が出現する。それが展開すれば、6連装のミサイルポッドが2基、姿を現した。
白い尾を引いて、オーガに小型ミサイルが飛んでいく。
ご案内:「転移荒野」に能見さゆりさんが現れました。
■駆藤 栄Q > 12発、全弾命中。盛大に爆発が起こり、オーガの右足と左手が吹き飛んだのを見れば、満足そうにうなずく。やはり火力は正義。
「さて シメと行こうかね───《サンダーランス》起動」
武装兵の右腕に大型の電磁槍が転送される。
バチバチっと電光を散らし、ギュィィーーーンと唸りをあげて回転するそれをつきだして、オーガに突撃する武装兵。
■駆藤 栄Q > 雷光一閃。
白く輝く光があたりを眩しく照らし出し、しばらくしておさまると、電子槍を構えた武装兵の先には、黒く焦げた巨大な人骨があった。
「出力はまずまず やはり派手でいいな」
■能見さゆり > 【後ろから聞こえる拍手。実習ではないからこの場所は特に教えていないはずなのだが】
ふふ、さすがは先生です……コレで決まりでしょうね
【ただし悲しいかな、これは性能試験であって戦闘ではないと思う
もっとも目的にあっているのならそれでいいのだろうが
などと適当な事を考えつつ、笑顔で微笑む女生徒がいた
ゼミの女生徒の一人だ】
■能見さゆり > 【もっとも、アサルトライフルを持ち、風紀の腕章をしている辺り、どう考えても普通の女生徒には見えないのだが】
■駆藤 栄Q > 背後の声、人払いはしてあるはずだが……と体をゆすり、首を振る。
「何かね? 講義の時間ではないはずだが
テストは数日後だ 単なる物見ならさっさと失せたまえ」
武装兵とミサイルポッドが纏めて青の円柱に梱包され、燐光とともにその姿を消していく。それを見届けると、ようやく声の主に向き直った。
アサルトライフルを持っているあたり、多少の心得はあるようだ。が。
「風紀委員会か 咎められるようなことはしていないはずだが?」
眼鏡の奥が一瞬淡く光り、学生名簿を検索する。
この学生は吾輩の講義をとっていた、学業はたしかに優秀な生徒だ。だが、なぜここに?