2015/07/15 のログ
ご案内:「転移荒野」にアーヴィングさんが現れました。
■アーヴィング > -10:00
■アーヴィング > ッソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
(コントロールグリップを握り締め、フットペダルを蹴りつけ無数の光弾をばらまき、同じ数の命を喰らいながら飛翔機と呼ばれる鋼鉄の翼が飛ぶ
槍の穂先のようなシルエットと白銀の輝きを持ったボディは今や見る影もなく
あちこちに着弾の生々しい痕が刻まれ、片翼はすでになく魔力で編まれた光の翼がその代用となっていた
群島世界カエルーン、それは海がなく空に島の浮かび果てなく風の渡る世界
多数の群島国家が並び立ち騎士が空を舞い覇を競い合うその世界は今滅びの岐路に立たされていた
三年前、空が「喰われ」そこから這い出してきた虚空叢と呼ばれる甲殻生物達
それは感情無く無慈悲に世界を喰らう対話不能の侵略者であった
人類の天敵を前に国家は結束し、連合騎士団を結成するに至る)
ベクター!グレッグ!応答しやがれクソがっ!飯奢る約束ぶっちしてんじゃねえぞコラァ!
(そして今、敵の中核である女王級と呼ばれる個体に向け、人類存亡の危機をかけた総力戦が行われているのだった
それは巨大な山…いや、島のような巨体を誇る忌々しい全ての元凶
歪な円錐を六つ放射状に並べ、中央に生々しい眼球を配置したグロテスクなそれは空が埋まる程の魔力弾をばら撒き
配下の個体を無尽蔵に産み出し続け、たった一匹で戦場を生み出している
空を彩る爆炎はその一つ一つが命の輝きだ
一つ瞬く間に敵が…そして仲間の姿が、声が消えていく
泣き、叫び、怨嗟の声を放ち…それでも騎士は空を翔る)
■アーヴィング > -3:38
■アーヴィング > おぅ……るぁぁぁぁぁぁッ!
(それは神業という言葉がチープに思えるほどの戦闘機動だった
一つ一つが意思を持って追いすがる生態誘導弾、ばら撒かれる魔力弾の中を真紅の航跡を残し飛翔機が翔け抜けていく
くるりくるりと翼を翻し、迎撃用の光弾を最低限の数だけばら撒き、産出魔力のほぼ全てを推力へとまわして
すでに空は見えない、あのクソッタレな女王級の体の作る影の中に飛び込み…必然、火線は全方位から襲い掛かる事になる
物理兵装はすでに尽きた、装甲を守る魔力障壁はオーバーロードを起こし、生の魔力が至近をかすめるたびに灼かれ、抉れて行く
一つ一つが命を奪うには過分な破壊力を持つ光の嵐の中、ただ前だけを見据え、一機翔けを行う
仲間達は自分を送り出すため、後続の戦力を食い止める壁となっていた
だから自分には一秒も、一瞬の遅滞も許されず、一刹那でも速く最奥へ到達し、ぶちかましてやる必要があるのだ)
人間様舐めてんじゃねぇぞ糞蟲野郎!全部……全部!持っていきやがれぇぇぇぇ!
(両の翼はすでになく、二基あった推進装置は片肺が抉り取られていた
それでも、ああそれでもその手は届いた
構成物質のほとんどを魔力へと還元し、ただの光の翼へと化した騎士はただ真っ直ぐに女王の核へと向かっていき…
光が女王を貫いた)
■アーヴィング > -1:12
■アーヴィング > (歓声を乗せた通信波が空を埋め尽くす
女王は死んだ
まだ残された固体はいるだろうが、それでも女王を失い、繁殖力を失った彼らは遠からず滅びる事になるだろう
飛翔機はもはや基幹部とコクピットブロックだけを残し、空に浮いているのが不思議な有様だった
それでも、勝った
それでも、生き残った
乾いた笑いは次第に生の喜びを爆発させたかのように爆笑へと代わり……それはすぐに、止められた)
おい…オイオイオイオイ…ンだよそりゃあ…
(爆炎を吹き上げ、ゆっくりと空の底へと沈んでいく女王の体…その一部が開き、禍々しい「牙」が姿を現していた
それは「空喰らい」と名付けられた奴らの最凶兵装
炸裂した周囲のものを根こそぎ消滅させ、空に時空の捩れという傷跡を残す最凶最悪の忌まわしい存在…
かつてあれを打ち込まれた島は二つの街ごと跡形もなく消え去った
たとえあれを打ち込まれようが戦局は覆らない
女王を失った蟲共は滅びの道は免れず
ここに居る人間が鏖殺されようとも被害は人類勢力の1%にも満たない
人類は存亡の危機を乗り越えた
幸い女王を貫通して戦域の反対側に突き抜けた自分は効力範囲外だ
ただ、向こう側には仲間達が居る
騎士は再び光と変じ飛翔する
打ち出された牙へと向かい)
■アーヴィング > -0:30
■アーヴィング > チクショウ…チクショウ、チクショウが!リパルサーアンカーは!トラクターゾーンは!
(だが、装甲を…装甲に刻まれた魔術刻印の大半を失った飛翔機は飛ぶ以外のあらゆる機能を喪失していた
射出された空喰らいに追いついたはいい物の…それに干渉する術がない
体当たりで破壊するという選択肢はあったがそれでは炸裂地点がずれるだけで意味がない
せめて…せめてあれを掴む腕があれば…と腕を伸ばし……魔力光で構築された翼がぐにゃりと歪んだ
翼は願いを乗せて
幼い頃のあの日に憧れを持って見上げた存在を
空への憧れをくれた理想の存在へと姿を変えていく
それは騎士の姿だった
二本の腕と二本の脚を持つ巨大なヒトガタへと変じた飛翔機は空喰らいをがっちりと捕まえ
絶望を叫んでいた口元に獣の笑みが浮かぶ
騎士は高く、どこまでも高く
破壊を撒き散らす牙を抱え風を蹴りつけ空へと昇る
無数の通信が入り混じり何かを必死に訴えるが知った事か
勝ちだ、これで勝ちだ)
■アーヴィング > -0:01
■アーヴィング > んじゃな…うちの王サマ…フェリック様に、よろしくな
(そうして騎士は最後の言葉を通信にのせ
これから世界は良い方へと歩き出すだろうと安堵の笑みを浮かべ
光と共に消失した)
■アーヴィング > 0:00
■アーヴィング > (地球・常世島 転移荒野
昼と夜の狭間、夕陽が水平線の向こうに消え、光源を失いながらも空を照らす不思議な光景を生み出す時間
空にぽかりと穴が開き、そこから流星が飛び出し、大地へと突き刺さった
その閃光と轟音はどれほど広範囲に広がっただろうか?
もうもうと砂塵が舞い上がるクレーターの中心部に動く影がある
傍に突き刺さった鋼鉄の残骸はこの世界でいう航空機に近いシルエットをしていた
もっとも翼はなく、辛うじて形が似ているだけといった惨状であったが)
■アーヴィング > ………ここは?俺は…死んだんじゃあ…
(鋼の残骸から這い出し、地面へと大の字に這い蹲るのは数分前まで異界の空を飛んでいた騎士の姿だった
胸甲に両手両足だけに鎧を着けた軽装の姿
それが一瞬ぼやけると光の粒子へと代わり消えていき、燃え上がるような真紅の髪と瞳は深い藍色の髪とスカイブルーの瞳へと色を変えていく
後に残されたのはジーンズにフライトジャケットというラフな格好で)
空が…遠い…
(目を細め、空を見上げる
見慣れた空ではない、空はどこまでも広く遠く、包み込むような青さを持っていたはず
ここの空は…遠い
見渡せば乾いた荒野
故郷にも大きな島であればこんな光景が広がっていたかもしれない
しかし、遠い空と組み合わせ、思い浮かぶ言葉は一つ)
ジャハンナムにでも落ちた…か?
(それは故郷の言葉で地獄を意味する場所
空をどこまでも下った先にある亡者の住まう果て無き大地
地獄に落ちる理由を胸の中で数え…ちょっと、多すぎた)
■アーヴィング > っべぇな……生きて帰ったら酒飲もうぜって約束何個破ったっけか…
(指折り数え、10を越えたあたりで投げ出す
約束を破るのは最もメジャーな罪だ、一つ一つでは大丈夫かもしれないが、少し数が多すぎる)
いや、フェリック様のお気に入りの本にコーヒーこぼしたことか…?
(たしか事あるごとに自慢していた古書の類だったはず
過去の騎士の活躍をつづった伝記だが、王妃様の見た目が何度も読み返したであろうお気に入りのエピソードのヒロインとクリソツでどんだけ乙女だウチの王様って吹いたのだった
帰ったら世界を救った褒美に今すぐ許せよと言うつもりだたが…結果的には逃げたことになる)
あー……まあ、地獄の底だろうが、テメェが居るなら最悪からは遠いよな、相棒
(未だに熱を持つ鋼の残骸にこつんと拳を当てれば、抉り取られた推進器のあった場所がぼんやりと光を放つ
ここまで壊れたのは初めてだが、十数日ほど眠らせてやればなんとかなるだろう
しかしそれにしても…)
飯、どーすんだこれ
つーかジャハンナムって食えるもんあんのか?
(鳥の一羽も飛んでいれば捕まえて焼いて食うところだったが、どこを見回しても生物の痕跡一つ見当たりやしない)
ご案内:「転移荒野」に美東暦さんが現れました。
■美東暦 > 飛び石を踏むように両足が割れた地面を叩いて進む。
吹く風に結った髪を靡かせる左右白黒にわかれたライダースーツ。
スーツに押し込められた胸は存在感を主張しているが、その骨格はあちこち広い。
「こりゃまた、すげーの墜ちてきたな?」
よいしょと体を持ち上げて、クレーターの縁に腰をかける。
目をぱちくりさせながら下を見下ろした。
その視線には驚きの中に隠しようもない好奇心が現れている。
底を見れば鋼の骸と、それに寄り添う人影。
動いているのを認めて息を吸った。
大きく吐き出す。
「よおー、そこの。 オレの声は聞こえるか?」
■アーヴィング > (近づいてくる地を蹴る音に気付くと警戒心もあらわにそちらを向く
地獄の亡者でも音に惹かれてやってきたのかと身構え…
そして現れたのが妙な格好をした人間となれば思い切り眉をしかめ)
あん?
(本人的には怪訝な…というつもりで、思い切りメンチを切る
凶相と言うべきかなんと言うべきか、野生の獣が縄張りに踏み込まれたらこんな目付きもしようというレベルの人相の悪さであった)
んっだ?何モンだテメェ、地獄の亡者にしては別嬪さんじゃねーか
お迎えに来たってんならお引取り願うけどよ
(長時間命をすり減らす戦闘を経て気力も体力も立つのがやっと…というレベルの消耗が重くのしかかるが
そんなそぶりは隠し、八重歯をむき出しにする笑みを浮かべ、拳を構える)
■美東暦 > 「ひいーこわ」
睨みつけられる。クレーターの縁に腰掛けたまま肩をすくめた。
それでも続く言葉もあれば、交わせるものがあることは明白。
地獄の亡者と呼ばれても、品が良いと言われれば表情を崩す。
不敵にも可憐にも見える笑顔で声を上げた。
「地獄の亡者かあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。
だっていうなら、ようこそ君が世とあの世の狭間の世界へと言うべきかな?
別にオレがやる務めじゃねーけど、お迎え役をやってもいい」
消耗を押し隠すアーヴィングとは対照的に楽しげに足をぶらぶらとさせた。
言葉が軽い。
■アーヴィング > ……おう、とりあえずテメェがうさんくせぇってのはよく判った
(フン、と鼻息も荒く胸の前で腕を組み、一応は警戒を解く
とは言え「怪しい素振りをしたら先手を取ってぶん殴る」から「何か仕掛けてきたらぶん殴る」程度の下げ具合だったが)
よっしゃ、とりあえずそういう喋りする奴の対処法は判ってんぞ?
ここジャハンナムじゃねーな?
(おどけてこっちの言葉に乗った場合は大体吹かしている、そう、経験則だ)
んでここどこよ
教える気がねーならマッハで会話打ち切って勝手に探索すっからな?
(そして油断すればまどろっこしい会話のペースに巻き込まれる
つま先で地面を何度も蹴りつけ、イライラとした素振りを見せながら冷静な瞳で相手を観察し)
■美東暦 > 「なーんだーよー、ちょっと面白かったからノっただけじゃんか。
あーあー、悪かったよ悪かったってば。 別に意地悪したかったわけじゃねーって」
決然としたアーヴィングの態度にぱたぱたと両手を振った。
表情を微笑にかえて前のめりになる。
「ジャハンナム。 ジャハンナムときたかーふふっふふふふ。
っと怒るなよ? ちょっと笑っちまう理由がこっちにもあっただけでね。
たとえばオマエの言うジャハンナムが、七門を持つ燃える大穴だったとしても、そうでなかったとしても、ここはジャハンナムじゃーないね。
怒る前に言うけどさー、ここの名前なら常世島さ」
会話を打ち切るという言葉を嫌ったのだろうか、口数が多くなった。
相手のとるイライラしているという態度を受け入れ、それに素直な返答で応えた。
■アーヴィング > 俺ぁつまんねーんだよ
おもしれーってなら俺も楽しませとけや
テメェだけがおもしれーってのは状況によっちゃ人イラつかせんだよ
(ペッと粉塵まじりの唾を吐き捨て、ブーツで踏みにじる
油断は出来ない、心も許せそうにない
しかしこちらに対する害意もないように見える)
あん?ジャハンナムっつったら空の底にある冥府だろうが
門があるとか聞いた事ねーぜ?
常世島ね…聞いた事ねーな、レガリアからどんだけ離れてんだ?
(故郷でも最も大きな島を領土とし、人類の生存圏内に住んでいるならば名を知らないはずのない大国の名を口にする)
■美東暦 > 「だから悪かったって。 オレもなかなか下手の横好きでね」
右手を口元に添える。
ここまでくれば十中八九は『門』を越えてきた相手だ。
言葉の指すものが近くとも違うなら、見たこともない鋼のそれとともに異邦から現れたに違いない。
はて迷う。ドコから説明したものか。
まさしく稀にマレビトには会うが、いつも困る。
戻れる者もいるが、大抵は一方通行だ。
それなりの年かさに見える相手なら、遺してきたものも多いだろう。
笑みは消えている。
「んーー…そうだな。 場合によってはそのジャハンナムより遠く。
オマエが言うレガリアという地はここには恐らくないし、今からオレがいくつ地の名前を口にしようとオマエには通じないだろう」
一瞬だけ視線を横にそらす。
「だから、オレがあの世の迎えでも、それほど戯れを言ったわけじゃねーさ」
■アーヴィング > あん……?
(キリ…と歯を食いしばり、口元に手をやり唇を隠すようにする
思考を深める時に行うクセだ
レガリアが存在しない…ジャハンナムより遠い、その言葉を与太と切り捨てずに噛み砕き細分化していく
彼女の言葉を鵜呑みにするのならば答えは一つしかない
夢界、と呼ばれる異界がカエルーンには存在した
高度に発達した魔学はそれに対する様々なアプローチを行い、世界の壁、次元と呼ばれる概念が世界を区切るという理論に行き着いていた
そして異界からの侵略者と戦った以上、それが理論ではなく確かな事実として知っている
彼らの特性、武器はその次元の特性に寄った物が多く…自分の最後の記憶は、空間ごと抉り取る次元穿孔兵器の発動した光に呑まれて……)
OK、飲み込んだ
つまるところ…あの世っつーのは俺の視点から彼方の地……空を越えたわけか、俺は
なら帰れそうにねーか
(チッと舌打ちをしつつ、事の大きさに比しては小さすぎる反応を返して
二度と帰れないという事実を受け入れる)
■美東暦 > あっさり諦めを口にした相手をじーっとまっすぐ見下ろした。
例えばこの世界が【こう】であるように、男の生きた地もそういう場所だったのか。
想像はいくらでもできる。
だが溢れさせるように苦笑いした。
「…でも、ま、それはオマエの性分なのかな? 判断が早いのはキモチよくて嫌いじゃねーよ。
断定しなくてもいいけど、さっき墜ちてきた門もないし、難しいかもな。
オマエみたいなやつ、オレも結構会ってるからさ。
ここはそういう所なんだよ。
だから狭間の時間に、狭間の世界へようこそ」
手を広げて迎えの言葉を告げると、そのまま脇に手をついて背を反らせる。
「この地で最初にお前が出逢った名前はミアズマヨミだ。 それでオマエは?」
■アーヴィング > あん?その口振りってこたぁ帰れる目あったのかよ
(そんな事は考えもしなかったと目をぱちくりとさせて)
俺ぁな戦ったんだよ、戦って、勝って、死んだ
(自分の拳を握り締め、自分の胸を叩き、親指を下に向けて、落とす)
死んだら生き返れねーのは当たり前だろうがよ
だったら…まあ、生きてるだけ儲けもんと思うしかありゃしねぇや
未練がねーっつったら嘘になっちまうけどよ、ありもしねーもんに手ェ伸ばしてダダこねったってみっともねーだけだろよ
まあ、ようこそっつー言葉に素直に応よって言えねー程度には整理付いちゃいねーけどよ
(ため息を一つ
飛翔機の残骸に手を付けば焼け焦げたミスリル合銀が魔力の粒子へと変換され、機体後方中央に位置する場所へと吸い込まれていく
光が凝縮し、消失するとそこには一振りの剣が浮かんでいた
刃渡り1mはあろうかという幅広の刀身を持ち、炎のような真紅のラインがそれを巡るように流れている
鍔飾りは羽を広げた鳥を模した黄金細工で…焼け焦げた残骸の中から出てきたとは思えぬほどに傷一つなく、輝きを放っていた
それがくるくると回りながらアーヴィングの手の中に納まる)
レガリアが賢王、フェリック・ル・ケブレスに仕える騎士、アーヴィング・ヴァン・オルブライト
出来るこたぁ空飛ぶこととバケモノ退治だ
(くるりと刃を翻し、腰に当てると笑みを浮かべ、よろしくな、と付け足して)
■美東暦 > 足を投げ出したまま戦士の言葉を聞く。
指を下に向けるアーヴィング。それを見る顔は微笑よりも確かに笑んでいる。
「ああ…死んだら元には帰れない。 そうだよな」
剣の軌跡を目で追って、興味深そうに瞳を輝かせる。
突いた手は離し、名乗った相手に軽く会釈した。
「よろしく騎士アーヴィング」
それからゆるゆると右手を持ち上げて指さした。
「ところで空を飛ぶってのが、その…なんかに乗って飛ぶってわけなのかな?
いま剣が出てきたけどさー。 どーいうもんなわけ?」
最初に見せていた、少年のような表情で飛翔機を見る。
■アーヴィング > ただのアーヴィングでいいぜ?
ここがカエルーンじゃねえのなら騎士の誇りはここにありゃ十分だ
こっちで騎士働きしたわけじゃねーしな
(とん、と胸を叩いて)
あー、あいつは飛翔機っていう……俺らにとっちゃ当たり前のもん説明すんの難しいな…
(がりがりと頭を掻き毟って、しばし考えて)
コイツ…この剣は魂装具っつって、俺の魂に宿ってる異界の武器だ
異界の武器っつーだけあってベラボウな魔力を持ってるんだが…あいにく全力開放したら俺の体なんて跡形も残りゃしねぇ
だもんで、こいつのパワーを少しでも受け止められるように作られた器がアイツだ
ついでに言や、俺はちゃんと自前で飛べるぜ?
こっちじゃどうか知らねーけど、騎士ってのは空翔るもんって相場が決まってっからな
(両足に発光する赤いリングを浮かべると、ふわりと体を浮かせ、赤い残光を航跡として残しながらクレーターのふちに居るヨミの隣へと滑っていく)
■美東暦 > 「へぇー…ああ、なるほど。
やっぱり元の世界でも異世界のものに馴染み深かったんだな」
スムースな理解の理由に頷いていると、アーヴィングが滑るようにやってきた
少し驚いたように背をそらす。
「おっ、おっ、おーー…ははっ。
いーじゃん、羨ましいなーそれ」
笑う姿を近づいて見れば、胸の脂肪と全体的な骨格のちぐはぐさがよりわかりやすいかもしれない。
とはいえライダースーツではやや紛らわしいが。
あれこれと興味あるのが顔に出ている。
飛翔機とアーヴィングを交互に見て、口を開きかけ「おっと」と止めた。
「聞いてみたいことはあるけど、そんなことより戦いの直後ってんなら疲れてるんじゃねーのか?
飲ーみー物ー…ぐらいはあるけどな」
腰に下げたペットボトルを手にとった。ただの烏龍茶。
「よっぽど合わないこともあるらしいけど、大抵は大丈夫じゃねーかな?
こうしてやってきたなら大抵は【そういうもの】だから」
■アーヴィング > 異世界っつってもここまでハッキリしたもんじゃねーけどな?
なんつーか……意識できる夢の中みたいなもんっつーか…
(最初に夢界を想像しなかった理由がそれだ
あそこはもっと曖昧で、異質で、意地悪く、それでいながら半端に理解が及ぶ危険な場所だった
ここにはその異質さがない)
そんなに難しいもんでもねーぞ?
10のガキでもやろうと思えば浮くくらいは出来っしな
(彼女の微妙に違和感を感じる体型には、異世界人なら違いくらいあるだろうと気にしなし
飛行魔法は魔術であるため、他の世界の人間でも習得出来ないことはないだろう
もっともカエルーン人は生活上の必要性から古代からしようしており、その洗練具合は桁が違うが)
あー……ハッキリ言ってこのままぶっ倒れて寝てぇけどそうはいかねーしなぁ……
って、気前いいじゃねーか、くれ
(彼女が保証する言葉を聞いているのか聞いていないのかという即答具合でズバッと腕を差し出す
警戒心が完全な0の状態である)
つーか、人が居るっつー事はなんらかの統治機関はあるんだろ?
んで、俺みたいなのが珍しくねーっつーなら対処マニュアルくらいあんだろ
そいつらに接触する方法教えてくれよ
金ならあるぜ?こっちで使えっかどうか知らねーけど
(ポケットをごそごそと探り、オラッと金貨を弾く
しっかりとした作りで刻印も王の肖像もはっきりと見て取れる高度な鋳造技術が見て取れるだろう
近代の貨幣に混ぜても「どこの国のものだろう?」と紛れ込めるレベルだ)