2015/07/19 のログ
ヨキ > 「(そうか、君も……異邦人であったか。
  そうなっていたような、ということは……、不確か、ではあるのだな)」

(トトの言葉を真っ直ぐに聞きながら、時おり頷いて相槌とする)

「(ナナミ……というのは、君の友人か。
  そうだな、運が悪ければ襲われるか……襲われるよりもひどい目に遭うやも知れん。
  生徒たちには、そのような目に遭わぬことと……遭ったときに、無事で居られることと。
  それを教え、同時に君ら生徒を守るのが、このヨキや、教師たちの務めだ。

  ほう……遺跡群。ああ、ヨキも足を運ぶぞ。
  あすこから来たということは……トト君の故郷の遺跡と共に、やってきたのだろうかな。

  ……『門』はどこでどのようにして繋がれたものか、未だ判然とせん。
  そのような者たちとこうして言葉を交わせることは……、面白いし、楽しいよ)」

(トトが自ら触れる身体を一瞥する。
 ほかの人間と表面上は大差ないように見えて、すぐに視線を戻した)

「(栄養で変わらぬならば……食物を摂る以外に、その姿が変わることはあるのか?
  出自のみならず、見た目の年齢も千差万別であるからな。

  この姿で人里に暮らすには、何かと不便も多くてな。
  人の姿とて同じことだが……不便と不便とを比べて、人間を選んだようなものだ)」

トト > 「うん、余りそういう書類をしっかり見たわけじゃないからね、でも、多分それであっていると思うよ。」
こくこくと頷いて

「うん、七生は大事な友達だよ、ほかの先生に、こっちでは友達を作るといい、と教えてもらったのさ、おかげで楽しいよ
そっか、やっぱり先生達は大変なんだね、こういう時は  あ、そうだ、いつもお疲れ様です。」
ぺこり、と頭を下げてみたり

「遺跡、か… ううん、多分、送られてきた、んだろうけれど、そこら辺の記憶、正直曖昧なんだよね、僕。」
どうやってきたか、という言葉には、少し言葉を濁して、そう告げる、ぷー、と何処か不満げに唇を尖らす

「それでも、うん、いろんな人に会うのは楽しいものだね、この間は海に行って、泳ぎとスイカ割りを教わったんだ
それで、こうやってこっそり泳ぎを練習して、次に会った時に驚かせようと思ってね。」
楽しそうに自身の目的を告げて、ぱしゃぱしゃと足先で水を跳ねさせる

「うん、ある、あるはずなんだけど… それも忘れてるんだよね、僕、ある、ということは覚えてるんだけど
成る程、やっぱり、人型が多いんだね、それは僕も感じたよ、そうやって【適応】できるなら、それが一番、という事だね。」
自分の変化についてはそう告げる、思い出したいんだけどなぁ、と呟いて

ヨキ > 「(なに、君ら生徒を思えば苦労はないとも――何ひとつな。
  友は宝ぞ。良いことも悪いことも、そのナナミ君、や他の友人たちと分かち合うがよい)」

(トトの一礼に併せて頭を下げる。人であればくすくすと笑うところで、ぷすぷす、といびつな鼻息を漏らした)

「(……ふ。思い出せぬのが不満かね。無理に思い出そうとすると、余計に頭が痛くなるだけだ。
  恐らくは……君の心のなかで、『思い出すべきとき』がまだ来ていないのではないかな。
  思い出したい、という心さえあるならば、いつしか時は来る。……きっとな)」

(トトの不満げな様子に、ぎこちない固さで小首を傾げてみせる)

「(泳ぎとスイカ割り、か。ヨキはこのような身体ゆえに……人型でも、海にはあまり強くなくてな。
  生徒たちがいちばん楽しそうにしているのは、やはり夏だ。
  君にとっても、きっとかけがえのない季節となろうよ。
  練習の成果はどうだ。少しは上達したのかね?)」

トト > 「…  えへへ、ありがとう先生… あ、そっか、成る程、そういう考え方もあるんだね?
今はまだその時ではない… そう考えてみることにするよ、考えても思い出せるとも思えないしね、流石先生だ。」
素直に感心したのか、こくこくと頷いて目を輝かせてお礼を言う

「うん、大分コツは掴めたと思うよ、元より僕と水分は友達のようなものだからね
底を歩くわけでも、上を歩くわけでもなく、間を流れる、そんな動きがこんなに楽しい何て知らなかった。」
成果はあったらしく、そういって笑顔をみせてぶい、とピースサインを作ってみせる

ヨキ > 「(そうだとも。何しろヨキは、物忘れも多くてな。
  たくさんの物事を忘れるうちに、いつしかそう考えるようになったと……それだけだ。
  君にとって本当に大事な記憶ならば、沈んでいても浮かび上がってくるはずさ)」

(トトのピースサインに倣って、左の前足を軽く掲げる。
 指は不器用に動いただけで真似は叶わず、乾いてひび割れた肉球で地面をとんとん、と二度叩く)

「(水分と友だち……とは、単に君の身体が水分からなるもの、という単純な話ではなさそうだな。
  何か異能や魔術、君の持つ性質に関係があるのかね。

  ふふ、練習が順調ならば何よりだ。
  本当ならば……もう少し安全で明るく、綺麗な水で鍛えてもらえれば、ヨキも安心できるのだが)」

(安心できる、と言葉にしつつも、そうせよ、と強いる語調ではない。
 金色の眼差しが、上から下へ、前から後ろへ、ゆっくりとトトの姿を見定める)

トト > 「そっか、これも経験、というやつだね、生き物には大事なことだって、僕は知っているよ。」
ふむふむ、と興味深げにヨキの話を聞いていて

「うん、僕の能力は【そういう物】を変化させる力だからね、混ざりものが多いほど、色々できるんだよ?
例えば… 傷口を固めて、かさぶたみたいにしたり、とかね。」
指を立てて説明する、さっきはそれで怪我を塞ごうとしたんだ、と言いたげだ

「綺麗な水、かぁ、逆に綺麗すぎる水はちょっと苦手かな、生き物が全くいない水じゃ、余り変えられないもの。」
所謂【純水】の事を言っているのだろうか、だから海や、此処の水は【混ざりもの】が多くていい感じだよ、と続ける

ヨキ > 「(トト君の中にも、いずれ気付かぬうちに経験が降り積もっていることだろうよ。
  ふとしたときに、生活の中で得たものが君の『養分』になっているんだ。
  ほら――『ナナミ君』や、その泳ぎの練習のようにな)」

(トトの異能について、口を引き結んで聞き入る。
 ふむ、と頷いて)

「(液体の性質を変化させる能力、か。ならば……ヨキの身体は、さぞかし弄りやすかろう)」

(自身を見下ろす。身体を曲げた拍子に、血が再び雫となって落ちた。
 鉄の匂い――を通り越して、錆めいた臭いですらある。
 ありふれた生き物の血液よりも粘っこく、より黒い)

「(混ざりものだらけなのだ。君の力がどのように作用するか……、少し恐ろしくさえある。
  だが、君の気遣いの気持ちには感謝するよ。支えとなれる相手のために、正しく使える日が来るとよいな)」

(湖の水面に目をやる。
 夜更けの水はあまりに暗く、透かし見ることは叶わない。
 トトの言葉から、相手の異能のかたちを測るよう、じっとその顔を見る)

「(水が君に合ったとて……、『水の外』のことさ。
  君にとって、ヨキのような味方ばかりがうろついているとも限らない)」

トト > 「成る程、七生との事も、立派に僕の【養分】になっているんだね…  えへへ… そっか…。」
何だか嬉しそうに笑顔を浮かべてそわそわしたり

「うーん、どうだろうね?あなたも、それを【弄る】力はありそうだし、そういう場合は、意思同士、干渉のしあいになると思うよ
この前、ちょっと似た感じの子に出会ったしね、その子とは友達になったけど、別に僕だって、戦いがしたいわけでもないからね。」
ぺたん、と座り込んで、さらさらと水辺の泥混じりの水をすくい、溢す
溢れていくそれらが、ヨキの瞳と同じ金色の砂となって流れていった

「ふふ、先生として、心配してくれてるんだよね、大丈夫、気をつけるようにはするよ。」
注意を喚起する言葉に、こくこくと頷く

ヨキ > 「(嬉しそうだな。ナナミ君……というのは、君にとってよほど大事な相手なのだな。
  ナナミ君が学園の者ならば、いつかヨキとの縁もあろう。
  そのときにはきっと、君の顔も思い出すだろうから)」

(トトの手のひらから水が変じた砂が流れてゆくさまを見ながら、その隣にずしりと腰を下ろす。
 細く引き締まった猟犬の身体は、しかし見た目より重たげに見える。
 まるで鉄の彫刻が、自ずから動くかのような)

「(……ヨキの身体は、金属に親しい。美術の、金工の教師をやっているのも、そういうことだ。
  この骨に、血肉に、ありとある細胞に金気が交じりこんでいる。
  毒の水が満ちたような身体となれば……あるいは、干渉の予知もないのやも)」

(それでも構わない、とばかりに目を伏せる)

「(そう。心配するのも、叱るのも、見守るのも……すべては教師の仕事だからな。
  だが――それ以前に、ひとりのヨキとしても、君を気遣う。
  先生と生徒という、垣根を越えてでもな)」

トト > 「… うん、大事なトモダチだよ、七生は、もしあったら、よろしくね?勉強、最近大変だって言ってたもの。」
少し頬が赤くなっていることに自分でも気づいていないようで

「ふむふむ、ちょっと興味深いかも、いつか試してみるのもいいかもしれないね、研究、とかもしているらしいし。」
ぽふぽふ、と拒否されなければ力を使わずにヨキの体、背中をなでるように触れてみたりする

「そっか… 何だろう、嬉しいよ、そうやって心配してもらえる、というのは良い事だね
言うならば、単純に守る、守られるというものを超えたものを感じるな。」

ヨキ > 「(――ああ、頼まれた。君と、ナナミ君と。科目が科目だけに、生徒との縁もなかなか広がらなくてな。
  四年か、それに満たず学園を離れる者が居るならば、ヨキが顔も名も知らず、出会うことのなかった生徒も少なくはないだろうから。
  こうして新たに知り合えることは、何より嬉しい)」

(背中をトトの手が這う。両目がくるりと丸くなって、ほんの一瞬、身体が強張った。
 それもすぐに和らぎ、ふっと心地良さそうな顔を見せる。
 薄い皮膚の下、骨のごつごつとした凹凸がある。体温は生を燃やしてあたたかく、鼓動は死にかけたように鈍い)

「(興味深いか?……この身体に、支障のない程度であればな。
  …………、あとできちんと、手を洗うのだぞ。
  いかなる病が君に伝染するか、判ったものではないからな)」

(トトの手のひらに併せて、術に掛かったようにとろとろと瞼を落とす。
 すぐにぶるぶると首を振って、我に返る)

「(人との付き合い、というのも、単純なものではないからな。
  ヨキは人の姿を取ってまだ間もない――が、それだけはよく判っているつもりだ。
  君とて守られるばかりのか弱きものではないと、ヨキはそう信じているのだ)」

トト > 「うん、わかった、僕も今度あったら、ヨキ先生の事話してみるよ、ふふ、楽しみだなぁ。」
そういってくすくすと、楽しげに笑う

「暖かい… うん、ふふ、他人の身体というのは、不思議と暖かく感じるものだね、僕の手はどうかな?」
トトの手は水に使っていたためか少し冷えているように見えるが、震えなどは感じられない

「この匂いも、流れ落ちる赤も、あなたを表すものなんだね、うん、僕は嫌いじゃないよこういう空間は。」
とぽつぽつと声をこぼしながら笑って

「そうだね、僕は本来【守る側】の存在と言ったほうがいいだろうし…… ここでは生徒だけどね
うん、友達よりも、もっと【深い】関係があることも知ってるし、僕は僕に出来ることをするつもりさ。」
うんうん、と同意するように頷いている

ヨキ > 「(ヨキのことを?ふふ、それはヨキの、『本当の姿』――をも見てからにしてくれたまえ。
 斯様な姿ばかりが、ヨキではないからな)」

(言葉とは裏腹に、楽しげに。
 トトから手の感触を尋ねられると、浸るように目を伏せて確かめる。小さく頷いて)

「(…………、ああ。ヨキにとっても、君の手は温かいものだよ。
  この姿では、人から触れられることも久しく無かった。

  ……そうだとも。獣のヨキも、人間のヨキも、すべてがこのヨキだ。
  この島にあっては、知られることは恐ろしい。だが知られたとしても、こうして受け入れられるならば)」

(隣のトトへ顔を向ける。切れ長の瞳が見つめる)

「(守る側の存在、か。
  そうした記憶や自覚は、確かなものとして君の中に在るのかね?
  使命や、役割のようなものが?)」

トト > 「あ、そっか、先生としてのヨキ、といえばいいのかな?美術部に行けば見れるんだよね。」
ぽん、と手を叩いて、納得したように頷く

「そうなんだ、ふぅん、確かに、何でもかんでも話せばいい、というわけではないんだよね、大人の対応… かな?」
少しずれた答えに思えるが、そんな事を言いながら首をかしげたり

「ん… 細かくは、言えないけどね、僕の種族はゴーレム、【命令】と【使命】を果たすもの、だからね
だから… この世界で出来た【約束】は好きだ、双方向での決まりごとは、僕にとっては新鮮なものだから。」
言えない、という事は【その関連の自覚】はある、という事を言外に語りつつ、彼の目を見返して、微笑みながら説明する

ヨキ > 「(いいや、美術部はやっていないんだ。放課後は、自分の制作に使いたいからな。
  その代わり、授業は幅広い学年や内容を見ているし……職員室にも、カフェテラスにも、どこにでも居るさ。
  いつでも遊びに来るといい)」

(目を三日月のように細める。
 澄まし顔で撫でられて、けれどトトへ擦り寄るようなことはしない)

「(例え大人と呼ばれずとも、ヨキは話したいことを話していたいと、そう思うよ。
  その代わり君にも、君の言葉で話し続けていてほしいと、な)」

(ゴーレムの語に、ほう、と関心深げな目を向ける。
 犬らしからぬ瞬きをゆっくりと繰り返しながら、)

「(土人形……には見えないな。あるいはフレッシュゴーレム、の類だろうか。
 ……いや、ゴーレムの身体の話は、それだけで致命的になりかねん故に、答えずともよいが。

 約束……か。厳密さなしに取り交わされ、ときに破られ、しかして守られるを是とするもの。
 ……君はゴーレムでありながら、さながら人間のようだ。
 使命を果たす、という堅苦しさもなく、人の営みに応じようとしている。
 友人を作ることや……人と朗らかに話すこと。それもまた、君に適応されつつあるのだな)」

トト > 「そっか、じゃあいつか遊びに行くよ、僕、芸術というものにも、というかやれることはなんでもやろうと思ってるからね。」
ぐぐっ、と拳を握り締めるようにしてみせたり

「土、泥人形とも言うね、ふふ、そう言ってもらえると嬉しいよ… ふむ、僕が【何】で出来ているか、かぁ
【僕は僕で出来ている】としかいいようがないけれど… ごめんね、ちょっとよくわからないや。」
ぱたぱたと両手を振るうようにして首をかしげる【】内を強調するように、確かめるようにゆっくりと話して


「そう、そんな不確かな、でも、だからこそ相手の心が見えるようだろう?約束は、だから、僕は好きだよ
そうかな、僕はタダ、僕の好きなように動いているだけだよ、それが許されているようだしね… でも、ありがとう
そう言ってもらえると、何だか嬉しくなる気がするよ、そうだ、これで僕とヨキもトモダチ… 生徒と先生でもトモダチでいいのかな?」
そういってヨキの前足ときゅっきゅと握手しようとしている

ヨキ > 「(有難う。それでいい。芸術に触れてさえくれるならば……、ヨキはいつでも君を出迎えよう。
  芸術を、終生の友としてくれなくとも構わない。ひとときの楽しみとなれば、それで十分だ)」

(確かめながら話されるかのようなトトの言葉を、ひとつずつ耳に拾い上げてゆく。
 トトの黒い瞳の中に、さながら彼自身さえ知らない真実の片鱗を探るような、真っ直ぐな眼差し)

「(ヨキの知識は、伝聞や書物の中から拾い上げたものに過ぎんからな。
  今は……君とともに、『君の本当』を探しているような気分さ。
  唇が尖ってしまうような不確かさではなく……僕はこうであった、と、君が晴れやかに語れるような『本当』を)」

(前脚にトトの手が触れると、ぴくりとして。
 握り合う前に、草の上でその大きな手のひらを拭った。その爪にこびりついた、不穏な――死の気配を落とし去るように。
 改めて繋いだ手を、上下に揺らす)

「(このヨキは、何でも許す。
  ヨキが自分の考えを守り、それを君に語ることを許してくれるのと、同じようにな。

  ……ふ。生徒と先生の垣根は保たれるべきであるが、壁になってはならないと考えているよ。
  積まれた壁は朽ち、いつかは倒される。

  それよりは……やわらかで、季節を経るごと、自由に花や果実で飾られる垣根で在りたいと。

  だから――トト君と、ヨキとは。友人として居よう)」

トト > 「… おお、なんだろうね、それも先生っぽい言葉な気がするよ。」
くすくす、と楽しげに

「僕の本当… か、確かに、僕もそれは知りたいかもしれないな、そのほうが………
うん、良さそうだ、心の中に、それは置いておくことにするよ、これも中々目的としては楽しそうだ。」
と、自分の中で結論付けて、ヨキに対して頷いた

「じゃあ、友達、だね、先生の友達は、ヨキが初めてだよ、仲良くしようね、握手………♪」
ぱぁ、と笑顔になって、拭ったヨキの手と手をつないで、ぶんぶんと大きく振って、離す

「よし、僕はそろそろ、寮に戻る事にするよ、目的は、思った以上に果たせたみたいだからね… あ、そうそう。」
よいしょ、と立ち上がって伸びをする仕草をし、ポシェットを肩から提げてから、思い出した、といった風にぽん、と手を叩いて

ヨキ > 「(だろう?この十年と少し……ヨキは毎日、常に教師であったよ。
  だが、だからといって凝り固まるようなヨキでは居たくない。
  何しろ――『まだ』十年しか経っていないのだ。このヨキが、人間となってから)」

(トトが得たらしいひとつの手掛かりに、こちらもしかと頷いてみせる。
 顔を伏せ、幼子を見守る旧い賢者のように。あるいは友の道行きを応援する、ひとりの男のように)

「(……君のはじめてとなれたことを、ヨキは光栄に思う。
  ヨキと同じ常世島に暮らすトト君の、気持ちが晴れる一助となれたのならば)」

(相手に倣って、ゆっくりと立ち上がる。身を屈めて伸びをしたのち、トトの声に顔を上げる)

「(ああ。ヨキもまた、街へ戻るとしよう。もう朝がそこまで近付いている――、む?……どうしたね、トト君?)」

トト > 「ふむふむ… なるようになる、まさに、それって感じだね、僕もそうなりたいものだな。」
そんな彼の話を見て、少し尊敬の眼差しを向けた

「うん、ありがとう、これでまた、明日から頑張れる気がするよ、ああ、そうなんだよ
ヨキはケータイ… メール持ってる?それだけ、教えてよ、僕登録しておくからさ。」
と、ケータイを構えて、ヨキのアドレスを教えてくれるなら直接入力してみたり

「じゃあ、今度こそ本当にバイバイ、だね、ヨキ、今日は楽しかったよ、また会おうね!」
本当に嬉しそうな笑顔を見せながら、ぶんぶんと手を大きく左右に振って離れていく

ヨキ > 「(なれるさ、君ならば。
  君がいま見ているのは、『そう在りたかった』という轍ではなく、『そうなりたい』という先へ続く道なのだから。
  もしいつか……その道をいっとき見失ってしまうこともあるにせよ、君にはいつだって、そこへ戻れる手掛かりがある)」

(何の疑いようもない、とでも言わんばかりに、ふっと息を零す。
 トトからの頼みには、しばし目を丸くして、やがて可笑しげに笑い出す)

「(ふッ……ふふふ。ふふ。いったい何事かと思えば。良いだろう。
  学業のズルを乞うでもない限り、何でも連絡してくれたまえ)」

(トトの隣で、アルファベットを読み上げて、犬の手で文字を指し示す。
 もちろん、今は電話など持っていない。
 この姿で尋ねられるとは思わなんだと、心底から愉快そうな様子を見せた)

「(ではな、また……学園で、人の姿で会うとしよう、トト君。こちらこそ、とても有意義な時間を過ごさせてもらった)」

(手を振る相手を最後に見遣り、背を向け、地を蹴る。
 次第に白みつつある野の中にあってさえ、光を余さず吸い尽くすような黒の毛並みが――岩陰に紛れて消える)

ご案内:「転移荒野」からヨキさんが去りました。
ご案内:「転移荒野」からトトさんが去りました。
ご案内:「転移荒野」にノヴァさんが現れました。
ご案内:「転移荒野」からノヴァさんが去りました。
ご案内:「転移荒野」にノヴァさんが現れました。
ノヴァ > 常世学園未開拓地区転移荒野
あらゆる異世界から様々なものが流れ着くという荒野にまた一つの門≪ゲート≫が開く
そして、その門≪ゲート≫から現れる一人の小柄な少女が居た

「ん……ぅ……?ここ、は?」
門≪ゲート≫の光がまぶしい様子で目を擦りながら意識を覚ましてゆくその少女は
周りの景色を見ながらぼんやりと呟く

ノヴァ > 「あれ…?ノヴァの部屋じゃない?何処なの?」
突然この世界へと飛ばされてきた様子の、
その少女はあたりの荒野の様子を見まわしながら
いつもの自分の部屋ではないという事を確認するようにしながら少し不安げに、
されど興味津々というような表情で呟く

「何処かしら此処は?ねえ、ウィルソン、いないの?
…………居ない様ね…」
彼女はここが何処かわからず、
自身の育て親である神が名乗っていた名を呼ぶ
しかし、反応は無く少し落胆したような表情で呟くも、そこに寂しさといった感情は見受けられない
何故なら、少女を育てたその神に愛情は無くただの道具としてしか彼女を見ていなかった
故に少女もそれを感じてか、その育て親である神に対し情を持つ事は無かったのである。
とはいえ、突然の状況に真っ先に名を呼ぶくらいには信頼はしていたようであるが

ノヴァ > 「本当に此処は何処かしらね…
ウィルソンも居ないし、全然綺麗じゃないし
んー、つまんないわね。外の世界ってこんなに詰まらなかったのかしら?」
しばらくの間は自身の住んでいた神の城とは違う、初めて見る荒野の景色を興味津々で見ていた彼女は
しかし、しばらくして装飾も調度品も何も見受けられないその景色に飽きたようにして呟きながら
転移荒野を歩きだす

ご案内:「転移荒野」に三枝あかりさんが現れました。
ノヴァ > 「でも、どうしてこんな所に飛ばされて来たのかしら…?」
少女は少し不可解な表情で自身がこの転移荒野へと飛ばされる
それ以前の出来事を思い出そうとしていた

「確か…なんか突然来た男が……ノヴァの事を助けるだかなんだか言って…手を翳してきて……
そうよ!きっとあの男よ、ノヴァを助けるとか言ってこんな所に送ってどういうつもりかしら
これの何処がノヴァを助けるって事につながるのかしら?」
そうして、自分が此処へと飛ばされた時の事を思い出しながら
少し癇癪を起こした様な様子で、自身をこの世界へと送った男について思い出しながら呟く
されど、純粋なその少女は、自身をこの世界へと飛ばした男が自分を助けると言ったその言葉を疑っている様子は無かった。

三枝あかり > バギーに似た車に乗って外套姿の少女がその場に通りかかる。
生活委員会に入り、簡単な講習を受ければこの規模の車両なら運転が許可される。
ただし、公道では走れない。転移荒野での移動手段に過ぎない。

そして遠目に見えた、いや異能で捕捉した銀髪の少女の下へバギーを走らせる。
そして近くで降りて、声をかける。

「あの、ここは危険だよ? もしかして異世界からの来訪者……なのかな」
「いや、いきなり言ってもわかんないかな。そもそも言語が通じるのかなぁ…」
ポケットから翻訳機を取り出す。昔あった折りたたみ式の携帯に似た機械だ。

ノヴァ > 「ふえ…?
な、何よ。銀竜であるノヴァに危険なんて無いわ。」
突然声を掛けられて驚きながら
少し怖々とした様子で、されど気の強い態度を保ってバギーに乗ってきた少女へと言葉を返す。

「異世界?言語?何の事言ってるのかしら?
っそ、そうよ。このノヴァにもっとわかりやすい様に伝えなさい。」
そうして、少し不思議そうな様子で、あかりが告げた言葉に対し首を傾げた後、
先程の様子を取り繕う様に、強気な偉そうな態度で問うのであった。
どうやら言語は通じている様である。

三枝あかり > 「ギンリュウ……? あ、しゃ、喋れるんだ!」
頬を掻いて翻訳機をポケットに仕舞う。
灰色の外套のフードを外して頭を下げた。

「色々と不躾なことを言ってごめんね、私は三枝あかり」
「あなたはこの地球の人間なの? それともこことは違う世界から来た人間なの?」
「ええと、前者だったら街まで連れていけるし、後者だったらそれに保護がつく、かな」
バギーの座席近くに置いてあった書類を取り出す。
「生活委員会の仕事は、異邦人の保護だもんね。うん、間違ってない」
そこに書かれているマニュアルを読んで、手を差し出した。

「いくら強くても、一人ぼっちは寂しいよ」
そう言って微笑んで見せた。

ノヴァ > 「人間?ノヴァは人間なんかじゃないわ。銀竜よ!偉いのよ!」
ドヤァというような効果音が出るような程に偉そうな表情で告げる。
神から教えられた価値観により、少女は竜が人間より偉いものであると高位の存在であると信じ込んでいる様であった

「ちきゅう…?せかい…?何かしらそれは、ノヴァはノヴァよ。
むしろ私が聞きたいわよ何処よ此処は
あ、そうね。銀竜であるノヴァに保護なんて必要ないからきっとノヴァは前者よ!」
少女はこの地球の出身の者では無い様で、地球や世界という聞きなれないその言葉に首を傾げ
そうして言われた事の意味が分かっていない様子で前者と答えるのであった。
「……何かしら……?この字……読めないわよ……」
そして、渡されたマニュアルを興味津々な様子で見ながらも
その文字を見て少し拗ねた様に呟くのであった、

「銀竜は寂しがったりなんてしないわ!」
そうして相変わらず、最後にそう言って強がるのであった。

三枝あかり > 「あ、銀竜……シルバードラゴンの、銀竜?」
「そっか……偉いんだったら余計にごめんね」
薄く笑って対応した。まずは彼女のことを把握しなければ。

「地球というのは、今私たちがいる場所のこと」
「世界というのは……うーん、説明が難しいなぁ…」
マニュアルを見て、読めないことを確認するとその紙の束の裏にある書類に書き込む。
「喋れるけど、読めない。未就学児とは思えないし、やっぱりこことは違う世界から来たみたいね…」
「とりあえず、移動しよっか? 隣に乗って」
「人がいるところまで行こうよ。ここは何もなくてつまらないよ?」

握手をしようとして差し出した手を引っ込める。
「そっか」
それだけ言って自分の髪を撫でた。
きっと彼女は本当に強いのだ。

自分は、強かったことがないから、きっと彼女の気持ちは理解できないのだろう。

ノヴァ > 「ええ、そうよ。銀竜よ。良いわよ、特別に赦してあげるわ。光栄に思いなさい」
相変わらず偉そうな態度で接するノヴァであった。

「せかい……そうえいば、ウィルソンが言ってた下界って言葉に似てるわね
ノヴァは、強くなって、つまらなくなった下界を滅ぼすために居るんだって教えられてたのだけれど、ここの事かしら?」
きょとんとしながら悪びれた様子もなく問う少女
この少女は未だ善悪の基準も教えられる事も無く、
彼女が元居た世界にて、そのつまらなくなった世界を滅ぼすために、その世界を作った神に教育されていた為、
この様な事を異常とも思わず平然と言うのであった。
「乗るって?これにかしら?
っと、もしかしてこれは機械ってやつかしら、ウィルソンから貰った本で見た事があるわ!」
あかりに示された隣の席に乗りながらバギーを見て興味津々に呟く。
ずっと、元の世界の神の城で暮らしていた彼女は、この世界へと飛ばされて初めて見る物の数々に興味を抱きっぱなしであった。
「そうね、ノヴァもちょうどつまらないと思ってた所なのよ。丁度良いわ。
人がいるところ…とは、どんな所なのかしら?」
そうしてバギーにあかりの隣へと乗りながらまだ見ぬ景色に興味津々な様子で問うのである。

「ええ、でも。さっきの握手というやつかしら。特別にしてあげてもいいわよ。」
あくまで偉そうな態度を改めずに、されど、先ほど引っ込められた手を名残惜しそうに見ながら呟くのであった
少女はきっと心の何処かでは寂しいと思う気持ちも抱えているのであろう。
しかし、自身の強がりによって、その気持には自分自身ですらも気づかないのであった。

三枝あかり > 「うん、ありがとうノヴァ」
穏やかに笑って書類に彼女の名前を書いた。

「あはは、滅ぼされるのは困るかな……」
「私が生きている世界だしね」
彼女は本気で言っている。つまり、彼女がいた世界では本当に滅ぼすべき対象である世界が存在したのだ。
それの善悪を語る手段を三枝あかりは持たない。
けれど、この世界の良さを伝える努力はしたいと思った。
「そう、機械。バギーって言うの、街まで歩かなくて済むよ」
「あ、でも銀竜ってことは飛べるのかな……? でも、今日は私に付き合ってよノヴァ」
「一人で荒野を走るのってね、結構退屈なんだ」
助手席に乗る彼女を確認して、自分も運転席に乗り込んだ。
「そうだなー。私みたいな人がいっぱいいる場所だよ」
「強い人も、弱い人も。男も、女も。年よりも、子供も。それ以外にもたくさん」

握手をしてもいい、と言う彼女に笑って。
「うん! ありがとう、ノヴァ」
そのまま彼女と握手を交わして、バギーを動かした。
「安全確認よーし、それじゃ走るよー!」
走破性だけはとにかく高い車両だ、よっぽどのことがなければ事故なんて起きない。
もちろん、安全確認は怠らないけれど。

「ねえ、ノヴァ。ノヴァに家族はいないの?」
「お父さんとか、お母さんとか、お兄ちゃんお姉ちゃん」
走りながら彼女に問いかける。