2016/01/30 のログ
ご案内:「転移荒野」にセシルさんが現れました。
セシル > 「………何だ………ここは?」

荒野のただ中。細身の人影が、呆然と立ち尽くしている。

「…エドワード!クラウス!どこだ!返事をしろ!」

つい先ほどまで、その人物は演習班のメンバーとともに、士官学校からさほど離れていない平原で、演習のための野営の準備をしていたはずだった。
それが、まばゆい光に包まれた後、視界が歪んだかと思えば…
ただ1人、見知らぬ荒野に立ち尽くしている。

「レナード!ジュベール!いないのか!」

人影のない中、声を張って、班のメンバーを呼んだ。

セシル > しかし、その呼び声は、先の見えぬ荒野に吸い込まれていくように消えてしまった。

「…何だ…何が起こった?」

頭を押さえ、自分の身に起こったことを反芻する。
周囲には人影はもちろん、演習のための物資すら見当たらない。

「時空魔術の事故か何かだろうか…皆、無事だと良いが…」

士官学校の魔術科では、卒業研究のために高度な魔術研究が行われているようだし、街の魔術大学も、あの平原で度々実験を行っているという話は聞いている。
…それでも、自分の身と、剣だけが頼りのこの状況は、頼りないことこの上なかった。

セシル > 「あの演習場所の近くにこのような荒野はなかったはずだから、相当遠い場所に飛ばされたか何かしたのは間違いないな。
…まずは情報収集をするべきだろうが…こうも土地勘がないと、どちらに行けば良いのか…」

そう言って、その人物は天を仰ぐ。
困り果てたのではない。天候、風の流れなどから、方角を把握するためだ。
幸い、まだ陽は高く、感想した荒野には晴れ間も見える。しばらくは困らなさそうだった。

「…とりあえずは、あちらに行ってみるとしよう」

そうして、その人物は歩き出す。

そうしてしばらく歩いて、人のいる場所に行き着いた「彼女」は…全く別の世界に飛ばされてきたこと、ここには、自分の知己が誰もいないことを知るのである。

そうして、しばしのやりとりとすったもんだの末に、「彼女」は「常世学園」の庇護下におかれることとなるのであった。

ご案内:「転移荒野」からセシルさんが去りました。