2016/05/11 のログ
ご案内:「転移荒野」にクラージュさんが現れました。
■クラージュ > 少年は荒野に立っていた。
荒野には似つかわしくない、きちんとした正装で。
手にはナイフとフォーク。
フォークの先に お土産のようにくっついているのは何の肉だろうか。
美味しそうに焼けている。
周囲に気がついた少年は……
「ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
このタイミングで転移とかないだろ、ふつー!?
せめて祝賀会が終わってからにしてくれよぉぉぉぉぉぉ!!!」
誰もいない荒野で、心の底からの魂を開放した。
■クラージュ > お腹も空いているので、とりあえず肉を食べる。
じわりと肉汁が口の中に広がる。
ソースはやや甘めでフルーティだが、スパイスがしっかりと味を締めている。
「畜生、もっと食べたかった……」
やべ、涙出てきた。
上向こう。
■クラージュ > 「まぁ、こうなっちまったもんは仕方ない。
またレベル上げるしかないな。
ここに戻ってきたってことは、ここで俺にしかできない何かがあるんだろうし!」
強がりじゃないよ。
強がりじゃないよ。
ちょっと声が震えてるだけ。
「……やばい」
そして、とても重要な事に気がついた。
「装備も所持金も全部ない」
■クラージュ > あたま なし
からだ タキシード(ぬののふく相当
あし くつ
ぶき ナイフとフォーク
所持金 0G
「……」
嫌な汗が流れてきた気がする。
「だ、大丈夫!諦めなければ、なんとかなる!!」
というかなんとかならないと死ぬ。
伝説の勇者の冒険はこうして幕を開けた
ご案内:「転移荒野」からクラージュさんが去りました。
ご案内:「遺跡群」に雨宮 雫さんが現れました。
■雨宮 雫 > 荒野に入って少し、2km位歩く場所にある遺跡。
規模も小さく、既に探索され尽して枯れた遺跡。
名前も無く、管理番号だけが存在する、誰からの興味も引かなくなった遺跡。
そんな遺跡の大部屋の中に、規則正しい間隔でもって、銃声がしていた。
ガーン、ガーン、ガーン
ガーン、ガーン、ガーン
少しの間を置いて、また同じだけ。
■雨宮 雫 > 部屋の入り口付近には中華服を着た小柄な少年が一人。
反対側に浮かぶ……ぼんやりと黄色く光って浮かぶ球形のナニカに向かって拳銃を撃っていた。
リボルバーの6発を撃ち終わると、空薬莢を地面へ落とし、弾丸を装填して構えて、また撃つ。
これを延々と繰り返しているのだろう、足元には結構な数の空薬莢が散乱していた。
■雨宮 雫 > 空気が篭って暑いのか、単純に慣れないことをしている疲れもあるのか、額には汗が浮き。
余り、的に当たらないのに ふー と大きく息を吐いた拍子に前髪が汗で変な風に顔に張り付く。
「あぁもうっ」
それで集中力が切れたらしい。
銃を握って構えていた両腕をだらっと下げると、銃を地面に置いて大きく伸びをした。
「きゅーけい、きゅーけい……だね。」
■雨宮 雫 > 足元の鞄から美味しい水の入ったペットボトルを取り出すと、乱暴にキャップを外して口をつける。
勢い良く水を飲むと、少し零れた分を乱暴に袖で拭う。
ついでに顔に張り付いていた髪の毛を乱暴にかき上げて後ろに流し
「ぷはー、この一口のために生きている、いや生きてないけどだね。
折角練習してるけど、あんまり当たらないねーだね、これ。
高かったのにだね、だね。」
落第街で、何といったか から紹介してもらって購入した拳銃。
自分の手にはグリップは兎も角、銃身がデカく不釣合いな気がする、本当、ちょっと高かった拳銃。
買ったはいいが、こんなものをバカスカその辺で撃つ訳には行かないというか、不法所持なのでここまできたわけだが……
「ココあっつい!
どうせ誰も来ないだろうし、改築しちゃおうかなぁ……」
そうなのだ、誰も来ないから埃はあるし、空気も淀んでいるしなのだ。
■雨宮 雫 > 「遺跡の私的占有ってどれくらいマズいかな?
うーん…………」
殆ど空になったペットボトルを指先で振りながら、ぐるーり、と大部屋を眺める。
部屋の暗がりのアチコチに、小さい翠色の輝きが幾つも幾つも見えるが、それは無視した。
だってそれは……
■雨宮 雫 > キチキチキチ と音を立てる濃い青い甲殻を持った、自分が作った蟲の群れだから。
枯れた遺跡とはいえ、用心にと練習中に周囲を見張らせるために連れてきた蟲の群れ。
仙術で改造し、色んなものを混ぜ、餌にして何世代も重ねて造った自分の玩具。
「まぁ、撃てるだけ撃ったし、もう帰ろうっかなあ。」