2016/08/16 のログ
ご案内:「転移荒野」にクローデットさんが現れました。
クローデット > 転移荒野の××地点。
転移荒野の中でも、特に周辺に身を隠す環境に乏しい荒廃した地面が広がるここは、魔物退治などで不意に訪れる者が少ないだろう場所だ。
それゆえ、安全に実験は出来るだろうと見込んだのだが…

「…装置はもちろんですが、あなた達も無事で何よりでした」

クローデットは、一ヶ月装置を守り続けた「ガーディアン」…すり寄ってくる空舞う魚達の頭を優しく撫でてやる。二尾とも、平等に。

1ヶ月、力を保てるように餌もやりにきていた結果、魚達は実験開始時より少し体長を増やしていた。まさに、健康そのものといったところだろう。

クローデット > 「…お勤め、ご苦労様でした。
また、あなた達の力が必要になるときまで…しばし、お眠りなさい」

クローデットは、両方の魚の、丁度額のうちに指を当てた状態で静止する。
魚達も、それに同調するかのように大人しくその場で「滞空」するような動き方をしている。

「汝ら、神秘によりて生み出されしもの…
しばしその身を原初の揺り籠に横たえ、眠れ…『卵の殻(コキーユ・ドゥフ)』」

魚達の身体が、白い光に包まれる。
その白い光は徐々にその大きさを小さくしていき…最終的に光が消えた時には、クローデットの両掌の上に、それぞれ白と黒の球体が乗っているだけだった。

あれだけ巨大な魔法生物は、空間を繋ぐ「出入り口」を介して出入りさせるのも難しい。
「彼ら」のような性質を持っていれば、尚更だ。

そのため、移動させる際には、このようにして「卵」に封じ込めるのが、クローデットのやり方だった。

クローデット > 無論、あの大きさの生物を複数そのように封じ込めるのは楽ではない。
それでも、このように危険性を秘めた魔法生物を束縛無しで野に放つのは「隙」を生むことになるし、殺してしまうのはクローデットにとって論外だった。
…曲がりなりにも、手ずから生み出した生命なのだから、と。

クローデットの根底の行動原理を理解出来る人間など、ほとんど存在しないだろう。
…何せ、本人がまともに言語化出来る状態ではないのだから。

クローデット > 「さあ、一緒に帰りましょうね」

魚達だった「卵」に、そう優しげな声をかけてポシェットにしまう。
それから、防御術式を解除して機械類を回収すると、クローデットは転移荒野から姿を消したのだった。

ご案内:「転移荒野」からクローデットさんが去りました。