2016/12/23 のログ
ご案内:「転移荒野」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 大方の講義が冬期休業に入った後。
蘭は、「動きやすい格好」「汚れても良い服装」で、転移荒野を訪れていた。

「………寒っ」

吹いた風に、軽く身体を縮こめる。
昼間とはいえ、季節は冬だ。
おまけに転移荒野の天気は、お世辞にも安定しているとは言い難かった。
空には、得体の知れない色の雲が、いくつも漂っている。

美澄 蘭 > それでも、冬という季節が幸いしているのだろうか。
大方の獣がその動きを滞らせるこの季節、露骨に危険な影は、地上にはない。

この世界には馴染みの無いような色の湖、切り立った岩や山の影。
蘭の地元にはもちろん、この島でも人の住まう地域には無いような自然を、蘭はしげしげと眺めながら、あまり声を張らないように気をつけて、転移荒野を彷徨っていた。

(…変な気持ち悪ささえなければ、しばらく見てたいくらいだけど…)

蘭の鋭敏な魔力察知能力は、数々の異世界の気配が漂う転移荒野の中で軽い混乱をきたし…その所有者たる蘭に、ほのかな気持ち悪ささえ与えていた。

そのため…蘭は、空にあった得体の知れない色の雲のうちの1つが、形を変えながら地上に降りてきていることに、しばらく気付かなかった。