2017/05/21 のログ
暁 名無 > 「はぁ、都合よく水着美女とか居たりしねえ……な。」

頭が沸いたような独り言もここまで。
遺跡の一つの入り口に足跡を見つけた俺は、瞬時に辺りを警戒する。
こういう時の思考の切り替えは殆ど昔の慣習みたいなもので、
結局体に染みついた物はどう足掻いても取れないって事なんだろう。

足跡から読み取れるのはまずヒト、あるいは大型の類人猿のものであること。
大きさはおおよそ50cm、まず普通の人間のサイズじゃあない。
ついでに足跡の深さを見てもまず100キロ200キロなんて重さじゃなさそうだ。

「出て、入って……もっかい出て。
 あー、んー……今は中に居ない、か。数は……」

物陰に身を潜ませ、ギリギリまで遺跡の入口へと近付く。
二足歩行の巨体の人型、となると凡その種類は掴めてくるが。
言うまでも無く、そんなの俺一人じゃ到底相手に出来ないのである。えへん。

暁 名無 > どうやら転移荒野に流れてきた巨人が数体、この遺跡を塒にした様子だった。
足跡の数からして3体ほど。内一体は二回りほど他より小さい。幼体だろうか。

「……足跡のそばに何か引き摺った跡があるな。
 トロール……いや、場所が場所だ。スプリガンの可能性もワンチャンあるな。」

真相の程は今出払っている奴らが戻ってくれば自ずと知れるのだが。
生憎と万一見つかった時の対抗策が無い。そもそも戦闘を前提にこの地に来ていない。
然るべき場所に連絡をし、討伐隊を編成して貰うのが一番だろう。

「はぁーっ、水着美女とは正反対の極致に居るようなもん見つけちまったな。
 ……まだ知能がありゃ異邦人街に誘導も出来るんだろうが。」

そこまで知能が高い相手では無い、というのは不必要に崩れた遺跡の入口を見て判断がつく。
多分、中に入る際に狭かったのを無理やり押し広げるか得物で打ち壊すかした痕跡だろう。
俺は懐から煙草を取り出すと、辺りの様子をうかがってから火を着けた。

暁 名無 > 一息ついてから煙草から立ち上る煙を身にまとう。
空気中の水分を魔術で弄って即席の迷彩を編み上げ、俺は静かにその場から移動を始めた。
巨人に見つかる事は勿論、他の生物と鉢合わせるのも面倒だ。

「前々から思ってたけど、この術女湯とかでも使えねえかなあ。」

生憎と煙草によって魔力を増幅させてるので、高湿度の浴室なんかじゃ碌に機能しないんだけどな!
まあでも上手く改良すればワンチャンありかもしれない……。

とかまあ、そんな事を考えながら俺は安全が保障されてる地帯まで逃げ帰り、
そのまますぐに学校へと連絡を入れるのだった。

遅くても来週中には討伐隊の編成は完了する事だろう。

ご案内:「遺跡群」から暁 名無さんが去りました。