2017/09/26 のログ
ご案内:「転移荒野」にレンタロウさんが現れました。
レンタロウ > 見渡す限り、雑草の一本も生えていない荒野。
異世界から様々なモノが転移してくる此処に、今日もまた新しいモノが転移してきていた。

「…………んん…」

モノと言っても無機物ではない。かと言って、魔物でもない。見た目は至って普通の人間のそれだった。
意識を失っていたらしく、動きだしが随分と緩慢だったが怪我をしているわけではないらしい。
仰向けから上半身を起こした体勢になって、辺りを見回した。

「………む?見渡す限りの荒野…此処は一体…というか、俺は一体?」

何故、こんなところで倒れていたのだろうかと思い出そうとしたところで、
目を覚ます前の出来事を何も覚えていないことに気付いた。

レンタロウ > 「………これはもしかすると、記憶喪失、というアレか?」

その場で胡坐を掻き、腕を組み、自分の状態と考察してみる。
自分の着ている服を見ても、傍に落ちていた軍刀と軍帽子を見ても、まるで何もピンとこない。
とりあえず、自分のものかもしれないので手に取って、ゆっくりと立ち上がる。

「…うむッ!きれいさっぱり、まーったく何にも思い出せんッ!
 いやはや、これはまいったなぁ!ハーッハッハッハッハッハッハッハ!!」

目に見える景色に関して、見た記憶も懐かしい感覚もしない。
どうやら、本格的に自分のことを忘れてしまっているらしいと分かると、良く響く大きな声で高笑いをした。
その後で、手にした軍帽子を頭に被り、服について土埃を手で払って、堂々と腕を組んで仁王立ちする。

「まぁ、失くしたものを何時までも悔やんでも始まらんしな。」

レンタロウ > 「さて。」

立ち上がったことで少しだけ視線も高くなった。
遠くの方に何か目立つものは見えないだろうかと、前後ろ左右と顔を向けてみる。
あわよくば、現在地が分かるような物をと期待をしたのだが

「………うーむ、見回す限りの荒野だな。」

文字通りに何も無い。
あっても小さい石ころで、投擲する程度の役にしか立たない。
それを蹴り飛ばしては、探すものを変える。

「高い所から見てみれば…また少し違うのだろうがな。」

視線を高くすれば、また見えるものも変わってくるだろうと思ったらしい。