2015/06/09 のログ
ハナノメ ココ > (大きく息を吐きながら立ち止まり、夜空に懐中電灯を向けた。真っ黒の木々の間から見える夜空はこの上なく、美しかった。)

(その美しさはそのまま、人の文明からの距離を物語っているようにも見えた)

ハナノメ ココ > (こみあげてくる命の危険の香りにつられて、胸が疼いて、うずくまった。深呼吸。)

「大丈夫……大丈夫、大丈夫……」

(自分に言い聞かせるようにして、じりじりと立ち上がる。足を引きずるように、正しいかどうかもわからない方向へと歩き出す)

ハナノメ ココ > (目を閉じて、できるだけ自分の体力が回復していくイメージをしながら、少しずつ歩く。この状態をどうすれば解決できるか、思いを巡らせた)

「最悪、野宿すればいい……朝までなんともなければ、道ではあるし、人と出会うことは出来そう……でも、流石に寝袋とかはないし……」

(その瞬間、木々の奥から動物の鳴き声が聞こえた。)

「……!」

(体がこわばる。距離はわからない。だけど、その闇の奥に自分以外の生き物がいるという事実が押し寄せる。吐き気すら伴う恐怖だ)

ハナノメ ココ > 「ハアッ! ハアァッ……! ンッ……!」
(荒くなる呼吸を必死に飲み込んだ。)

「げほげほ!」(涙が滲む、どうしてこんなことになったんだろう。って言葉がもう何度目かわからない数頭のなかをめぐる)

(物音が消えたとき、自分の手袋に小さな穴が空いているのが見えた。自分の"変化"が手にまで及んでいたらしい。今はそれどころではなかったにしろ、そのことが余計に辛く思えた)

ご案内:「青垣山」に風間蒼介さんが現れました。
風間蒼介 > ……ぬ?
(少し買い物をしすぎたせいで財布がいささか寂しく、食費節約のためにたけのこを掘ってさあ帰ろうか…というところで聴覚に何かが引っかかった
 遠い…そちらに耳を澄ませば荒い呼吸…どう考えても何かに追い込まれている人間の声だ
 それも変声期前の少年か、少女か…判別は付かないが楽観できないタイプの声には違いない)

誰か居るでござるか?
(追い詰められていた場合音に過敏になっている可能性がある。遠くから声をかけながら、木々の枝から枝へと跳ねながら声の発生場所を探し)

ハナノメ ココ > 「!?」
(だれか、人間の声らしい音がして、ソッチの方へと振り向いた。しかし、闇の中、ココにはまだその人影を見つけられない)

「だっ……誰かいるの……!?」

(最初に、自分の幻聴を疑っていた。助けてもらえるはずなんてない……どうせ、この声も虚しく闇に溶けて、帰ってくるのは静寂だろう、そういう覚悟を抱きながら、虚空に向かって問いかけた)

風間蒼介 > ……捉えた!10秒ほどでそちらに向かうでござるよ
(場所を割り出せば素早くスマホを取り出し操作、画面に複雑な陣図を浮かべ輝けば自身の持つ風の異能を強化、拡大化
 少女の周囲にだけ声を届かせる風間神伝流忍術初伝木霊の法
 宣言どおり十秒後、草木を書き分け濃紺の忍び装束に身を包んだ少年が目の前に降り立つ)

っと、お待たせいたした。大丈夫でござるか?
(見れば山歩きに向いているとは言えない格好の少女
 安心させようと両手を掲げ害意がないとアピールを)

ハナノメ ココ > (「10秒ほどでそちらに向かう」さっきとは違って、はっきりとした声だった。まるで目の前にいるかのようなその声に、ココは安堵するよりも、先に驚いた)

(必死にその声の主を探していると、目の前に人が降り立ってきた。上から来るとは予想外、なにもかもが、ココの想像の斜め上を行き、自分の安否を問う言葉の意味も、理解できていない)

「あ……あ……」
(言葉にならない言葉を出しながら、蒼介をふらふらと指差す)

風間蒼介 > あ……
(驚いたというか怯えたというか、そんな表情を向けられてようやく気付く
 今の自分は闇に溶け込むような忍び装束に身を包んでいたという事
 そしてどうも忍者というのは無慈悲な暗殺者的なイメージがあるという事に)

え…えっと、拙者しこたま怪しい格好してるでござるが害意はござらんからな?
どうしたものか……あ、飴舐めるでござるか?
(わたわたと挙動不審げに掲げた両腕を振り回した挙句、出てきたのは完全に子供をなだめるような発想の飴玉であった
 蜂蜜と生姜を練りこんだ滋養強壮系の忍者装備なので一応状況にそぐわない事も無いが)

ハナノメ ココ > 「あ……飴……?」
(差し出された手をみる。確かにそこには、飴のようなものが確認できた。)

(徐々に、目の前にいる人物が、自分以外の、この山にいる人間なんだということがわかってきた。そして理解でき安心したと同時に、感情が昂って、涙があふれてきた)
「ふぐっ……! わたし……わたし……!」

(飴玉に目もくれず、目の前の装束を来た人物に抱きつこうとした。満身創痍の身、倒れこむような動きだ……)

風間蒼介 > ぬぉ!?
……っ!
(反射的に倒れこむ少女を抱きとめ、一瞬遅れて状況を認識してパニくりそうになる
 が、すぐに怯え震え泣きそうになっている事に気付けば深呼吸、頭の中のスイッチをパチンと切り替える)

うむ、夜の山は怖かったでござろうな?大丈夫大丈夫、拙者山歩きには慣れているでござるからな
このまま夜を明かすも降りるも大丈夫でござるよ?
(倒れそうな体を支え、背中を何度かぽんぽんと叩いて。正しい鼓動の打ち方を心臓に教えるようなリズムで)

ハナノメ ココ > 「わ……私……もう……なんでこんなことになったのか……ごめんなさいごめんなさい……」

(泣きじゃくりながら、蒼介に顔をうずめる――それも人目を気にする余裕もない言葉にならない言葉を連呼しながら)

(しばらく泣かせてもらった後、少し顔を離して、自分を介抱してくれた人のことを見た)

「あ……忍者さん……そ、その……ありがとう……ございます……もう大丈夫です」

(泣きじゃくって抱きついたことに、だんだん恥ずかしくなってきたようだ。暗くてわかりづらいが、顔は真っ赤である)

風間蒼介 > 山は古来より異界とか言われてるでござるからなあ
まあしゃーなしでござるよ、失敗した分は怖い思いで十分ツケ払ったでござろ?
謝る必要なんて無いでござるよ
(乱れた呼吸が落ち着くまで背中を撫で、落ち着いてくればゆっくりと両腕を緩め離れようと思えば離れられるように)

うむ、拙者風間蒼介でござる。
それで…どうするでござるか?
歩けるなら先導するでござるし、歩けそうに無いなら夜を明かせそうな場所を探すでござるし…
歩けそうに無いけど帰りたいのならなんとかするでござるよ
(少しずつ落ち着いてきたようではあるがまだ混乱は続いてるだろうと判断して、こちらから選択肢を提示するような問いかけを投げかけ)

ハナノメ ココ > 「こ……怖かっ……」(自意識が戻ってきたのか、恥ずかしがったらしく、途中で言葉を切った)
「…………はい。つっ……次は気をつけます……すいません」

(蒼介の腕の力が優しく緩まったように感じたココは、その手を離し、そっと後ろに下がった)

「かざま……そうすけさん、あの……ありがとうございました。もうどうなるかと思いました……」

「私は高校1年のハナノメココといいます。一応歩くことが出来ますが……今自分がどこにいるのかもわかっていなくて……どっ……どれくらい歩けば電車まで戻れそうなのでしょうか……」

(ふもとかもしれないし、山奥かもしれない。あてもなく、自分の歩いた道がどれもかもわからなく歩いたココには、それが全くわかっていないので、蒼介のほうがずっと詳しいだろう)

風間蒼介 > まあ、何事も無かったのならそれでよしとするでござるよ
(説教をする事は簡単だが軽い注意でもメンタルに圧迫感を感じさせてしまいそうな様子を認めれば殊更気楽げにヒラヒラと手を振って)

ああ、拙者も一年生でござるし楽に……あーここ年齢ばらばらでござったな……まあ楽にして欲しいでござるよ
ふもとまでは…難しいでござるなあ、ハナノメ殿がどの程度歩けるかによると思うでござるが…
ゆっくり歩けば2時間はかからんのではござらんかなあ?
(そのゆっくり、もちゃんと歩けること前提なのだが、ともかくそれくらいかと)

あ、怪我とか不調、ないでござるか?
(ふと、手元の手袋に穴が開いていることにめざとく気付けばどこかで引っ掛けたのかと)

ハナノメ ココ > 「あ……そうだったんですか……」
(1年生であるということを知ったことや、その明るい、こちらを気遣ってくれているような仕草から、蒼介に対し、信頼してもいいような気持ちを抱き始めた)

「に、にじかん……? えっ、そんなにかかるんですか……電車何時までやっているんだろう……というか、もし風間さんと会わなかったら……私、どうなってたんだろう……」
(いつかはたどり着ける、それだけ考えて闇雲に歩いていたココは、自分の今いる位置を想像して、青ざめた)

「怪我は……擦り傷とか――」
(蒼介の視線が手袋の穴を見ていることに気がついて、さっとその手を引っ込めた)

「だけですが、大丈夫です……が、頑張って歩くので……連れてってください……」

風間蒼介 > 今年入ったばかりの16歳でござるよ。まあ口元隠してたら年齢判りにくいでござるしな
(そういう問題ではないのだが笑い声をあげ)

山は直線距離では計れんでござるからなあ…歩きやすい道を探してルート作ると結構遠回りになるんでござるよ
それにこう暗いと足元を確保しながら歩かないと危険でござるし…
直線距離的にはそんなに無いから…大丈夫でござる
(この様子では異能なしかあまり護身的に役立つタイプではないのだろうなと当たりを付け
 不安にさせるような事はなるべく口にしない事に)

了解でござる、では……あ…
頑張る必要があるならもう一つだけ手段がござって…
拙者結構、脚力には自信があるでござるが…
(背負って歩くなり跳ぶなりすればかなり時間を短縮出来る事に思い至って
 方法が方法だけに強く勧めるのも…と控えめに)

ハナノメ ココ > 「16……わたしの1個上ですね。でも良かった。学校の人と会えて……忍者さんなら、きっと山も慣れてるんでしょうね」
(笑い声につられ、ココも傷だらけの顔で、微笑んだ)

「う……すいません、一般人で……この学園、皆すごい人ばかりで……普通こんな何もない山でこんなことになりませんよね……うう……」
(気遣われていることを強く感じ、少し落ち込んだ)

「腕力……?」
(少しの間、その言った意味がわからず、その腕を見つめていた。しかし、その意味がわかった途端に、大げさに驚いて見せる)
「ええ!? いやいやいや悪いじゃないですかそんなの! 私重いですよ! 無理ですって!」
(両手をぶんぶん振りながら、顔を赤くして、後退る)

風間蒼介 > お、割と年近いんでござるな。この学校上級生が一回り年下だったりするでござるからなあ……
いやぁ、慣れているというかなんというか……服だけは許してやるって着の身着のままで山奥に放置されて一週間サバイバルとか平気でぶちかましてくる里でござってなあ……
(最終的にどんどん装備がアップグレードされていって熊との対決が…と続けようとした所で顔の傷に気付いて
 ハンカチに水筒に入った薬草茶を振りかけ差し出す。ちょっとした消毒効果はあると付け足し)

いやいや、専門の知識か訓練なしなら誰だって危ないでござるよ?
まあ体力だけで突っ切る戦車みたいな御仁も居るんでござろうが……

実はサイボーグで120kgくらいあるとか言われない限り平気でござるが…
あ、いや、うむ、初対面の異性にしがみ付くとかなかなかハードル高い要求でござったな!
こちらこそ失礼いたした!しかし決してやましい気持ちは…あ、これ言い訳した方が怪しさ重点でござるなあ!
(入れたスイッチが若干戻りかけてわたわたと手を振ってごまかす。
 拙者非常時に付け込むような男に見られたら致命傷でござるしなあ!と)

ハナノメ ココ > 「ほ……ほええ……? すごい……本当に忍者なんだ……あ、ありがとうございます……」
(礼を言い、黙って手当をうけた。忍者であるその経験や、今ここに助けに来てくれている事実から言っても、それを断る道理は全くなく、むしろココの中では、尊敬の念が高まっているようにも見えた)

「…………」
(しばらく、呆然とつったって、無言で蒼介の慌てっぷりを見ていた。自分が謙遜で断っただけだったというのに、その謙遜は明後日の方向に受け流され、何故か目の前の忍者が逆に私に対して言い訳をしている)

(そのことが、ココには面白くなってきた)

「ぶふっ……」
(だからつい、吹き出してしまった。さっきまで恐怖で泣いていたとは思えない、底抜けの笑い泣きだった)

「あははは! いやっ、あっ、ごめんなさい!」

「でも、本当に……いいんですか?私きっと重いですよ……その、見た目よりは多分」(口に手を当て、笑いを抑えながら、蒼介の目を見て聞く)

風間蒼介 > うむ、リアル忍者でござるよ
大ガマなんかは召還できぬでござるがそれっぽい事は一通り出来るかと……
ふぇ?
(突然ハナノメが笑い出すとあっけに取られたようにきょとんと
 拙者何かおかしな事言ってしまったかなあ…と頭を捻っていると謝られ
 状況がつかめずに疑問符を浮かべるばかりで)

鍛えてる系女子にござるか?まあ筋肉は見た目より重いでござるが…
どちらにしろ平気でござるよ
鍛えてござるしな
(ぐっと力こぶを作って見せ…ゆったりとした忍び装束ではいまいちアピールにならず気まずげに…
 さっと切り替え背中を向けるとしゃがんで、どうぞと)

あ、高いのとか速いの、平気でござるかな?

ハナノメ ココ > 「おお~……忍者……忍術……気になる……けど、今はそれどころじゃないか」
(いつもであれば、どんな忍術があるのかなど聞いてしまいそうであったが、自分の体力がそれを許さなかった。なんだかんだ言うが、山を歩き続けたので、立っているのも辛い状態であった)

「私は……その……あまりダイエットとか……できてなくて……」
(消えいるような声で申し訳程度にいいわけした)
「でもその……よろしくお願いします」

(軽くぺこりとおじぎして、背中の前に立つ。おそるおそる、肩に手をかける)
「だ……大丈夫です……!平気……です!」

(力強い声で言ったが、あきらかに強がっていた。あまり早く動いた経験も、高く飛んだ経験も、ココには一切ない。どうなるか彼女自身にも想像はつかなかったが、とりあえず、強がることしか出来なかった)

風間蒼介 > なら帰ったらまた学校で披露するでござるよ
奥義系の大技は勘弁でござるけどな
(だいぶ余裕が戻ってきたようで、ほっと一安心しつつもおどけた調子は続けて)

ぬぅ、女子はダイエットとかよく言うでござるがハナノメ殿は別にそんな必要無いように見えるでござるがなあ…
健康的が一番でござるよ?というか男子的には体重とかそんな重要な要素ではござらんしなあ…常識的範囲に限るでござるが……
って、軽っ!重いって言うから身構えたらめちゃ軽でござるよ!?
(背中に手がかかれば脚を抱え込み背負って…気合を入れた割りに想像以上に軽くてガクっとなりそうに)

よし、では行くでござるよ
(と、一声かけるとふわりと風が渦巻き周囲を包み込み……タン、と地面を蹴ると垂直に5mは飛び上がる。
 続けて近くの木の枝を足場にトントンと跳躍を繰り返しつつ、風の結界で細かな枝を跳ね除けつつあっという間に梢の向こう側に飛びぬける
 遠くには街の明かり、空には星と月光、暗い森の中から飛び出せば意外と近場にふもとがあると判るだろう)

ハナノメ ココ > 「ええ……」(スッと持ち上げられ、気持ちがフワフワしているが、ソレに加え、軽いと言われたことに驚きというか、恥じらい。嬉しさが混じった恥じらいを感じて、何も言えなくなった)

(……しかし、本当に何も言えなくなるのは、その次からだ)

「えええええ!?」
(あまりにも素早い身のこなし。その技術に感嘆する暇もない、見たことのない視界の移動。世界がめまぐるしく動き、何も見えない。わけがわからないと考える余裕もない、知らない世界!)

(突然、視界が大きく開ける。浮遊感。一面に広がる瞬く輝きに、ココは思わず息を呑んだ)
「――綺麗」

(思わず言葉が溢れる。もっとも、その余裕があるのも、この一瞬だけだろうが)

風間蒼介 > あ、大丈夫そうでござるな
人間縦移動には慣れてござらんから向き不向きがあるんでござるが
ハナノメ殿はそういう方面に適正があるんでござろうなあ
(周囲を取り巻く風の力を調節して顔に風が当たらないように気をつけ、足先から放出し跳躍を繰り返す
 最初こそ枝を揺らしていたが二人分の重さに慣れればほとんど枝を揺らす事無く、蹴るどころか乗るだけでも折れそうな枝すら足場にして空を滑るように山の斜面を下っていく)

大丈夫でござるかー?
(一応速度はある程度抑え、上下の揺れや跳躍時の反動が伝わらないようにしてはいるが
 それでも普通の人間は経験し得ない高度と速度だ
 辛そうなら調整する必要があるだろうと)

ハナノメ ココ > 「ふおおおおお…………」
(時折全身を襲う浮遊感と感じたことのない重力に声にならない声をあげる。)

「だ……大丈夫です!」
(それでも、だんだん慣れてきたようだ。最初こそ叫び声をあげていたが、ある程度同じような動作が連続すると、人間、嫌でも対応できるようになるらしかった)

「なんていうか、おもっていたよりもー!」(叫ぶように言う)

「風の抵抗とか、揺れとか、少ないですねー!」

(気持ちが慣れてくると、その速度や高度にしては、安全すぎるような気がした。それを考えられるくらいには、気持ちが落ち着いてきたようだ)

風間蒼介 > まあその辺は拙者忍者でござるからなー風に関しては異能でござるよ
(自分をつつむ風の流れを微調整して、声を届けたのと同じように整えれば耳を打つ風の音が和らぎ、声がはっきりと聞こえるように)

んーっと、大丈夫そうでござるし、ちょっとばかし近道するでござるよー
(木々の枝を伝うという移動法のせいで植生にそってしか移動できないが
 彼女が平気そうならば…崖になっている方向へとまっすぐに突き進み…)

風間神伝流忍術 中伝が雷遁・空駆け
(何も口にする必要はないが、忍術という話題に食いついてた彼女の態度に気を良くして口にしながら宙に身を投げ出し
 直後、足元に電磁レールを生み出しその上をスケートの滑走のような姿勢で滑っていく
 支える力を失う前に飛び上がり、次のレールを生み出し乗り継ぎ…文字通り宙を滑る移動で崖をやり過ごせばまた木の枝を足場にして…
 どれほど移動したか、だんだんと木の生え方がまばらになり、駅の光が見下ろすのでなく遠くに見える程度の距離に)

ハナノメ ココ > (まるで大雨の日、店内に駆け込んだ直後のように、突然会話が聞こえやすくなった)
「忍者……そして異能……風に関する異能? すごい……!」

(近道、という言葉に不思議に思った。ただでさえ道なき道、もとい空を道としているのに、何をこれ以上に近道する術があるのか……とおもいきや、突如崖から投げ出される視界。)

(思わず声を上げそうになったが、すでにココは蒼介のことを信頼していた。きっとどうにかするのだろう、そういう気持ちが先立っていた。)

「す……すごい……」

(想像通り……いや、想像以上の彼の荒業に、目を丸くする。もはや空の散歩だ。そう思った。目的地の駅がようやくココにも見え、帰ってきたんだという気持ちが高まっていく)

風間蒼介 > (足元が土ではなくアスファルトに変わってくれば足場となる木々も消え。緩やかに減速すれば早足で歩く程度に
 時間にすれば20分も経ってはいないだろう)

ふぅ……いやはや電車がなくなるような時間にはなってないようでござるな
大見得切って終電すぎてたらちょっと情けなさ炸裂するところでござったよ……
体調のほうは大丈夫でござるか?結構長いこと彷徨っていたようでござるけど

(警戒が必要な場所を抜ければほっと一息、時間という限られたリソースに余裕が生まれれば後回しにしていた心配事を気にして…
 もう少し歩けば後は駅で電車を待つだけだろう)

ハナノメ ココ > (駅の光がまぶしい。それは紛れも無く文明の光。もう大丈夫なんだという気持ちが全身にめぐると、安堵で腕の力が抜けた)

「良かった……うん、大丈夫。全然大丈夫。感謝してもしきれない……ていうか、その……」
(脱力して、少し舌が回っていない。聞き方によっては眠そうなのかとも思える声で言った)

「命の恩人ですね……本当にありがとう……」


「もう大丈夫……歩けます……」

風間蒼介 > まあ拙者通りすがりゆえその辺は儲けものとでも思ってくれれば……
あ、も、申し訳ござらん!なんかもう背負ってる感覚忘れるくらい馴染んで忘れてござった!
(他人を背負うという重心が変化する中でなるべく体を揺らさず枝を揺らさないように飛ぶのは実のところ新しい経験で
 その習熟に夢中になっていた節があるというのは内緒だ
 しゃがみ込むと彼女を地面に降ろして)

まあ、すっかり夜更けでござるし途中まで送るでござるよ
(人通りが出てくると流石に忍び装束は目立ってしまいそうで
 胸元を掴んで引っ張ればばさりと装束が脱げ、下から学ランを着込んだ姿が現れる
 どう考えても一挙動で脱げるわけのない服装であり、重ね着などどう考えてもしていなかったはずだが、これもいわゆる忍者早着替えであった)

ハナノメ ココ > (下ろしてもらい、地面に足をつける。山の奥や空の上では忘れていた足の怪我の痛みが蘇り、一瞬ふらつくが、すぐに姿勢を戻した。これ以上心配されたくはなかった)

「あはは……でも、私なんて本当に居ないみたいな……そんな素早い動きでしたね……忍者ってすごいなぁ……」
(力なく笑い、服を整える)

「ありがと。じゃあ――」
(その瞬間見たのは忍者の早着替え。人間業ではない。ただ、もうそれに対して大きな反応を示す元気は残っておらず、ただ一言)

「――わお……」

「なんていうか……あれですよ。」
(駅に向かってとぼとぼ歩き出しながら言う)

「私……今も死にそうだけど……忍者見れたからラッキーってくらいに、感動してますよ……」

風間蒼介 > いやぁ、ははは、そう言われると照れちゃうでござるよ
授業以外で使う事ないから張り切ってしまったでござるし
(空駆けはどう考えてもいいところ見せたかっただけでござるなあと自己分析して
 力をひけらかしたがるとは未熟…なんて思うも、いい気分なのは確かで)

…って、そんな弱ってるでござるか!?
拙者冥土の土産になるようなレアリティないでござるよ!?
無理そうならちゃんと言うんでござるよ?
家まで背負うくらい拙者の忍者タフネスなら余裕でござるから
(あまり強く言っても遠慮させるだけだろう、と腕組みしてため息をついて)

ハナノメ ココ > 「ああ……そういえば、山の中で言っていた、その……忍術……」
(力なくにこっと蒼介の目を見つめて)
「もしよければ……今度教えて下さい。私その、興味があって……本当に、もしよければ……ですけどね。いろいろ……見たいなって。失礼な話かもだけれど」

(じわじわと進み、やがて駅の入り口についた。蒼介の優しい言葉を遮るように言う)
「電車降りたらすぐだし、明日は午前中授業もないから……大丈夫。ありがとう。今度、正式にお礼をするね。」

(電車が来るタイミングまで少し待つが、それほど時間を置くことなくくるだろう……)

風間蒼介 > む、忍術でござるか……そうでござるなあ。流石に深い教えを門外に出すのは難しいでござるが
基礎的な体の動かし方なんかは教えられるでござるよ
(自分が頭首を継いでいればもう少し裁量は自由になったが…
 いや良く考えたら生まれた時から体を弄ってなければ奥伝には触れられないから平気か?などと頭の中で算段をつけて)

まあ拙者の使う忍術は異能の扱い方なんかも関わってくるでござるし、その辺も役に立つかも知れんでござるな
(もしかしたら本当に「見る」だけで良いのかも知れないが。なんとなく言葉の底に芯のようなものを感じて)

いやいやいや、正式な礼なんていいでござるよ。拙者女子からありがとうなんて言われたらそれだけで明日も戦い抜けそうな気分でござるよほんと
(ぶんぶんと両手と首を振って。そういった感謝には慣れていないのか焦りの色すら浮かべ…
 そうこうしているうちに電車が来るというアナウンスがホームに流れ)

ハナノメ ココ > 「あ……ごめんなさい。単にその……興味があるってだけで、その中身までってわけじゃなくて……
本物の忍者さんと会うの初めてで。だから例えば今日みたいに、見せてくれるだけで……大満足します……!」

(少し興奮気味になったが、いかんせん体力はない。すぐに意気消沈した)

「でもじゃあ……同じ一年だったら、いずれ会うよね。お昼ごはんでも一緒にできたら……」

(そこでアナウンスが流れた。そろそろ改札に入らなければならないようだ。話を区切って、ココは振り返り、駅の中へと入っていく)

「何度も……言うけど、今日はありがとう! 山には気をつけます……じゃあね! 風間さん!」

風間蒼介 > あ、そういう…拙者早とちり恥ずかしい
(ぺしんと自分の額を叩いて)
まあそういう事でござるならいくらでも構わんでござるよ
見た感じ満足できそうな派手なの見繕っておくでござるよ

む……なんたる青春イベント…了解でござる。そういう事ならば喜んで
うむ、それではおやすみでござるよハナノメ殿
(改札に消えるハナノメを見送れば大きく伸びをして)

あんな別れしたら拙者男子寮住まいゆえそっちの方向でござる…なんて言えないでござるよなあ…
(次電車を待つくらいならば、と建物の間をジグザグに蹴りあがって夜の街へと消えて行った)

ご案内:「青垣山」から風間蒼介さんが去りました。
ご案内:「青垣山」からハナノメ ココさんが去りました。
ご案内:「青垣山」に白黒狐さんが現れました。
白黒狐 > ……。

[夜の闇の中。一匹の狐が、一本の木の周りをぐるぐると。
ゆっくりとした足取りで回っている。]

白黒狐 > [時折、すん、と鼻を鳴らし。
また回る。すん、と鼻を鳴らし。また回る。]

ぅ。

[バターになるぞ。誰かに言われた言葉。
思い出したか、小さく唸り、足を止める。
そして、伏せの姿勢になれば、尻尾をぱたりと一回うねらせた。]

白黒狐 > ぅぅー。

[すん、と鼻を鳴らし、今度は唸り声をあげる。
ごろりと寝そべれば、少々不服そうに尻尾を一回ぱたりと動かした。

――この木から自分以外の匂いがする。

自身の縄張りというわけではないが。
どうにも、自身の居心地が悪いような気がして。
気になる。気になる木ではないが、気になる。]

白黒狐 > ……。

[ゆっくりと起きあがり。目を瞑る。
暫し、考え事をするかのように、首を傾げながら。
静かに佇む。そして。]

[がり。がりがり。
目の前の木を自身の爪で掻く。小さな傷が残る。]

白黒狐 > ふ。

[これで良しと言わんばかりに尻尾を一回うねらせた。
なんとなく。ここに自分はいる、と。
アピール的なモノを残したかったのかもしれない。

いつごろからか、「バターになるぞ」と言った人間も来なくなってしまった。

――つまらない。]

ご案内:「青垣山」から白黒狐さんが去りました。