2015/06/22 のログ
ご案内:「青垣山」に桜井 雄二さんが現れました。
ご案内:「青垣山」に三千歳 泪さんが現れました。
桜井 雄二 > (二人でハイキングに青垣山に登ることを決めていたものの)
(その日は午後から二人とも授業が入っていなかったので早い段階で成立)
(そして現在に至るが)…神獣とか出たらどうする、三千歳泪。
(入山する際に見た『異界注意』という見慣れない看板が少し不安を煽った)

三千歳 泪 > 世界の片隅のこの小さな島に山と呼べそうなものは数えるほどしかない。そのひとつ。青垣山。
遊びに来るのははじめてだ。もちろん仕事できたこともない。どうして? 直すものがないからだよ!

「うーん…神獣って神さまの使いの獣でしょ? 知ってるよ! 奈良県によくいるやつだよね。しかせんべいをあげよう!」

桜井 雄二 > それはシカだ三千歳泪。(桜井雄二の背負い物は大きい)
というか……シカは奈良県の神獣だったのか。知らなかった。
(胸ポケットから取り出したメモ帳に書き記す)
(デートというより登山的な万全の備えをしてきた桜井だった――――これで大きめの酸素ボンベを準備していたら完璧に登山家である)

三千歳 泪 > 「いじわるしたら罰が当たるんだって。なんたって天然記念物だからさ! でもきつねも猿もへびも牛もホーリーなビーストなんだよ」

歩きながらメモを取ってる。あいかわらず几帳面ですごく変わってる。でも器用だなって思います。桜井くんはメモ魔なのだ。

「最近いっつも同じメモ帳使ってるよね! 気に入っちゃったんだ? 君の部屋はきっとメモ帳だらけ。寝る場所もなかったりして」

遠野の山ガールは伊達じゃない。沢登りできるくらいの装備は揃えてきたから、君の足をひっぱることはないはず。

桜井 雄二 > さすがにシカに意地悪をした経験はないな…
(話を聞くと難しい顔をして)…牛はよく食べるな。
これはいじめている範囲に入るのだろうか………?

(メモ帳を閉じて)これはまだ常世学園に来て9冊目だ。
俺の部屋は普通だよ。ゲームがあって、本棚があって。(ポケットにメモ帳を入れる)

さて、今日の予定だが。景観のいいところでお弁当を食べる。
あとは気分が乗れば頂上を目指す。体調を崩したりアクシデントがあれば即座に下山。
以上だ、何か質問はあるか三千歳泪?
(この日のために揃えたのか新品の登山靴で一歩一歩踏みしめて歩いて)

三千歳 泪 > 「え、意外。けっこう少ないね! いっつも何か書いてるのに。不思議だなー。で、ベッドの下には秘密のお宝がある?」
「桜井くんはさ。忘れることがいや? 私は平気だよ。なにかのはずみに思い出せればそれでいい」
「消えちゃうんじゃなくて、深いところに沈んでいくだけ。よく目を凝らせば見えるはず。きっと見つかるから大丈夫」

メモ帳に手を伸ばそうとして、しまわれてしまった。気になるなー。どんな秘密が書いてあるんだろう?

「ないアルヨ! けどある。やっぱりあるある! 歩きながら話そっか。私が知らない私の話をさっ」

桜井 雄二 > 分厚い手帳にギッシリ書いているからな。
(ベッドの下に言及されるとしばらく沈黙が支配して)
ベッドの下には何もない………ぞ。(無表情ながら焦りの見える声音)
そうだな……そうなのかも知れない。
……また記憶を見つけ出せるのであれば、何度でもこの学園のことを思い出したい。

……ああ、聞かせてくれ三千歳泪。お前の話を。
(相手の横顔を見て)でも三千歳泪が知らない、というのは不思議な言い回しだな。

三千歳 泪 > 「ふーん。そっかーそういうこと言っちゃうんだー? これは絶対なにかある顔だよ」
「じゃあさじゃあさ! 見にいってもいい? このままお邪魔しちゃおっか」
「うんうん、それがいいね! 何もないなら平気なはずだし、これは潔白を証明するチャンスなんだから」

興味がなくもないけれど、結局はただ困らせてみたいだけ。本当の君はすごく人間くさいのに、もったいないと思ってるから。

「言い方を変えると、君だけが知ってる私の話。時間旅行の騒ぎの日。君を送りだしたあとのことを私は知らない」
「言ったはずだよ。私はきっと行こうとするはず! どうやって引き止めたのさ?」
「君はあんまり器用じゃないから、失敗する可能性だって十分ありえた。私としてはそこが不思議なわけだよ。一体なんていったの?」

冒険譚の一節でもせがむように、無邪気に笑って聞いたのだと思う。私の推理が正しければ、失われた記憶は彼が持ってる。

桜井 雄二 > 待て、待て! 落ち着け、落ち着くんだ……落ち着こう…
(ダラダラと嫌な汗をかいてそれを拭う)
ま、また今度な……(そう言って視線を外した)
(彼も健康な男児である、しかし男子寮住まいで隠し場所が安直になっていることを後悔した)

ああ……あの日の話か。(頬を掻いて)
そのだな……すまない、三千歳泪。(頭を軽く下げて)
キスをして、抱きしめた。それで『お前の未来を愛している』と告げた。
それで、あの時間の三千歳泪は理解してくれたようだ。
(頬が赤く染まっている、彼にしては珍しい感情の発露)

三千歳 泪 > 「ふむふむ! なるほどなー。思いきったことするね! でも傑作。微妙によくわかんないのが最っ高に君らしいよ!!」
「どうして謝るの? それが悪いことだと思ってるなら大間違いだよ! むしろ謝っちゃいけないとこだよねそれは。謝って!!」
「第一さ、何してもいいって言ったはずだよ。君はその通りにしてくれただけ。私のためにも謝らないでほしいな」
「で、ここからが肝心なとこだよね。白馬の王子様みたいなまねをしてくれた君に私はなんて返したの? どんな反応してたのさー!」
「気になるなー。私は私だからだいたい想像つくけど。でも言って。本当のことを知ってるのは君だけだから。それだけじゃわかんないよ桜井くん!」

自分のことなのに知らないなんてもどかしい。私は私で、きっと最善を尽くそうとしたはず。顔をのぞいて続きをせがんだ。

桜井 雄二 > ……あの時は必死だったからな。(景色を見る)
俺は口下手なほうだから、心にある言葉をそのままぶつけることしかできない。
そうか……それじゃ謝らない。謝っちゃいけないことをしたことだけは謝る。
(顔を覗き込まれると、顔を赤くしたまま告げる)
『ヘンなの』、それと『好きだよ』って………
『大好きだ』とも言っていた。
(その時、踏み出す一歩で風光明媚な景色が目の前に広がる)
(立ち止まって景色を一望しながら)
……あの世界線がもう存在していないのが、惜しいな。(今度はからかうのはこちらの番?)

三千歳 泪 > 「そっかー! そう、だよね。私だよそれ。絶対そう! 間違いないよ」

心がどうしようもないほど強く揺さぶられる。泣いていいのか笑っていいのかわからなくなって、きっとものすごく困ってる。
顔が熱くて、耳の先まで真っ赤になっていそうでよけいに恥ずかしくなる。でも少しだけ、誇らしい気分もあって。

「よく言ったよね! えらいぞ私。そっちの私もよくやったよ。褒めてあげてほしいな」

奇しくも同じようなことを口にして笑う。気付かない。気付けない。それは観測者だけが知ることだから。
吹き渡る風に出迎えられて、手をかざした。薄目を開けて、飛び込んだ景色に息を呑む。この島の、まだ知らない顔がそこにあった。

「あれから時々思い返して、私なりに整理してみたんだ。あの日の君と私に何が起こったのか。起こらなかったのか」
「つまりさ、コインの表と裏みたいなものなんだよ。自分のしっぽを噛んだへびのたとえにも似てるのかも」
「歴史を変えたら、変えたっていう事実そのものが消えてしまう。でも歴史を変えないと、あの夜の事件は避けられない」

「私の桃色の脳細胞がギブギブ!って言ってるけど、もうちょっとだけがんばってみるとさ。それは矛盾なんだよ!」
「君と私はふたつのストーリーを行ったり来たりして、どっちつかずのループを繰り返してたはず」
「そこには無限の君と私がいて、「愛してる」とか「好きだよ」とか言いあってるんだ。無限ループでさ! なんだろうねこのバカップルは!!」

桜井 雄二 > ……間違いもなく三千歳泪だな。(だって、本人も知らないけれど本人で)
(咳払いをして青空を見上げる)
そうだな……よく言ったよ、あの三千歳泪は。

(吹き抜ける風に髪を押さえる、自慢の左右非対称の髪型が台無しだ)
タイムパラドックスが起きているわけか。
…………。(バカップル、との言葉に顔を赤くしたまま俯き)
そうだな。俺たちは閉じた時間でお互いを救いあっているのかも知れない。
……三千歳泪。あの事件から、お前は何か変わったんだろうか。
俺は変わったよ。考え事が多くなった。
お前のことを、考えることが。(荷物を岩陰に下ろした、ここなら風もあまり強くない)

三千歳 泪 > 「君はそんな私を覚えてた」
「理由はわからないけど、君が助けにきてくれた。おかげで私は生きのびられた」
「もしかしたらさ、私もただ忘れてるだけなのかもしれないよ。いつか思いだせる可能性はあるよね!」
「私は私。君に伝える言葉も同じ。だからさ」
「えっと」

ちょっと深呼吸。すってー。はいてー。すってー。すってー。すってー。

「好きだよーーーーーーーー!!!! 桜井くーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」
「私もーーー!! 君がーーー!!!!!! 大好きだーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

響いた? しずかに耳をすましてみても、聞こえてくるのは爽やかに吹きぬけていく風の音だけ。
そうだ。やまびこってとなりの山がないと響かないんだっけ。山ガール失格だねー。でもすっきりしたからよし!

「ってことで、私はあんまり変わってないかも! 考えるより動いてる方が好きだから」
「ただね。そう、特別な人ができました! 私も君の特別でいたいんだ。たよりにしてるよ、桜井くん!」

不意の突風にあおられて、鉄の結束を誇ったおさげが解ける。波打つようにくせのついた金色の髪が風に舞う。
三つ編み状態でも腰まであるから傍目にはスゴいことになってるはず。長い耳の先が露わになって、髪にくすぐられてむずむずと動いた。

桜井 雄二 > ……三千歳泪、お前を忘れるわけがないだろう。
それから、お前のことは何時だって何度だって助けるさ。

(三千歳泪が叫んだ言葉に、心臓が早鐘を打った)
(まるで大勢の人の前で告白されたような、それ以上のような)
……俺も言わないのは、ずるいよな。
三千歳泪。好きだ。大好きだ。(赤くなったまま、それでもはっきりと)
俺が進む未来はお前と一緒がいい。好きなんだ、お前のことが。
……さすがに叫ぶことはできそうにない、悪いな。
(穏やかな笑顔を見せて)

(髪が解けて風に舞う彼女の髪に、俺は)

(こんなに美しいものが存在するのだろうか、そう思った)