2016/06/21 のログ
ご案内:「廃神社」に古強者さんが現れました。
古強者 > 荒れ果てた境内に佇むは戦装束の武者とその徒。
武者は参拝するでも無くただただ境内の様子をじっと見据えて、在りし日の社を想像しているのだろうか。

徒はその武者の傍に付き添い辺りに気を張っているだろう。
ただただ音も無く刻は刻まれる。

古強者 > 「よもや再び現世に戻ってくとは夢にも思はざりき。」

ぽつりと一言漏らす武者。たった一言ではあるがそこに様々な感情が込められていた。
天を仰げば月に叢雲。まるでこれから起こる騒動を示すようなそれに鼻を鳴らす。

在りし日の事を思い起こす。
水面に浮かぶが如く蘇る記憶は己の末路であった。
迫り来る数多の矢が次々と己の身を貫き──
最早これまでと己の頚を掻き切ったはずが今こうしてこの社で立っている。
皮肉なものだ、と喉を鳴らして笑う。

古強者 > あれから幾星霜の刻が過ぎたのだろう。
見るもの全てがかつてとは様変わりしていて、酷く驚いたものである。
その中でも特に戦乱の世から太平の世へと遷り変わったのは喜ばしくもあった。
己の、あの時代に生きた者達の末裔が勝ち取ったものだろうか?
だとしたら誇らしく思う。

だが──

古強者 > 「主は全てをやり直すと言うておらる。正しきか正無しやは別に主に忠を尽くす。それのみなり。」

いつも通り街は生活の明かりを灯している。
それを無表情で見下ろすように見やり、己に言い聞かせるように呟いて境内から立ち去るのだった。

ご案内:「廃神社」から古強者さんが去りました。