2017/12/02 のログ
レンタロウ > 季節は既に冬へと突入している。
夜になれば、陽が沈んだことで急激に気温が下がっていく。
漂う冷気は瞬く間に男の身体を冷やし動きを阻害する。
口から薄く吐き出す呼気は、白く靄ががっており、男に外気の冷たさを実感させる。

「………………む。」

そうして、十数分が経過したところで見つめていた刀身に変化が出始めた。
報告にあった通り、刀身が徐々にだが青白く光りはじめた。
その光は徐々にだが強くなっていく。

レンタロウ > 「なるほど。このような感じか…だが…」

刀身から放たれる青白い輝きは、それこそ夜の街を照らし出す街灯のように強い。
その光には流石の男も怯んだか、掌で目元に影を作り、どうしたものかと言葉を呟く。

「くそ、これではいざという時に何も……いや、違う…?
 目で見ることは、不要……?」

自然と瞼が降りていく。
眠気に襲われたわけでも、何かに強制されているわけでもない。
そうするのが当然と、身体が理解しているように。
やがて、男の視界は黒い闇に覆われる。

だが、男に焦りはなく、寧ろ安心しているかのように、その場に佇んでいた。

レンタロウ > 「思い出した…この刀には名前があった。その名は―――」

男の唇が動き、言葉を紡ぐ。
その名前を口にした瞬間、刀からの放たれる強い光は瞬く間に収まっていく。
しかし輝きは失われず、刀身は青白い光を纏うような形へと変化していた。

「………ッ!」

男が軍刀を両手で構え、上段から一息に振り下ろす。
そこから斜めに切り上げ、更に続けて横薙ぎに払う。
何度も刀を振るう度に、その軌跡を青白い光がなぞる。

その特殊な性質を持った衣服のせいか、男の姿は闇に紛れて見えづらくなれば、
その場に青白い光が宙を飛びまわる光景を映し出す。

レンタロウ > そのまま暫く演舞は続き、男が満足したころに終わるのだった。
ご案内:「廃神社」からレンタロウさんが去りました。