2016/05/08 のログ
ご案内:「列車内」に雨宮 雫さんが現れました。
雨宮 雫 > ガタン、ガタンとレールを走る路面電車。
GW最後でそろそろ夜間であるので、歓楽街を抜けた後、研究区へ向かう方向の列車はガラガラだった。

これが逆方向、学生居住区に向かう方向なら混んでたのかもしれないが……

そのお陰か、だらしなく足を広げて、更に長い髪の毛がシートを大きく占有していてもどこからも文句は来なかった。

窓の外には真っ暗な闇。
それにポツポツと灯って見える何かの灯り。

雨宮 雫 > だがそんな綺麗だか幻想的だかの光景をガン無視した少年は、
片手にタブレットを持って、反対の手の指で画面をサッサと弄り回して操作に意識を向けていた。

「明日から授業に出るとかマジ面倒かな、かな。
 もう一週間くらい自主的に……でもいい気がするかな、かな。」

タブレットに映る画面には来週の授業時間割。
なんかやけに少ない気もするが……

雨宮 雫 > 「帰ってくるのめっちゃ時間かかったしなぁ……
 山の畑が枯れてたのは痛い……ファッキンガムシットだね、だね。」

眉間に皺を寄せ、ぺっと床に唾でも吐きそうな苦い顔で画面の一点を、具体的には時間割の月曜最初の授業の部分を

ぐりぐりぐり

とにじるように押す。

それで何かどうなるってわけでもないが……まあ八つ当たりである。
指をそうしながら、視線はついっと窓の外へ。

……特に景色は変わりない。
研究区に名物の景色などない。

雨宮 雫 > しかしながら、研究区ではきっと多分絶対確実に、どこかで怪しげかつ非人道的な実験とかがされているハズ。
こんな島でそれがされてない方がおかしいからされてるに違いない。

だから、こう眺めてる間にソレが失敗してドカーンとか爆発音とか火の手とかが……

「………………上がらないよねぇ……
 ……そんな面白いハナシないよねぇ……」

はい、上がりませんね。
当たり前だけど。

雨宮 雫 > この時間まで研究してる研究者が聞いたらグーで殴ってきそうな願望は現実になることはなく。

至って平和にダイヤ通りに運行される列車は、研究区から学生区に分岐するための駅にと滑り込んでいく。

少年の窓から見えた範囲では、ホームにはまばらというレベルにもならない位の客しか居なかった。

何事もなく、列車が停止。
プシューという音とともにドアが開くが…………

雨宮 雫 > そのままドアは閉まり、列車は発車していく。
ガタン、ガタンと人によっては眠気を誘う音を立て、次の駅へと。

一旦、実習区に入ってまた研究区に入るまで幾つか駅があって……まぁ、結構、長い時間である。

ふぅ と短い溜息をつくと、視線はまた手元のタブレットへ。
不毛な時間割イジメは止めて、アプリを切り替える。

メールを確認……また、溜息。

雨宮 雫 > ・実家からが1件
・本家から1件
・その他2件

実家はまぁ、どうでもいいとして。

「香港はあんだけ人を使っておいて、まだ何かあるのかな、かな。
 分家だからって都合よく使い過ぎかな、かな……」

開いたメールの内容を見て、嫌そうにしながら返信を作る。

"承りましたが、ちょっと戻ったばっかなんで、落ち着くまで無理ッス、時間下さい、サーセン"
"あともう少し金ください、具体的にはドルじゃなくて円で。"

という意味合いの文章を時間をかけて丁寧な感じにして、中国的な言語で書いたものを送信した。

「ぁー……電車飽きてきたかな、かな。」

雨宮 雫 > 飽きても電車止まらないし、窓から飛んだら明日の新聞記事になるので流石にしかねる。

実習区まであと数十分。

タブレットを片手に足をバタバタさせたりしてストレスを地道に発散させてから、次のメールの返信にとりかかるのでした。

ご案内:「列車内」から雨宮 雫さんが去りました。