2016/06/03 のログ
ご案内:「列車内」に久藤 嵯督さんが現れました。
■久藤 嵯督 > (……ん)
人気のない列車の中でうたた寝をしていた時、門の出現を感知して目を覚ます。
うっすらと開いた瞼の下には虹色の瞳。窓から差し込む黄昏の光を跳ね除け、輝いている。
場所を細かく探れってみれば、また転移荒野。
やってきたのは……なんてことはない、何かのはずみで巻き込まれてきたガラクタだ。
実習地区から居住区へ向かう特急列車は、必然的に未開拓地区を通過するようになっている。
当然、自分の『眼』の感知範囲内だ。
■久藤 嵯督 > 六つ目の感覚として解読する前は頭痛となって現れる。
起きていればすぐさま情報変換が可能なのだが、眠っている間はそうもいかない。
わずかな時間だけ許されたささやかな休息を、唐突に襲ってくる頭痛によって邪魔をされたということだ。
なんてことはない、ただのガラクタのために。
―――ある時唐突に現れた、『門』の出現を予知・解析する力。
異世界から来る侵略者は既に鳴りを潜めており、今やこの異能らしき力にそれほどの意味はない。
この能力については秘匿するよう指示されているので、来訪者の早期保護をする場合は一般市民を装って行う。
今までにも何人か送り届けた。
■久藤 嵯督 > 隠し事が多いのは今に始まったことではないが、
こうも長い間甘い空気に当てられているとうっかり喋ってしまいそうになることもある。
それは決して許されない。自ら鍛え上げたこの力には、既に大いなる責任が伸し掛かっている。
風紀委員にせよ、財団の犬にせよ、学生気分ではいられないのだ。
「……はぁ」
ため息をついて、虹色に発光する瞳を閉ざす。
また頭痛に変わらないよう気を付けながら、再び眠ることを試みた。
もうじき門が開き、そして閉じた時にこの感覚も収まることだろう。
■久藤 嵯督 > それから少しして、ゆっくりと寝息を立て始めた。
起きている間は何があっても崩さなかった強面は……どこか疲れ切ったような、そんな顔をしている。
がらんとした車両の中で、戦士も今は静かに揺られるのみ。
ご案内:「列車内」から久藤 嵯督さんが去りました。