2016/07/31 のログ
■ルギウス > 「おやおや、これではまるで私が悪者みたいじゃあないですか」
困ったなぁと言いながら顔には笑顔が張り付いて。
立ってくださいよ、と言いながら耳元に顔を近づける。
「あるじゃあないですか、貴女が出せるもの。
ただの人間でも。
体や魂を対価に契約する話なんて、そこらにゴロゴロしてます」
■高峰 司 > 「…………」
自分の体、魂。
それを投げ捨てる事は簡単だが……そこまで払うわけにはいかない。
何故なら、それは『バレ』る。
バレて、彼女がまた悲しむ。
尊厳ならまだ隠し通せるのだ。だから。
「……頼む」
屈辱を抑え込み、懇願する。
何か宝物の一つでも持って来ていればよかったのだが……取る物も取り敢えず出てきたのが、こんなところで裏目に出るとは思わなかった。
■ルギウス > 「ふむ」
やれやれ と 口に出して席に着く。
「人に教えて貰う時には『プリーズ』をつけるんでしたっけぇ?」
最初の座り方とはまったく違う。
足を組んで踏ん反り返るように座る。電車だけど。
「ああ、もう土下座はいいですよ。
それ以上されると、踏みつけそうになりますからね」
■高峰 司 > 「……お願い、します」
顔を上げて、座り直して。
屈辱に歪みそうになる顔を抑え込みつつ、必死に言葉を紡ぐ。
■ルギウス > 「ああ、その顔は実にいい。
頬にキスでもしていただければ、サービス込みで上二つをお教えしましょう」
くくくと歪んだ顔が張り付いている。
ついでに、自分の頬にここですよ と言わんばかりに指先でトントンする。
■高峰 司 > 「こ、の…………!」
流石に顔が歪む。
どこまで人をおちょくれば気が済むのだ。
だが……背に腹は代えられない。
「…………」
涙目になりながら、頬に唇を当てようとする。
屈辱を何倍重ねにさせられればいいのだろう。だが……それもこれも、親友の為だ。
■ルギウス > 唇が頬に当たる直前に、ふと振り向く。
そのままなら唇同士が当たるだろう。
■高峰 司 > 「!??!??!?!?!?!!?!?!」
慌てて飛びのく。
いや、遅い。少しだけ重なってしまった。一瞬ではあるが……!
「て、ててててててて、テメェ、このヤロウ……!」
涙目で指を突き付ける。魔力励起、いついつでもルーンガンド発射可能である。
……ちなみにファーストキスである。
■ルギウス > 「ごちそうさまでした。
いやいや、まだかなぁなんて思いましてね?」
お礼は大事。
とても大事。
「人を指差してはいけませんよぉ?」
今度は有無を言わさずに手を覆う。
■高峰 司 > 「こ、ここ、殺すっ……!」
涙目で指差してぷるぷるぷるぷる。
だがその手を覆われて見上げるしかできない。いつ動いた。
「じょ、情報……吐け、今すぐ!」
なら、貰うもの貰わないと割に合わない。
■ルギウス > 「では、駅も近いですから端的に。
彼女は妹の異能を知りました。
知ったが故に、彼女の世界は変わってしまった」
顔を少し近づける。
「次に妹さんの異能ですが、平等と名付けられました。
私から言えば天秤と名付けたいところですがねぇ。
まぁそこは差異ですね、どうでもいい。」
さらに顔を近づける。
■高峰 司 > 「顔近づけんな、もう要らねぇだろ!」
慌てて離れる。もう、近寄るだけで汚らわしい。
だが、情報は必要だ。これだけの尊厳を払ったのだから、それに見合うものでないといけない。
「平等だぁ?あの二人はどこも平等じゃねぇだろ、どっちかっつーと不平等の権化だ」
思考を回す事で少しでも気持ちを平静に戻す。
そう、不平等。
出来た姉、不出来な妹。
人気のある姉、孤独な妹。
姉には与えられ、妹には与えられない。
これほど分かりやすい不平等関係があるだろうか?
■ルギウス > 「ですから、天秤と。
二人で10を分け合っているんですよ、あの姉妹は。
片方が+5すれば、もう片方がー5される。
そういう異能です」
ああ残念、と肩を竦めた。
続いてくくくと笑って。
「媚を売るなら最後まで。プライドを捨てたのならそれくらいはやり通しなさい三流役者」
わざとらしく自分の唇を指でなぞる。
「まぁ、自分だけの能力で掴み取った実力でもなければ。
そんな実力を妹から奪っていたと真実をしった姉はどうなるでしょうねぇ?」
■高峰 司 > 「……合計値の均等、って意味かよ……!」
何て残酷な異能だ。
何より……伊都波姉妹は、既に詰んでいる。ハッキリと分かる。
何故なら……伊都波凛霞の幸福には伊都波悠薇の幸福が必須であり、伊都波悠薇が幸福になると言う事は伊都波凛霞が不幸になると言う事だからだ。
あの姉妹は……二人で幸福になる事は出来ない。
そして、伊都波凛霞はさらに詰んでいる。
伊都波凛霞は……絶対に、幸福になれない。
「うるせぇ、アタシは役者じゃねぇ。
……クソ、凛霞……!」
否。
重要なのは『不幸の確定』ではない。その程度では伊都波凛霞は崩れない。
最大のネックは……『自分が幸福になれば、妹が不幸になる』と言う現実。
その事実は、伊都波凛霞を狂わせるには十分だ。
■ルギウス > 「貴女の親友が悩んでいた原因は確かに伝えましたよ。
フレンチキスでもサービス過剰なくらいです。
ああ、もっと過激な事をしていただければ もっとお教えしますがね?」
わざとらしく手をわきわきさせる。
おまわりさん この人です。
「さて、そんな悲劇的な姉妹ですが……妹さん、割とピンチですよ たった今」
■高峰 司 > 「やらねぇよ!
ああ、クソ……って、ンだと!?」
続く言葉に焦る。あの妹が、ピンチ……?
■ルギウス > 「後は、貴女の鴉にでも聞くといいでしょう。
そろそろ駅ですしねぇ?」
くすくすと笑いながら、ずいっと近づいて耳元で囁く。
「さて、あの姉妹にかまけるのも結構ですが……貴女は貴女のツケを支払わなくてはいけませんよ。
今すぐでなくとも、近いうちに必ず」
そのまま耳にキスをしてから悠々と下車をする。
■ルギウス > 「あ、ちょっと 私は不審者じゃありませ……」
ついでに連行された。
ご案内:「列車内」からルギウスさんが去りました。
■高峰 司 > 「…………」
連行されてった。ザマぁ見ろ。少しは気分もマシになった。
とにかく、駅で降りてすぐにムニンを召喚、状況を確認……マネキンと、接触中!?
「……クソ!」
またしても走り出す。目的地は……常世公園。
ご案内:「列車内」から高峰 司さんが去りました。