2017/08/05 のログ
ご案内:「地区ごとの駅」に藤巳 陽菜さんが現れました。
藤巳 陽菜 > 駅の構内。学生街へと向かう電車を待つ一人の女子生徒。
蛇の下半身を持つこの島ではまあ、珍しくもない姿。

…考えてたよりも短い帰省が終わって再びこの島へと来た。
この島は出かける前とは殆んど変わっていないような或いは何もかもが変わっているような…。
どちらにしてもいつも通り。この島は、まあこんな感じ。

(それにしてもやっぱり、広いわね…。)

人間以外の存在がいる事を前提として作られた駅はどこも所謂バリアフリー。
段差も少なく、幅も広く、魔術的に可変する部分まで存在する。
すっかりこの島に慣れていたが一度本土を見てから来ると何のストレスもなく
電車に乗れる事にちょっとした感動すら覚えてしまう

藤巳 陽菜 > …実家では何かと大変だった。
トイレは狭いし、お風呂も狭いし、ベットも小さい。
興味本位で近所の人は尋ねてくるし、目立つから外にも行けない。

家族が、両親がいなかったら一日で帰りたかったところだ。

…家に揃えられていた異能に関する多くの本。
この島で見られるものと比べて専門的なものは殆んどなかったがあれ以上を本土で揃えるのは難しいだろう。
大きなものへと買い替えられていた車。この蛇の身体でも苦なく移動することが出来た。
家中に取り付けられていた手すり。…これはまあ今となっては不要だが両親の優しさは感じられた。

陽菜の両親は娘の異能への理解をしようと努力してくれていた。
その身体を受け入れようと努力してくれていた。

その優しさがあるからこそ前に進むことが出来る。
普通の生活に戻るための努力を続けることが出来る。

藤巳 陽菜 > …色々考えている間に駅には電車が着いた。
既に、自分の身体と言えるくらいに動かせる蛇の身体を動かして電車に乗り込む。

…窓から見える時計塔を見て小さく拳を握りこむ。

今の自分にやれる事を、元の身体に戻るために出来る事をやろう。
…少しくらい長くなっても大丈夫、帰れる場所ならあるのだから。

ご案内:「地区ごとの駅」から藤巳 陽菜さんが去りました。