2017/10/25 のログ
ご案内:「列車内」に和元月香さんが現れました。
和元月香 > 時々乗る電車は、とても良い物だと思う。
現在には少し珍しい、昭和を思わせるレトロな路面電車。
所々染みの目立つ赤いシートの座席に膝立ちになり、
星の海が広がる窓の外を一心に眺める少女を除いて、
この列車に乗客は1人もいないようだ。

飴色の瞳を輝く星星が彩り、ゆっくりと通り過ぎてゆく。
それをじっと眺めながら、月香は子供のように窓に体を極限まで近づける。

ちなみにスニーカーはきちんと脱いで揃えてある。

和元月香 > 最近、月香は気付いた。
自分は恐らく、星空が好きなのだと。

星だとか、惑星だとかではない。
...星空だ。夜空に散りばめられてきらきらと輝く星たち。
遥か彼方から訪れた光の幻影のようなもの。

自分の名前の一部である月も嫌いではない。
ただ、それよりずっと星空が好き。
...あの姉の名前の一部、なのが少し複雑だが。
ふと、太腿に痛みを感じて視線を下に逸らす。

「って.....あ」

右太ももの包帯が千切れ、滲んだ赤が覗いている。
どうやら星空に夢中で気づかなかったが、
随分前から切れた場所に体重をかけ続けていたようで。

へまをしてしまった、と項垂れながら座席に座り直す。

ご案内:「列車内」にヨキさんが現れました。
ヨキ > いくつめかの駅で、長身の男が乗り込んでくるのが見えるだろう。
左手に、買い物帰りらしい小振りな紙袋を提げている。

「………………、おや?」

見知った顔に気付いた様子で、はたと足を止める。
空いた片手を上げて、月香へ歩み寄った。

「やあ、こんばんは。久しいな……、む?」

手足の包帯を見遣ると、訝しげに相手の顔へ目を移す。
ゆったりと座れる程度の距離を空けて、隣に腰を下ろした。

「大怪我ではないかね。何かあったのか?」

和元月香 > 「...あ、ヨキ先生だ。こんばんは!」

知り合いである相手に唐突に声を掛けられれば、
途端に項垂れていた顔を上げぱっと笑顔を浮かべる。
しかしすぐ、怪我のことについて尋ねられれば。

「...え、えーっとですね...」
(どう説明したものやら...)

たちまち後ろめたそうに自由な右手で頬を掻きながら、
さりげなーく視線を逸らしつつ苦笑い。
怪我を診てくれた医師にも
説明がめんどくさくて誤魔化してしまったため、自然に口ごもってしまった。