2018/09/04 のログ
ご案内:「地区ごとの駅」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 >  学園地区の駅。そこに立つ一人の青年。仏頂面も何処か疲れが見える顔つきとなりボーッとしている。
 やっと動き出した電車でごった返す駅、何故か電車に乗らず離れた場所に立つ。何人かは何やってんだあいつといった目線を向けるが本人はお構いなしだ。

「……早くはけねぇかな」

 時計を少し見てそうボヤく。
 乗らない理由は単純で満員電車に乗りたくない。ただそれだけである。
 だがそうはいっても19時はとうに回り、あまりゆっくりと駅で過ごしたい時間ではない。
 いっそ車外に糸で掴まるのも考えたがどう考えても不審者である。

白鈴秋 >  アレから2本が出た。少しは減ったがまだまだ数は多い。というより、数人自分と同じ考えのがいるらしくあえて乗らないのも出てきた。
 さっきから居たのだろうが目立たなかっただけなのかもしれない。

「まぁ仕方ねぇといえばしかたねぇんだが」

 時計を見る。時間はどんどん進む。これなら学校に残って練習でもしていたほうがましだったかもしれない。
 だが時既に遅し、もう外に出てしまっている。
 諦めもう一度壁にもたれ掛かる。その内空く筈と待っていた。

ご案内:「地区ごとの駅」にアリスさんが現れました。
アリス >  
ふと、自分が電車の中で寝ていることに気づいた。

「うわ、お、降ります!!」

慌てて外に飛び出してきて、ここがどこかわからないことに気づいた。
……自分のことを粗忽者だとは思っていたけど、ここまでとは。

「ここどこ!?」

頭を抱えた時、ふと友人を見かけて。

「あ、秋だー。この前はごはん美味しかったね、お世話になりました」

自分が置かれた状況もさておき挨拶。挨拶大事。

白鈴秋 > 「あん?」

 急に離しかけられてなんだ? って感じでそちらを見る。目線を下に移して。

「アリスか。奇遇だな……たしかに、誰かと飯食ったのは久々だったからか旨く感じた」

 この前の話を振られ少し笑いながらそう答えた。
 それから少しだけ考えて、さっきの声を思い出す。さっきここどこと言っていたのは恐らく彼女だ。

「……ここは学園地区だ、まぁたぶん降りる駅を間違えたな」

 そう答え蛍光盤を指差す。そこにはしっかりと学園地区と書かれていた。
 たぶんといったのは間違いなくこの時間に来ることはそうはない為だ。

アリス >  
「いやぁ、奇遇だね。そっか、それならよかった。私も友達とご飯を食べるのは楽しかったし」

にへへーと笑いながら話して、指差された先を見る。
…降りる駅を思いっきり間違えてる!!
そして終電が近い!! 大ピンチだ!!

「が、学園地区……そか…それじゃ私も電車を待とうかな…」

思いっきり気落ちして駅の椅子に座る。
門限破り。パパになんて説明しよう。

白鈴秋 > 「また機会が合えば行くか。お前は家族と暮らしてるから難しいだろうが」

 相手も笑ったのを見てそんな事を言う。別に嫌な相手という訳でもないしそもそもそれなら1回目の時点で誘ってなど居ない。
 駅を間違えた程度でなにかかなり気落ちした様子もあったので少し首を傾げ。

「……何か用事でもあったのか?」

 そう聞いてみる。
 色々と可能性はあるが、ふと思いつき。

「あれか、見たいドラマか番組でもあったか?」

 1番可能性が高そうな物を上げてみた。自分はあまりないが高校生くらいともなれば恐らく1番一般的な遅れたくない理由だろう。

アリス >  
「ううん、パパとママは忙しいから一人で外食とか慣れてるの」
「また今度、一緒にご飯食べましょう」

手をひらひら振って笑う。
ぼっちLVインフィニティだった頃に培われたスキル。
その名も外食もひとり。あ、自分で考えてて泣けてきた。

「ううん、今日は帰ってネトゲくらいしか用事はないんだけど」
「その……パパが今日は家にいる日だから、門限が…」

頭を抱えた。
ドラマも見たいものはあるけど月曜日だし。
そんなことより門限破りのほうが深刻だ!!

白鈴秋 > 「門限……なるほどな」

 そういえばそんなものも合ったなと少しだけ笑う。頭の中から完全に抜け落ちていた。
 それから列を見る。それなりに居なくなっただろうが。まだある程度は居る。
 次は難しいかもしれない。次の次か最悪さらにその次といったところだろうか。

「ならこんな外れた場所じゃなくて列に入っておくか。離れて話してたらもっと遅くなる」

 そう言って壁から離れ列に加わる。
 手招きしていくぞと声をかけ。それからああ、そうだと呟いた。

「とりあえず電話なりしておいたらどうだ、何もしねぇよりは良いと思うが」

 完全に黙って遅れるのは色々と問題だろうが連絡すれば……家にもよってだがセーフの場所も多いだろう。
 

アリス >  
「秋は門限とかないの? 羨ましいなぁ」

男の子だしね。異能者だし。強いし。
秋の両親もあまり拘泥しないのかも知れないと思った。

「あ、うん!」

手招きされると列に加わる。
早く電車こーいと願いながら足踏み。

「電話? あ、そうだ! パパに電話が先だわ!」

言われて気づいて、携帯デバイスから父親に電話。
しばらくしてから、出た親にあれよこれよと説明。

「違うの、電車で寝過ごしちゃったの! 今度は死に掛けたとかないから!」
「うん、うん! 急いで帰るわ、愛してる、またね」

電話を切って、深く重い溜息。
思ったより最近の事件ラッシュはパパとママに心配をかけているようで。

白鈴秋 > 「寮生だからな、別に門限とかはねぇよ、あんまり遅いと寮母さんに小言言われる程度だ」

 態々両親は居ないとか、そんな事を言って暗い雰囲気にするのもなんだろう。それに別に嘘をついたわけではない。
 そして時間を見る。恐らくそこまで彼女が帰るのも遅くはならないだろう。まぁ門限をすぎた時点でアウトかもしれないが。
 そうして電話する彼女を見て少しだけ笑ってしまう。電話を切ったのを見計らい。

「事実とはいえ凄い電話だな。死に掛けてないって」

 実際彼女とこうして落ち着いて話せたのはほぼ初めてだ。1回目は落下してきたし、2回目は悪夢の世界でこんにちはだ。
 ある意味で凄まじい確立だろう。

「というか、本当にあれは偶然なのか? 不幸に巻き込まれる異能があるとかそういうわけじゃなくて」

 あまりにも確立として高いから思わずそう聞いてしまう。
 まぁたぶん無いとは思うが。

アリス >  
「そっか。それじゃ私のパパと秋の寮母さんに何か言われる前に帰ろっか」

そう言って電話を切って携帯デバイスをバッグに仕舞う。
白衣の裾を気にしながら並んで。

「わからないわ、この一年で死に掛けた回数を数えたら両手の指じゃ足りないもの」
「私の異能が便利すぎて世界に歪を生んでいるとか? ないかー」

小首を傾げて考える。
すごい勢いで不幸が押し寄せてきていた。
でも、それでも自分が致命的な不幸を浴びていないのはある意味で幸運かも?

「秋も私に巻き込まれて一回目は街中で異能を使って二回目はあの世界だもんね」

周りに影響がある。縁はあるけど、やっぱり不幸はないほうがいい。

白鈴秋 > 「ああ、そうだな。特にお前は、だな」

 また死に掛けた時に大変だと少し笑って並んでいた。
 相手が考えたのを見て、ふむと頷く。

「まだ9月なのに10回以上って……まぁ、でももしかしたら代償として何かを知らず知らずに払っているという可能性もありえるが……まぁ、設備も何もなしでじゃわからねぇよな」

 知らず知らずの場合それこそ設備込みで使用した場合としていない場合を正確に測らないといけなくなる。
 そこまでの確認は学園も行っていないのかもしれない。

「たしかに、巻き込まれたな」

 ククと少しだけ笑う。そして。

「だからなんだ。あの飯の時除いてこうしてお前と落ち着いて話せるのはたぶん始めてだな、それ以外は出会った時には何かしら発生してたし」

 まぁ今だって混雑は発生しているが今までに比べれば可愛いものだ。

アリス >  
「正確に観測するのは難しそうね……何を持って不幸とするのか、とか」

白衣を好んで着ているけど、
別に博士キャラでもなんでもないので基本的に私の思考は普通です。
巻き込まれたな、と笑う彼をちょっと心配げに見上げる。

「…そう? この事件の数々をだからなんだーと言えるのはすごいわね」
「ふふ、電車が来たわ、行きましょう。私は学生通り前で降りるから」

ちょっと混雑した電車に乗り込んだ。
つり革はちょっと遠いので棒に両手を添える。
……ひょっとして世の14歳女子はつり革は遠くないの?
無駄に神妙な顔つきになった。

白鈴秋 > 「そうだな、はじめの時お前は生きていれば幸運だとか言っていたしな」

 その理論で言えば彼女からすれば別に不運ではないとも言える。確かに難しい話題だ。
 こいつは逆に本来は技術職なため色々と気になる性分である。

「ああ、いやだからなんだ、じゃなくてこう。あれだ……間を開け忘れたな。まぁお前と落ち着いた状態で会ったのは初めてだと思っただけだ」

 だから……なんだ。と言うべきだったと少しだけ思いながら後を追うように乗る。やはり人が多いので壁になるように立った。
 彼女の場合背が高いわけじゃない。この人数でもみくちゃになるのは色々と辛いものがあるだろう。

「……少し狭いが許せよ」

 電車はすぐにギュウギュウになり、少しでも広くするように耐えるが。それでも狭いものは狭かった。

アリス >  
「そうよ、生きていることは神様から与えてもらった奇跡だわ」

だから、私は神様に祈るのです。
今日も命が続いていることに、深く、感謝を。

「そうね。こうして話せる機会を持てたのは、私にとって嬉しいことだわ」
「学校どう? 友達増えた? 勉強は?」

自分で言いながらどこの息子と会話の続かない父親だよみたいなトーク。
そうこう言っていると、秋が目の前で壁になってくれていた。
混み合っている電車で、気を使ってくれているのだ。

「うん、ありがとう秋」

見上げて笑顔を見せる。なんだかんだで優しい人。