2015/06/21 のログ
三千歳 泪 > なにか理由をつけて断ったほうがいいのかもしれない。でも今は一秒でも早く安心させた方がいい。
今日はいけなくなった。申し訳ない。そんな感じの文面を作って桜井くんに見せた。

「大丈夫だよ!! 絶望の未来はこれでなくなる。なに泣いてるのさ!」
「君が見たのは悪い夢だった。もう一人の私もよくやったと思う。褒めてあげてくれるかな」
「デート、楽しみにしてるね」

忙しいなあ。笑顔が苦笑に変わりながら、「送信」の表示をタップする。

―――――――

そんなこんなで、私はタイムマシンを修理しなかった。私は過去に飛ばなかった。私の介入は無かったことになった。
そして、世界は巻き戻る。たった一つの歴史へと収束していく。

それは大いなる時間の罠。私を捕える牢獄のようなもの。介入なんてはじめから無意味だったんだ。

介入は起きない。私はタイムマシンを修理しにいく。大惨事がおきる。そして6時間前の過去へと飛ぶだけ。
私/彼の運命は変えられない。時間も場所も、しかるべき場所まで引き戻される。
何もかも、なかったことになってしまった。

たった一人、彼の記憶を除いては。本当の《タイムトラベラー》は私ではなく彼の方。
たとえ全てが奪われても、魂に刻まれた記憶までは奪えない。
紙が自然に燃えだすディストピアで、そんな空元気みたいな希望の言葉を叫んだ人がいた。

桜井 雄二 > 待てよ……(端末を開く)あの三千歳泪から……?
(そこにあったのは時間旅行研究会の場所と特定の時間)
ひょっとしたら……(バイクを走らせる)

(魔導バイクの魔素はまだ余裕がある)
(その時間に間に合えば、あるいは)

(男がバイクを走らせる、その場所へ、その時間へ)

三千歳 泪 > 流血はさらなる流血を呼んだ。私が帰還をはたした時、ラボの血の海に横たわる犠牲者はさらに増えていた。
元は私がまいた種。立ち向かうのに遅すぎるということはないはず。この人たちを止めないと。

もう怖いものは何もない。心残りになりそうなことは済ませてきたから。
《時間旅行機》のクロノメーターには、ついさっきまで私がいた時刻が表示されている。
名残りを惜しむ暇もない。研究会のメンバーが気付く前に、モンキーレンチを思いっきり振り下ろした。

歯車が飛ぶ。フレームが歪む。キャノピーのガラスが割れる。アンテナの羽根がもげて宙を舞う。
断末魔みたいな絶叫が幾重にも重なって響きわたる。宿願がぶち壊しにされたのだから怒るのも無理はない。
怨嗟の声。底知れない憎悪が向けられて冷たい戦慄が走る。

「やめときなよ!! そんなもの向けてどうするのさ? 撃っちゃう? 殺しちゃうの?」

直せることは立証済み。私を殺せば直せる人はいなくなる。大声で叫ぶだけで私に向いた銃口が揺らいだ。
時間を稼いだだけ。生きて出られるとは思えない。ここでは誰もが狂ってしまっているから。手詰まりだ。

桜井 雄二 > (混迷を極めるその場に声が響く)

返してもらいに来た。

(ラボの入り口、ドアが溶解してぐにゃりと溶けて流れた)

俺たちの未来を――――――返してもらいに来た。

(右手を突き出したまま歩を進めるのは、右半身から炎が浮き上がり、左半身が凍結している魔人)
(そう、魔人―――――氷炎の支配者、桜井雄二)

その銃口……残さず俺に向けてもらおうか。
一発でも三千歳泪に掠らせてみろ。骨まで消し炭だ。
(左拳を握ると、極低温が周囲を凍てつかせる)
もっとも……この罪だけでお前らは冷凍刑確定だ!! 覚悟しろ!!

三千歳 泪 > いるはずのない人がいた。聞こえるはずのない声を聞いた。
―――運命は変えられる?

かもね。かもしれない。たぶん変えられるんだ。その気があれば。今なら信じられそうな気がする。
どこにいてもお前を見つけだしてやる。そう言ってくれた人がいたから。

「桜井くん!! また会っちゃった…さよならって、言ったはず、なのに」

ぐにゃりと歪んだ視界の向こうに紅蓮と白銀のきらめきを見た。
冷静でいられるはずがない。心はぐらぐらと揺れて、立っていられないほどの動揺が襲う。
だから、隙を与えてしまった。共通の敵を見つけた研究会メンバーのひとりが私を《時間旅行機》から引き剥がす。
髪をつかんで、頬に熱く焦げついた銃口を押し当てる。何を叫んでいるのかもよく聞き取れない。

それはたぶん、果てしない慟哭だった。

桜井 雄二 > 『またな』って言ったろう、三千歳泪。
この約束をなかったことにしてはいけない……だろ?

話を聞いていないのか。
(親指が弾かれて三千歳泪を人質にした研究会メンバーの腕に何かが当たる)
(次の瞬間、銃もろともその腕が凍りついた――――指弾により撃たれた、氷の銃弾)
その程度の脳で時間を遡行しようとは、笑える。
(爆発的加速と共に三千歳泪に銃口を押し当てた男の胴体に左手で優しく触れる)
(声を上げる暇もなく、男が顔を残して凍りついた)
まだ話が聞こえるなら、覚えておくといい……俺が桜井雄二だ。

(まだ研究会メンバーが残っているにも関わらず、魔王のようなゆったりとした歩みで三千歳泪に近づいた)
あとは……生活委員会らしく掃除するだけだ。
(それは、あの時見せられなかった笑顔)
待たせたな、三千歳泪。

三千歳 泪 > 異能使い。それも戦闘向きの異能を目にしてもなお動けるのは太刀打ちできる自身のある人だけだ。
場の空気が冷えていく。《時間旅行機》の奪いあいがもたらした惨状に誰もが目を向けはじめる。
かつて同じ夢を見た友人同士が殺しあいを演じた。力を合わせてここまで来たのに。同志と呼びあった親友を手にかけた。

誰かが凶器を取り落として、静かな嗚咽がさざなみのように広がっていく。
私も支えをなくして、立っていられずにへたり込みそうになって桜井くんの胸に手をつく。

「大丈夫だよ。ぜんぜん待ってない。ついさっき別れたばかりでしょ?」

本当にそう。さっき見送ってからほとんど時間が経っていない。頭はまだ混乱したままで、何があったのか整理が追いつかない。
でも君はここにいる。幻でもなんでもない。もう怖くない。なのに、泪が溢れて止まらなくなる。
大嫌いだった私の名前。泣き虫みたいで、絶対に泣かないようにしてたのに。止まらない。止められなくて。

「―――また会えたんだ。桜井くん――」

桜井 雄二 > ………戦闘する気をなくしたか。(周囲に溢れる血を見て悲しげに呟く)
どうしてこうなったんだ。
人と人はわかりあえる。友達だったんだろ。仲間だったんだろ。
全部、全部なかったことになった。こんな結果が来る前にわかるはずだろ……?

(直前で炎と氷を消して三千歳泪の肩を支える)
そうか……そうだったな…お互い、やるべきことをやったんだ…
(肩を震わせる彼女を抱きしめて)

もう大丈夫だ。お前は何も悪くない。

泣くな、三千歳泪。お前が泣くと俺まで悲しい。

な……笑ってくれ…お前が笑ってくれたら。

(きっと、俺も笑えるだろうから)

三千歳 泪 > 壊れたものがもっと酷く壊れただけ。私の仕事は何も生みださなかった。それどこか、空恐ろしい惨劇を招いた。
そのことがただただ悲しくて、心が押し潰されそうになる。
泣き顔を見られたくない。子供みたいにしゃくりあげて、ぼろぼろこぼれる泪を手のひらで拭いつづける。
無理だよ。泣くなって、そんなこと言われたってさ。泣きながら笑おうとしたけど、うまくできたかどうかわからない。

時間旅行の夢はこれでおしまい。明日は無理でも、明後日にはいつのも私。日常に戻れるはず。
だから、せめて今だけは許してほしい。もう二度と泣かないように。だれにも泪を見せないように。

ご案内:「夕暮れの第一大教室棟廊下」から三千歳 泪さんが去りました。
ご案内:「夕暮れの第一大教室棟廊下」から桜井 雄二さんが去りました。
ご案内:「取調室」にアルディスさんが現れました。
アルディス > 職業ですか…? はい…勇者ですけど…。
アルディス > いえ、無職ではなく……あの、勇者…魔王とか倒すんですけど…。
アルディス > 王様にも認可されてますし……いえ、証明とかは無いですけど…。
アルディス > あっ、はい…無職です…。
アルディス > えっ……何をしてたかって…アイテムを…。
アルディス > いや…泥棒じゃないですよ?ただ、役に立つアイテムがあればいいなって…。
アルディス > ちがうんです、こういう装備は以外と防御力とか高かったりするので……あの、けっしてやましい目的ではなく……。
アルディス > あ………はい……はい……すみません……もうしません……。
アルディス > 住所……?いえ……ないです……はい。
アルディス > あの……聖剣は…!エクスキャリオンだけは勘弁を…!!
アルディス > 無闇に人を斬ったりはしないので…!魔を討つ剣なので……!
アルディス > 賢者シェナリオス様がエメリア女神から授かり悪竜ザリシュトラを討った貴重な剣なので…!
アルディス > …あっ、はい……はい……わかりました……そうします…。
アルディス > あの……お腹空いたんですが……ほんと申し訳ないんですけど……ごはんとか……いただけませんか…?
ご案内:「取調室」からアルディスさんが去りました。
ご案内:「小さな倉庫」に山吹 冠木さんが現れました。
山吹 冠木 > 人通りの少ない荒れた道の、人通りの少ない暗い時間。

周囲を見渡し、人影が見えないことを確かめながら……
その影は、軋んだ音を響かせる台車を、ゆっくりと引っ張っていた。

山吹 冠木 > 「…………」

一歩一歩、着実に踏みしめ……時折、台車の重さに負けそうになりながらも、静かな道を少しずつ進んでいく。

額から汗を流し、着ている作務衣を肌に張り付かせながら引きずる台車。
その中には……身を屈めれば人一人が悠々入れそうな程の、
大きな麻袋が転がされていた。

山吹 冠木 > 「あー……やっ、と、か……」

目的の場所が……
視線の先には、所々がくたびれ、全体的に古びた様子の倉庫がひとつ。忘れ去られたかのように、ぽつんと建っていた
……見えたところで一度足を止めると、
大きく息をつき、こぼれる汗を軽く拭う。

足を止めたことで、台車のストッパーが
がしゃりと音を立てて地面に食い込み、乗せていた荷物が僅かに揺れる。

山吹 冠木 > ぐらり、と袋が大きく揺れ……
詰められていた中身が袋に触れた。

べったりと触れた中身が、ゆっくりと袋に色合いを染みこませていく……

それは、微かではあったが……赤く、黒い、錆びたような色

山吹 冠木 > 「……よっ、こら、しょ……!!」

元から立て付けが悪いのか……あるいは、使われていないことで傷んだのか。
ギシギシと音を立て、動くことを拒む引き戸を何とか開くと、
気合いを入れる掛け声1つ。ゆっくりと台車を倉庫へと引き入れていく。

山吹 冠木 > 「ぜー……ぜー…… やっぱ、もっと鍛えないと、駄目かねー……」

荒く息をつきながら、台車の縁に腰掛けて、ぐるりと周囲を見渡す。

外側は古ぼけていたその建物は、しかし内部は綺麗に掃除され、
広々とした作業スペースが確保されていた。

軽い運動なら問題なく行えそうなスペースの中央には、作業用とおぼしき大きな金属製のテーブルが置かれ、
そのすぐ近くには大きな排水溝と、やや錆び付き、曲がってはいるが、今も水を供給する水道の蛇口が立っていた。

山吹 冠木 > 倉庫の上部を伝う大きな張りからは、何本かの太く、頑丈そうなロープとフックが吊るされ……
何度か使われたことを示すように、梁の上部に食い込んだ跡を刻み付けていた。

山吹 冠木 > 「……さて、と」

何時までも休憩しているわけにもいかない。
背伸びをするように立ち上がると、台車で運んできた袋に
手をかけ……気合いを入れて、それを持ち上げる。

「っと」

袋の中でのすわりが悪いのか、少し持ちづらい。
重さもあるのかもしれないが……今回は、60kgほどだろうか?
少々苦戦しながらも、何とか作業台の上に乗せる。

山吹 冠木 > 「今回は大変そうだな……」
息をひとつ、作業台に乗せられた袋に目を向け……
そこで、少し血が滲んでいることに気がついた。

「…………少し処理が甘かったか……」
汚れ程度ならいいんだけど、と反省するように呟きながら、
倉庫に用意してあった大鍋に水をはり、
それを携帯用のガスコンロに掛けてお湯を沸かす。

ぐらぐらと煮たったところで、作業台に収納していたナイフを……
肉厚な物から、細長く鋭い物など様々にある……
鍋に放り込んでいく。
最低でも10分は掛かるが、熱湯消毒はしっかりしなければならない

山吹 冠木 > ナイフを消毒している間に、天井から吊るしていたロープを
麻袋の中身にしっかりと結びつけ……
ロープの反対側を力を込めて引っ張りながら、ゆっくりと引き上げる。

袋の中から姿を現したのは……
自転車程の大きさはありそうな、大型の猪だった。

腹部から尻かけては大きな空洞があり、
既に内蔵は抜き取られていたが……
どっしりとしたその体躯は、見るものに静かな威圧感を与えるものであった

山吹 冠木 > 「車の免許でも取れたらなあ」
場所の確保もそうだが、色々な後始末がしづらいこともあり、猪などの解体作業が出来る場所は多少限られてくる。
その為、害獣用の罠に獲物が掛かっては、その場で処理し、作業用に借りている倉庫まで運んでいるのだが……
それが大物であった場合、運ぶだけでも一苦労であった。

山吹 冠木 > 「ぼやいてても始まらないか」
作業台に消毒用の薬剤を吹き付けると、
吊るしていた猪の状態を丁寧に確認していく。

一箇所、仕留める際に鉈で抉った跡があるが
それ以外には目立つ傷跡もなく、状態は中々に良いらしい。
袋に血が滲んでいることには少し焦ったが、
血抜きに失敗したわけでも無さそうだ。

「さて……じゃ、やるか」

しっかりと熱湯消毒された解体用のナイフを手に取ると、
慣れた手つきで、解体に取りかかった。

ご案内:「小さな倉庫」から山吹 冠木さんが去りました。
ご案内:「薔薇園」にアリストロメリアさんが現れました。
アリストロメリア > (本日は、以前来た薔薇園へとランチをしに足を運ぶ
美しい世界各国の薔薇が咲き誇る薔薇園の中に、英国式の格式高い建物があり
それはフレンチのレストランであり、ランチやディナーを提供している他
午後のティータイムにはアフタヌーンティーを楽しめる場所でもある)

アリストロメリア > (普段は極貧生活を送っているが、時折こうしてお休みの日にたまの贅沢をするのは
ここ最近の密かな楽しみになっていた
それに、こういう密かな楽しみがあるからこそ日々の生活に耐えられるものでもあるし
贅沢が出来ると言うのは感謝な事であると同時に
日々、食べるものに困らない当たり前の生活にも、心から感謝できるので
悪くは無い生活であった)

アリストロメリア > 流石に……6月下旬ともなれば、日差しが強いですわね
(日傘をさして、強い日差しを避けながらも
美しく力強い初夏の日差しに反射して輝く白薔薇は一層美しさを増している様にも見えたし
天気も良く、お出掛けには最適な正午だった)

アリストロメリア > (美しい薔薇達を横目に歩いていきながらも、今は真っ直ぐに
フランス料理店へと足を運ぶ
訪れてみれば、まだお昼になったばかりの早い時間だからか
店内もまだ空いていて、すぐに席へと案内して貰えそうだ)

(美しい装飾の扉の前には、今日のランチメニューが置いてあった

本日のランチ1200円~
魚のランチ1500円
お肉のランチ2000円
オードブルは+700円

スープ、サラダ、デザート、飲み物付き
――……と、手軽な値段から楽しめるのが嬉しい所)

アリストロメリア > (扉を押せば、来客の訪れを表すベルが店内に鳴り響き
お店の人がすぐに現れ、案内してくれた)

店員「いらっしゃいませ、お一人様でしょうか?」

アリス「ええ、一人ですわ」

(「中になさいますか?それともテラスになさいますか?」と問われれば――……
天気も良く、薔薇園の薔薇達は美しく咲き誇っている為
「テラスでお願いします」と答える
きっと、美しい薔薇達の咲く庭園で食事をするのは、とても贅沢な一時でしょう)

ご案内:「薔薇園」に秋尾 鬨堂さんが現れました。
秋尾 鬨堂 > テラスには、オレンジのジャケットに紫のシャツ。

薔薇園の中にあって、薔薇に華やかさを譲る気は一切ない。
おおよそ慎ましいとはいえない色合いの男。

「一足先にいただいているヨ、レディ」
紅茶である。
そしてサンドイッチである。
安い。
あまりにも安い。
ここは喫茶店ではないのだ。

アリストロメリア > (席へと案内されれば、ワイングラスに水を注いで貰って
お手拭きとメニューをそっと置かれる

改めてメニューに目を通せば
本日のランチは
『子豚のグリル』1200円

『魚のランチ:本日の魚はカレイの衣焼きバジルトマトソース』1500円

『お肉のランチ:子羊のグリルチーズリゾット添え』2000円

(オードブル+700円)
スープ、サラダ、パンorライス、デザート、飲み物付きという格安で楽しめる所から

『ブランシュ』
スープ、サラダ
オードブル
パスタ
選べるメイン(魚or肉)
ライスorパン
デザートの盛り合わせ
飲み物

『アトリア』
小さなオードブル盛り合わせプレート
温かいオードブル
季節のスープ
本日のお魚料理
本日のお肉料理
ライスorパン
デザートの盛り合わせ
飲み物

『ベラドンナ』
アミューズ(一口のお楽しみ)
本日の冷静オードブル
フォアグラ料理
季節のスープ
本日のお魚料理
爽やかなお口直し
本日のお肉料理
ライスorパン
デザートの盛り合わせ
飲み物

――……と、上の方はランチでも高価だが本格的に楽しめるメニューも
アラカルトまで、様々に置いてある
デザートが充実しているのは、場所柄的にも女性の来客が多いせいなのだろうか?)


(声がかかり、ちらりと声のかけられる方を見れば――……)
まぁ……!先生
此方にいらしていたのですね(ひらひらと手を振って、嬉しそうに声をかける)
先生はお一人ですか?もし、御迷惑でなければ相席をご一緒してもよろしくて?

秋尾 鬨堂 > 「もちろん。いや、一人のお昼というのも寂しくて」
軽やかに立ち上がる。
相席、とは言っても、一度席に着いた女性を立たせるのはマナーはともかく主義に反する。

「ドゥーィッ」
くるりとバレェダンサーのようにトゥを立て回転。
ティーカップとサンドイッチの皿を持ったまま、テーブル間を移動。
何らかのパフォーマンスを疑う動き。
だが…珍しくもない、この人物、この状況であれば!

「で、そちらも一人、と アリストロメリア君」
着席。
このようなレストランに学生の脚が近づきがたいのはわかるが、
彼女とて孤独ではない。

「わざわざ休みの日に訪れるからには、一人になりたかったかナ?」

アリストロメリア > ありがとうございますわ……是非ご一緒に
(先に来て食事をしている先生の方へと、店員に声をかけて席を移して貰おうかと思うが――……)

(バレエ最高峰、白鳥の湖のオディール役も真っ青だろう
――……いや、もしきっとこの場にバレエ関係者が居たらスカウトされて居そうなほどに
美しくも鮮やかなグラン・フェッテ!
因みにグラン・フェッテとは『鞭で打つ』という意味を持つ
バレリーナが片足を爪先で立ち、もう一方の足を無知の様に蹴り出して回転する大技である
白鳥の湖のオディールが有名であり、4の倍数の32回転を最高とさせる非常に難しい技である)

(実に難しい動作を、美しく、しかもティーカップとサンドウィッチ皿を持った状態で行い
その上更に、テーブルの間まで移動すれば――……
周囲の客が観客となるのは、自然なことだった
見事な彼のパフォーマンス?に、周囲からの注目と、拍手が聞こえてくる――……)

(そして、何より凄いのが、そんな大技を難なく披露しておきながら
また何事もなかったかのように、当の本人が席に着き、至って普通の客として語り始めた所だ)

凄いですね、先生。まさか以前はバレエを……?
ええ、私も一人でお食事ですわ。今日は月に一回の、贅沢であり楽しみですの
一人なのは、偶然ですわ
(彼女は友達が居ない訳でもない。もし見覚えがあるなら蒼穹嬢や、シュリク嬢等と一緒に
会話したりお食事をしたりという姿を見た事があるかもしれない
要するに、一人で居るのはたまたまそういう気分だっただけであった)

秋尾 鬨堂 > 息を切らせる程ではないが、その移動にかかったコストは早々の一服を必要とした。
カップを傾け、香りと味を楽しむと息をつく。

「良かった。お邪魔というわけでは、無いようだネ」
レディの言葉を額面通りに受け取るのは、紳士の嗜みである。

バレェ。もう、いつのことだったか。拍手には、照れくさそうにはにかみ応える。
「わかるかい?でも、そちらの道よりも―ボクにとっては―楽しい道を、見つけてしまったんだ。」

ティーカップを置く。
注文のランチが来るまでの間の、ちょっとしたお喋り。
「キミは、ここで何か、今までの人生とは違う道を―見つけたかな?」
個人面談じみてはいたが。

アリストロメリア > (バレエ後に席へと座り、カップを手に取りお茶を手にする仕草も実に様になっていて美しい)

ええ、勿論
一人でのランチでしたので、ご一緒できて嬉しいですわ
(にっこりと微笑む)

(あの大技を簡単にこなせると言う事は、そうとう鍛錬した者だろう)
ええ、勿論……私もほんの少しだけですけれど、一時期バレエをしておりましたから
グラン・フェッテは最終目標の憧れの技ですし――……
(男性の方の技は、なんて言ったか。等と思いながら)
先生がそんなに夢中になる楽しい道というのは、何か気になりますわね
(『教えて頂けます?』と尋ねて)

今までの人生と違う所……そうですわね、新しい生活の一人暮らしでしょうか?
それ以外は、元々魔術を学んでいる身ですし 大きな変化はこれと言ってありませんわ
(店員にメニューを聞かれれば『オードブル付きで、本日の魚のランチを』と、答え
それからすぐに、必要なフォークにナイフが用意されていき
すぐににスープが運ばれてくる

今日のスープはオニオングラタンスープだった
じっくりと根気よく炒められ、玉ねぎの味わいが深く引き出されたスープと
スライスされたバケットがこんがりときつね色に焼かれ、浸されたうえにグリュイエールチーズがふんだんに使用され
オーブンで蕩けたチーズと、玉ねぎのコクの深いスープとバケットがとても美味しいスープだった)
……美味しい

先生は、その様子ですと既にお食事を終えてしまったのでしょうか?
(先に頼んで食べていたサンドウィッチと紅茶を見つめつつ)

秋尾 鬨堂 > 「ああ―キミの舞う姿は、きっと美しいのだろう、ネ」
それは、所作から。雰囲気から、言外に伝わってくる。
立場が逆であったなら、キミの方から近づいてきてくれたのかな、などと冗談を飛ばしつつ。

前菜が運ばれてくる頃になっても、アリストロメリアが注文したモノ以外、テーブルに料理は増えていない。
「いやあ…お恥ずかしい。今、食事中というか なんというか」
つまるところ。このサンドイッチがランチ。
食後の一服というわけではない。
ピクニックではない。これが教師たる男の休日の昼食。
これだけが。

「夢中になっているモノのせい、とも言えるかな」
「お金がかかるんだよ、クルマには。」

アリストロメリア > 恐れ入りますわ……照れてしまいますわね
(少し照れつつ返事をする。もし、仮にバレエを続けていたならば……きっとコーチにして貰いたいと憧れた未来もあったかもしれない)

(スープを楽しみ、サラダを味わい、前菜が運ばれてくる
今日の前菜は、オマール海老のムースと、一口サイズの田舎風テリーヌ
オマール海老の風味が、ムースの柔らかい舌触りと共に口の中に広がり
田舎風テリーヌも、フランス料理のオードブルに相応しい一品で、お肉とお野菜の風味が非常に良い
ハーモニーを奏でていて、これだけでも食べていたいほどに、二つのオードブルはとても美味しかった)

失礼致しましたわ
(成程――……今日はサンドウィッチと紅茶だけだったのかという事に今更ながら気付くと
ちょっとだけ申し訳なさそうに)

車……?
(此方の街中で見たことのある、最新の相当進化した馬車の名前だった気がする
馬が居ないので、きっと『車』なのだろうけれど)
見るからに、高価なお品ですものねぇ……自動で動いておりますし
(機械レベルはヴィクトリアン王朝時代で止まっている彼女には、此方の最新鋭の科学の結晶は
どれもこれも、ハイレベルで想像を絶するものだった)
そこまで夢中になる魅力も是非伺いたいですわね……機会があれば、乗ってみたいですわ
(車について、詳しくないからこそ どんなものか興味も惹かれる
それに、馬を使用しない車もどうやって動いているのか興味があった)