2015/06/29 のログ
■ヴィクトリア > ……てっ!?
う~~いいじゃんかよ
だいたいなんでボクを蹴飛ばしてたお前がそんなこと気にすんのさ?
【拗ねる。ココぞとばかりに体を押し付ける】
ふざけんなテメエいまさら他人行儀も何もないだろーに
ヤバイッつってもお前がフツーに生かされてる以上、なんかあんだろーよ
もしくは首突っ込んでほしくないってゆー安全確保ってやつだ
アレだ、案件がヤバイんじゃなく、出来ることならこっち側にこないでおとなしくしてて欲しいってやつだ
んで、お前がどっち選ぶかだけじゃねーか
そん時にボクが一緒ならついてくに決まってんだろーよ?
【そしてやっぱり至極もっともなことを言ってのける】
■犬飼 命 > 「……イライラしてた時のは忘れろ。
今はてめぇのことは大事に思ってんだからよ。
……一応な」
拗ねる割には体を押し付けてくるのでイラッとした。
なので耳を甘咬み。
「ハッ、そうなんだろうな。
面倒なものは処分したほうが一番早い。
風紀委員にぶち込まれたおかげかそういうのは解るようになったさ。
でもな……。
俺がいつまでもおとなしくしてられるわけねーだろ。
なんて呼ばれてるかわかってるだろ?
凶犬だよ。
噛み付いでても探しに行くに決まってんだろうが。
そんとき着いてくるのは勝手にしろ。
だがてめぇが危なくなっても俺の手に届かないところなら助けに行かねぇからな」
凶犬の笑みを浮かべた。
それにしても周りくどい、素直に近くにいれば必ず助けると言えばよいのに。
■ヴィクトリア > っ………………!!?
【甘咬みされたら、言葉にならない
こういうのにはどうしようもなく弱いのだ、もともとそういうふうにできている】
…………んじゃ、決まってんだろ
お前がそうだって言うなら……
そんときゃボクだって一緒だ
【抱きついて、分かってんだろバカとばかりに胸に顔をうずめた】
■犬飼 命 > ヴィクトリアから主導権を奪うにはこれが一番だ。
機嫌が悪い時や拗ねた時に特に効果的であった。
「あぁ、わかったよ。
てめぇを一人になんかさせねぇよ」
ヴィクトリアの頭を優しく撫でる。
こうして今日も二人はお互いに身を寄せ合うのであった。
ご案内:「犬飼宅」から犬飼 命さんが去りました。
ご案内:「犬飼宅」からヴィクトリアさんが去りました。
ご案内:「その悪夢」にウィリーさんが現れました。
■ウィリー > ――見渡すかぎりの世界が炎に包まれていた。
呼吸すらままならない。肉の焼ける臭いと、叫びと、呻きが地を呪いに染める。
これは、人が招いた煉獄である。
かろうじて命を繋ぎ、助けを求めている当人たちが招いた、一つの島を、絶望に染める災厄。
「どうしてこんなことをしたんだよ……どうして……」
痩せこけた男が、杖を支えにして絞りだすように問うた。
■ウィリー > 『――知らしめるためだ。魔術が、科学と同様に正しき文明であることを
故に、彼らの願いを叶えた。我々の力を以って』
しわがれ声が、痩せこけた男――ウィリーの問いに答える。
声の主は、人を薪に燃え盛る炎の中から姿を表した。
それは火を全く意に介さずウィリーの背後に立った。
同時に炎の勢いが、更に強まる。
人どころか、この土地も、そして空さえも焦がすように燃え盛る。
『ウィリアム。これこそが彼らの望みだったのだ』
天を衝く炎を仰いで、それはそう言った。何の感慨もなく、そして
この惨状があたかも当然であるかのように。
■ウィリー > 火の中に見えるのは、黒く炭と化した兵士「だったもの」。
陽炎のゆらぎの向こうにあるのは、恐らく兵器の類だったろう鉄の塊。
それらは、何者かと何者か――ここに今生きて立つ二人以外の――同士の戦いに用いられていたものであった。
ここは何の変哲もない、いつの世にあっても変わらぬ戦場であったはずなのだ。
だというのに。
互いの正当を主張するべきものたちは、消し炭と化していた。
敵も味方も、兵士も民草の区別もなく。
それらは全て、焦土と成り果てていた。
『彼らは願った。争いのない平穏を』
■ウィリー > 「違う……! これのどこが……こんな地獄が平穏であるもんか!
師匠、あんたは狂ってる! 誰もこんなものを望んじゃなかったはずだろ!?」
何もかもを燃やし尽くして、灰燼と化す。
問題の全ては確かに解決するだろう、なにせ当事者の全てが
失われてしまうのだから。問題など起きようはずがない。
だが、それは全く間違った答えのはずだ。
『ああ、確かに狂っていよう。
こうして全てを焼き払い、消し飛ばし、虚無へと返す、
この行為は完全に狂っている。どんな建前があったにせよ、
全てを、何もかもを滅ぼす力に意味などはない』
ウィリーの答えに、頷いて満足したというように笑った。
しわがれ声が、深く落ち着きのある声へと変わる。
それと同時に、燃え盛る戦場の光景が一瞬で真っ白な空間にかきかえられた。
『狂気は誰かの願いや祈りも全て、力を行使するための建前として利用する。
力を持ち、力を求めるのであれば。ウィリアム、この悪夢を銘記せよ』
『魔術であろうと、異能であろうと、文明の利器であろうと。
それは己を飾りつける装身具ではなく、お前がお前として生きるための道具にすぎぬ』
『道具は正しく用いよ。そして、お前の道を正しく切り拓けウィリアム。お前の敵は、すぐそこまで近づいている』
■ウィリー > 「師匠、あんたは何を……」
『さあ、目覚めるといい。伝えるべきことは伝えた。再び、研鑽の日々に舞い戻れ』
「師匠!!」大声を挙げて、腕を伸ばした。届くか、届かないか――
「っ……」結局届かなかった。
つきだした腕は自警団宿舎の天井に向けられていて空を掴んでいる。
ひどい、ひどい夢だった。
悪夢というにはおぞましすぎて、思い出すだけで背筋が凍る。
あの燃え盛る火は、師匠とは全く関係ない、もっと幼い時の記憶から引き出されたものだろう。
まだ魔術での戦いが当たり前であった頃に焼き付けられた、恐怖のシンボルと一致する。
そして、破壊された兵器の類はこちらにきてからのものを想起させたに違いない。
少なくともイギリスの田舎にあんなものはなかったのは確かだ。
こうして分析していくと、今の悪夢はたんなる「夢見の悪さ」でケリを付けたくもなるものだが――
「だが……」
師匠の存在だけは、どうにも腑に落ちなかった。彼は非常に具体的な警告をしていたからだ。
トラウマを引き出してまで警告した力のこと。そして、いずれウィリーに迫り来る何かがいること。
それは、ウィリーだけでどうにかできる問題ではないし知り得たことでもない。
「まさか、まさかとは思うが……夢に入り込んできたか」
ウィリーの師匠たる魔術師は、精神に影響を及ぼす技術に優れていた。
自ら肉体の軛から解き放たれて、誰かの身体に乗り移るだとか、
もしくは動物を操るといった超自然めいた真似すらできたのだ。
「……それにしても、死んでからとっくに何年も経つってのに。あの人はおせっかい焼きもほどほどにしろよ」
額の寝汗を拭って、一つため息をつく。
「……ありがとうございます、師匠」
【けして忘れてはならない、ある日の悪夢のこと】
ご案内:「その悪夢」からウィリーさんが去りました。