2015/07/02 のログ
ご案内:「ドリームランド《700階段》」に食屍鬼さんが現れました。
食屍鬼 > 島民専用の情報蓄積SNS《ドリームランド》
その内部に一般ユーザーがアクセス出来る70段の階段をがあり、さらにプレミアムユーザーが権限を持つ700の階段を降りたその先に、《深き眠りの門》と呼ばれる、《ドリームランド》のセキュリティがある。
この奥には管理人しか立ち入れない。
その門の前に、ボロ布を纏うやせ細った長身のグール。食屍鬼と名乗るハッカーのアイコンが立っていた。
この奥に、ドリームランドが今まで蓄えてきた情報の数々が眠っているというわけだ。
別に情報に興味はないが、最近セキュリティをアップグレードしたというので、この宝箱好きのグールの目に止まったというわけだ。
ご案内:「ドリームランド《700階段》」から食屍鬼さんが去りました。
ご案内:「ドリームランド《700階段》」に食屍鬼さんが現れました。
■食屍鬼 > 「ああ、かてぇなこりゃ。堅物で身持ちも堅いメガネ女だ。」一目見てわかる、政府機関でも使用されている特上のファイアウォールだ。
《氷》(Intrusion Countermeasure Electronics(ICE:侵入対抗電子機器)の略称)もガッチガチ、上から下まで固めて顔もわからねぇ。
だが、そいつをなだめすかして服を一枚一枚はいでいって、最後にメガネも外させてファックするのは最高に気持ちいい。
「まず、よぉーく話し合わないとな?」前方の空間に手をかざし、意識を集中させる。
電脳空間に散らばる電子データの波を感じ取り、その中に存在する《何か》に呼びかける。我もとに来たれ、と。
■食屍鬼 > データの流れが手をかざした先に渦巻き、小さな人型を取る。
役割を定義する。そは停滞者、流れを遅らせ、留める者。
名前を定義する。その名は、ウィザード・スプライト。
データの渦が光を放つ、それが収まると、そこには三等身にデフォルメされた魔女のような服装の存在が、立っていた。
これが俺の異能、《スプライト》という存在を作り出す(あるいは呼び出す、どちらなのか俺は知らない。)、これは俺が知る限り既存の技術にも魔術にも似たようなものは存在していない。
俺はこいつらを電子の妖精だと考えている。日本じゃ古い道具に神が宿るという、なら電子データだって随分と歴史を持つ存在だ、そんなのに宿る何かがいてもおかしくはないだろう。
■食屍鬼 > 「さぁ仕事だ、警報抑制を頼んだ。」俺はスプライトに命令する。スプライトは基本的に俺に好意的だ、頼めば出来ることはなんでもやってくれる。
ただ、あまり長時間は存在していられない、長くて8時間ってとこだ、あるいは頼んだ仕事が完了したらどこぞへ消えてしまう。もっと長期間の仕事を頼みたい時はある手順を踏む必要があるが、今は不要だろう。
スプライトがファイアウォールが警報を発するのを抑えている間、俺は好きなようにこの堅物美人をいじくり回せるってわけだ。
こめかみからコードを引き出し、ファイアウォールにつなげる。
まずはデータのクズからかき集めて復元した、以前使われていたパスワードを片っ端から打ち込む。
■食屍鬼 > もちろん全部弾かれる。一定回数以上入力に失敗すればもうアクセスできなくなるものだが、それはスプライトが抑制している。
「まぁこれで開いちまったら、逆に興ざめだよなぁ?」
なら次は地道に行こう、もう一体、スプライトを呼び出す。
役割を定義する。そは内通者、深く静かに潜行し、情報を流す裏切り者。
名前を定義する。ベトレイヤー・スプライト。
データの奔流から現れたのは、黒いフードを目深にかぶった三等身の人型。
■食屍鬼 > かざす手はそのままに、俺はもう一度念じる。長期間の仕事を任す、《レジスター》のためだ。
仕事を登録する。防壁に潜み、通る者の情報を集めろ。
期間を登録する。一週間、終わったら戻ってこい。
生体ペルソナ、食屍鬼の精神内に存在するサイバーデッキの領域を、一部分け与える。これでこのスプライトは仕事を終えるまで存在し続ける。
あまりたくさんを《レジスター》するとまともに生体ペルソナが使えなくなる。
他にも情報収集に使っているのがいるから、ここは一体だけで十分だろう。
■食屍鬼 > ベトレイヤー・スプライトが防壁の中に潜り込む。もちろん防壁は何の警報も発せない、それは抑制されているし、スプライトは既存の技術で探知するのは難しいのだ。没入した人間の目でもないとはっきりと捉えられない。
俺は接続の痕跡を注意深く消してから、直結していたコードを外す。同時にウィザード・スプライトが仕事を終えたと判断し、データの流れへと消える。
「さぁて、あとは管理人がここを何度通るかだな。」頻繁に通るなら割合早く情報が集まるが。まぁそれは一週間後のお楽しみだ。
「あー腹減ってきた、飯でも食うか。」ひとりごとを呟きながら、700階段を登って姿を消す。
ご案内:「ドリームランド《700階段》」から食屍鬼さんが去りました。
ご案内:「犬飼自宅」に犬飼 命さんが現れました。
ご案内:「犬飼自宅」にヴィクトリアさんが現れました。
■犬飼 命 > テスト期間も後半に入る頃、教科の選択によってはすでに試験が終了している生徒もいる。
犬飼もすでに試験を終えた一人である。
帰宅するなりリビングのソファに仰向けに倒れる。
頭をかき上げお疲れの様子。
今日に限って受ける試験が詰め込まれていた。
しょうが無いとはいえ運が悪かった。
余計な知恵を使った気がしなくもない。
「飯作る気力もねぇ……」
わざわざ小さな人影に聞こえるようにつぶやいた。
■ヴィクトリア > めしー、はらへったー!
ごはんーしょくじーやしょくー!
【同様に試験期間中だというのに何の関係もないような態度
ま、代理のやつと会ってすぐ動くというのでは明らかになんかあったって言ってるようなものなので
その辺もあってテスト期間中は例の件を放置しておいたのだ】
せっかくお前のテストが済むまで待ってたってのになー
しゃきっとしないかしゃきっと、これからだらだらすんだろ?
【言いつつ、手元のボードに文字を記す
「お前の兄貴の件だ、ヤバイことはしゃべるなよ」と】
■犬飼 命 > 「うるせぇなぁ……カップラーメンでいいだろ」
気怠そうに腰を上げると安売りのカップ麺を用意して湯を沸かし始める。
沸騰したやかんが音が鳴り響く。
ヴィクトリアの前にお湯の注がれた大盛りカップ麺の醤油味が用意される。
文句言うんじゃねぇよと言いたげな顔だ。
「だらだらってなんだよ、夏だから海に行くつもりかぁ?
人がうじゃうじゃいるだろうによ……。
っ!?」
差し出されたボードの文字に目を見開く。
睨むようにヴィクトリアを見つめる。
いつの間に無茶してんじゃねぇと言いたげだ。
すぐにボードを注視する。
■ヴィクトリア > ……何もこんな時にショボ飯でなくたっていーだろうによー
【気だるそうに言いつつ、記される文字は
「驚いたことにお前の兄貴の情報はボクでも”読めない”
だけど、公安が絡んでるところまでは理解してる
だから……あの”害来種”のIDをガメた。
コレで公安とロストサインに関して両方のアクセス権限で読めるってこと
ほっときゃ素性をめくりに行くが、なんか要望があるなら適当に書け」】
どーせ、お前がそーしたいと思ったんなら一緒に巻き込まれんだからさー
【要は、お前が望むならなんでもする……そういうことだ
実際、正体を探るというならいつかはその必要があるが、まあ、なんかあったらタダでは済まないともいえる】
■犬飼 命 > 「たまにはいいだろうが、わざわざてめぇの分の飯を作ってやってる俺の身にもなれ」
読めないとは一体どういうことか、『局長』の権限を保有しているヴィクトリアが?
非常にきな臭い、これ以上探るというのはつまり蛇の居る藪を突くということだ。
だからといってここで止まる訳にはいかない。
ボードに文字を書き込む。
『公安に居たのは間違いない、まずはソッチの方向からだ。
ロストサインの事件との関係も気になるがそれはその後だ。
後は……』
書く手を止めた。
「巻き込まれるって言う割には一人で先走ってんじゃねーよ!
夏の陽気で浮かれでもしたか!?
迷子になって泣きべそかかれても困るんだよ……!
ちゃんと俺のそばに居ろってんだ……」
つまりは、一人で探さず一緒に探せ……ということだ。
危険な臭いがする、見えないところでくたばられては困るということだ。
■ヴィクトリア > 【犬飼宅でなぜここまで面倒な対応をやるかといえば、盗聴の危険があるからだ
正確に言えば「盗聴をされていても問題ないようにする」ことで「逆に発覚しづらいようにしたい」ということだった
注意されていることは、逆にそこをくぐってしまえば網を抜けやすいからだ】
あと……海はあんま期待すんなよ?
【ヴィクトリアはインドア派ではないが、とにかく体型が貧弱だ
故に、水着などにはあまりなりたくない、犬飼の前であればなおさらだ】
しかたねーなー、んじゃいただきまーす
【ずるずるとすすりながら
「バカそんな余計なダブルミーニングわざわざ出すなよな……ボクを殺す気かよ
いくぜー?」
当然、ID権限とアカウントを同時に利用した上で公安情報部の閲覧とハッキングとなると、通常に比べだいぶ楽だ
正確にはハッキングというよりほとんど正規ルートと偽装程度で済むのだから
もっとも、何度も繰り返し使える手でもないから、今回拾えるだけ拾う
犬飼にも通るよう、タブレット型のPCを3枚転がした上でテーブルの上で見せて寄越す】
なー、せめてネギとかもやしなかったのか?
具が小っちぇぇ……
【大体のデータはどうでもいい、大事なのはロストサイン周りの件と所属だ
もちろん、問題の無いよう保存しつつゆっくり進めていく
もともとロストサインから公安ってのが基本的な話である以上、その件からたどるのがわかりやすい
というのに手がかりが基本的にない
抹消されたということでもないように思えるが、名簿にない以上、深く探るしか無い
……だが、嫌なものがヒットした】
……!?
【思わず声が出そうになるのをすすってごまかす
なんだ、これは……マジであったのか……?
” 公 安 第 十 三 特 別 教 室 ”
此処から先の閲覧は、ヤバイ】
■犬飼 命 > 「てめぇの水着姿には最初から期待してねーから安心しろ」
体型にコンプレックスを抱いているのは知っている。
期待できないのはわかっている。
しかも普段から猫耳パーカー姿だ、水着のセンスも期待できなさそうだ。
「あいにくもやしなら昨日使っちまった。
ネギもないから諦めろ」
犬飼もカップ麺をすすりながらタブレットを凝視する。
どういう方法で情報を抜き出すかなんて知らなくても別にいい。
得意分野は任せておけばいいのだ。
流れてくる情報もほとんどがよくわからないが。
『おい、なんで止まってんだよ。
何が見つかったんだ?』
ボードに書き込む。
タブレットに表示された『公安第十三特別教室』。
そんなもの聞いたこともない。
ヴィクトリアに顔を向ける。
■ヴィクトリア > 【タブレットはいくつか周りを経由したりしているし、あと、予備でもある。
本来、ヴィクトリアは情報処理用の人形であるから、こういった道具などそもそも必要ではないのだが
こういった物理的要因を用意したりすることでさらに固めている
ついでに言うなら傍目にもそれっぽいしヴィクトリアの自意識としても自然だ
犬飼宅で、というのは下手に珍しいところに行って目立つ行動をしないし場所的にマーク済だからだ
今回を抜ければ大幅に有利になりやすいと踏んでいる
「……止まるなら、ここだ」
コレを超えれば、帰ってこれなくなる可能性がある」
嫌な汗が出るが、心拍数は抑えたまま、問う
「この名前自体、最終警告なんだよ
そもそも基本的にたどり着いちゃいけない場所だってことだ
……第十三特別教室なんてのは最初から『公安に無い』んだからな?
つまり、関わったら最後、日常は送れなくなる可能性がある
もう少し言えば、人間でいられなくなる可能性がある、ボクもろとも、だ」
踏み込むなら、IDの剥奪どころか何の権限も守られないだろう
犬飼の首輪だって警告にすぎない
噂にしか聞いたことのない十三教室が看板として掲げられているなら
……コレ以上は、ボクでも保証はできない】
もやしもネギもないとか……お前どんだけ
【犬飼、お前どんだけヤバイ案件に首突っ込んでんだよ
とは思うが、言わない
ボクは犬飼の便利な道具でいい、コイツがボクを頼ってくれるならそれでいい
「……どうする?
お前が行きたいなら、ボクは拾いに行く………………どうなっても、いい
コレもひとつの真実だと……止まるのも、アリだ」】
……んぁ、やっぱカップ麺じゃ世知辛いなァ
【インスタントの軽い食事の音がやけに響いた】
■犬飼 命 > 「……」
唾を飲み込む。
帰ってこれなくなる、つまりはそういうことだ。
これ以上進めばヴィクトリアも巻き込んでそういう目に遭うということだ。
存在しない公安の十三教室それは真っ暗な闇だ。
入り込めば二度とは抜け出せない闇。
それでも進むことに迷いはない、一人であったなら。
これはヴィクトリアが居たから事たどり着いた。
ここで諦めてすべてを忘れてしまえば何事も無く平穏な学園生活が送れただろう。
ヴィクトリアとも一緒にこのまま平穏に過ごせただろう。
「わりいな……ネギなくてよ……」
ボードに書き込む。
『一緒に沈んでくれ』
たったそれだけの言葉で意思を表示した。
「腹で満たせないなら別ので満たせばいいじゃねぇか……」
後ろからヴィクトリアを抱きかかえて。
『よろしく頼む』と書き込んだ。
■ヴィクトリア > 【やっぱりな、と思う
ま、しゃーない、コレを持ってきたのはボクだし、コイツもこれに縛られてる間はそもそも生きてないんだろう
ボクも大して変わんない……コイツがいないと一人で眠るのだって怖い
つまり選択肢なんかないんだな……そんなもんだ
「よーし、んじゃ行くぜ?」
答えは軽い、いつもどおりの言葉、ボクはもう犬飼と一緒なんだなって思った
……コイツなしじゃどこにもいけない
ただ、ここに入る時点でもう、ヤバイ
ここからは時間勝負だ……代わりに、犬飼の袖をきゅっと抱いた】
……別っていうけどな、お前その別って意味ワカってんだろな?
【……一見してヤバさがわかる。アクセスを気取られたら、その時点で終わる
慎重に進む……良くてアクセスが利くのは数回だ、それ以上は枝が生える
ヴィクトリア自身は優秀な端末だが、万能ではない
かろうじて、なんとかアクセスは出来る……が
「う……わ」
ヤバイ
アクセスがどうこうというのじゃなく、十三教室の存在意義とその内容だ
一言でいえば、都合の悪いことは全部なかったことになる、そういうことだ
しかも、その中でも『極秘任務』これは、触れたらヤバイ
「名前あったぜ?
この先は保証できないけど、いくぜ」】
せめてずっと一緒にいてくれるって……そういうことだって思っていいのか?