2015/07/05 のログ
ご案内:「薄暗い教室」に惨月白露さんが現れました。
ご案内:「薄暗い教室」に湖城惣一さんが現れました。
惨月白露 > 先導するように薄暗い教室へと入っていく、

「それじゃあ、どうぞ。」

扉を後ろ手で抑えながら、彼に先に奥に入るように促す。
唇を舌でなめると、片手を唇に当てながら妖艶にほほ笑んだ。

湖城惣一 > 「…………」
 奥に入れ、と言われるならばそうせざるをえまい。
中に何があろうと関係はない。いつだってそうやって渡り歩いてきた男だ。
 何歩か奥に進んで、ゆっくりと振り返る。
「さて、どうするつもりだ?」
 ここまで連れ込んだ意図。まさか本気ではあるまい、と推測立てながら。

惨月白露 > そのまま扉を閉めると、カチャリ、と鍵をかけた。
特に仕掛けは何もない、普通の部屋のようだ。
そのままゆっくりと窓際のほうに歩くと、カーテンを閉め始める。

「え、どうするつもりーって、
 おにーさんもしかして初めてだったりします?」

くすくすと笑いながら最後のカーテンを閉めると、
くるりと彼のほうに振り返った。

「……大丈夫、ちゃんとリードしてあげますよ。」

教室の中はカーテンから透ける光と、
入口の扉の小窓から差し込む光だけに照らされるのみになる。

『彼』のその笑みは、本気なのか本気じゃないのかを察させない、
そんな不気味な魅力を放っていた。

湖城惣一 > 「…………」
 ここまで来てはぐらかされるとは思っておらず。
もう一度大きく息を吐いてからゆっくりと白露を見つめる。
「君が彼から何を取ったか。それを教えてくれるならば無理強いはせん」
 何を奪ったかによるが、と付け足しながら。
「風紀・公安嘱託委員。湖城惣一だ。……意味は分かるな」
 魅了の力を持つものとは何度も渡り合ってきた。
故、そういった代物に対しては耐性を持つが――。
 それらとはまた別ベクトルの妖しさがある。
もしクラスメイトとして出会っていたら、動揺していたかもしれない、と。

惨月白露 > 「彼から奪ったものー、ですか?
 ファーストキスと貞操ですかねー。」

どこまでも真面目な彼に、くすくすと笑いかける。

「へー、公安にも風紀にも所属してるんですね。
 おにーさん、もしかして結構偉い人だったりします?」

ゆっくりとベストを脱ぐと、
ワイシャツのボタンを上から順にゆっくりと外して行く。

「―――ほら、おにーさんも脱がないと。」

身をかがめて後ろに手を組む、
外されて大きく肌蹴た胸元が、彼の目に入るように。

湖城惣一 > 「――――えらくはない。ただ依頼を受けているだけだ」
 律儀にそう答えながらも。相手のその態度に少しだけ唸った。
 なるほど、よほど肝の座っている相手だ。明らかに場馴れしている。
 相手がゆっくりと脱いでいくその姿を眺めながら、言葉を続けていく。
「例えば」
「君が彼から奪ったものが、薬、武器、精々その程度ならば俺は君に関与しない。
正義を語るつもりもない。だから君が彼から奪ったものを見せてくれ」
 淡々と。無表情に。わずかに眉を寄せながら。
 戦うことが怖いわけでもなんでもない。これは誠意だ。目の前の彼は敵ではない。
"何か"が重要なものだったとしても。剣を合わせることがあっても。
そこは変わりはしない。
「…………悪いようにはせん」
 胸元をはだける彼の目を真っ直ぐに見据えながら。
無表情な瞳が、見つめる。

惨月白露 > しばらくにこにこと笑っていたが、やがてハァ、と息をつく。
声色を戻すと、近くの机に気だるげに腰掛けた。

「―――ったく、ここまでやっても目一つ逸らさないとはな。
 アンタ、真面目そうに見えて結構女慣れしてるのな。」

肌蹴たワイシャツのまま、近くの机に腰掛ける。

「さすがにまぁ、脱ぎだすことはないにせよ、
 目をそらしたらそこでバッサリやるつもりだったんだけど。
 ―――やるじゃん、惣一。」

後ろ手に隠していた短刀を投げ捨てる。
音をたてて、短刀が転がった。

「あ、これ以外に武器はないから、乱暴はよせよな。
 乱暴したら、この姿のまま悲鳴を上げるぞ?
 抵抗むなしく武器を奪われ、服も脱がされかけの美少女。
 で、ここは委員会街だ。どうなるかはわかるよな?」

にやりと口元を歪めると、
ポケットから小型の記録媒体を取り出し、彼に見せた。

「特に重要なものじゃねーよ、あいつが調べてた公安のデータだ。
 ま、どうせバックアップの一つ二つはあるんだろうけどな。」

湖城惣一 > 「女慣れはしていない。ただの場慣れだ」
 淡々と、白露の声が変わろうと、湖城の表情は変わることはない。
実際、湖城という男はそういった経験は皆無だ。
 だが、一度"斬るか斬らぬか"の段まで達してしまえば、
その場にいる全ては男も女も全て等価値に薄まるだけで。
「……なに、これしかとりえのないものでな」
 賞賛の色が事実かどうかは、人の心に鈍感な彼には分からない。
 ただ真面目であるだけだ。
「言っただろう、悪いようにはせんと。
声をあげようと一向に構いはせんが、それで困るのは君のほうだ」
 そう言いながら軽く手を差し出して。
「念のためデータを確認させてもらう。投げて寄越してくれ。
 特に問題がなければそっくりそのまま返そう。
 君の素性も問わんし、わざわざ取り押さえることもない。
 データの内容によっては没収させてもらう」
 事務的、というわけではないが。できるだけ真摯であろうと務めている。
表情も声色も変わりはしないが、ただ相手の目だけを見据えている。

惨月白露 > 「ま、別にいいけどな、俺が使うわけじゃねーし。」

彼のほうに記録媒体を彼の手に向けて投げる。

「あ、でも没収されるとすっげぇ困る事になるから、
 できれば没収はしないでくれないかな。」

中身はごく普通の公安の内部資料だ。
特に何が書かれているわけでもなく、特に重要というものではない。
ただ、全てが公安の内部機密であり、
公安外部や公安の下層の人間には知りえない内容ばかりだ。

「場慣れ、ね。俺も結構場慣れしてるつもりなんだけど、ちょっと鈍ったかな?」

肌蹴た胸元を人差し指で開いたりしながら、
彼がデータを確認するのを待つ。

「俺、可愛く無かったかな、それとも好みじゃなかっただけか?」

湖城惣一 > 「…………」
 投げ渡されたものが、本物か偽物か、その投げる仕草から分析しつつ。
受け取れば携帯端末によってその内容を精査する。
なるほど、少なくともこのメモリに入っているものは大したことがない。
公安の内部機密、とはいっても、これが漏れたところで大きな差は出ない。
 どうせ漏れるときはあっさり漏れてしまう程度の資料だ。
「この程度なら大したことはない」
 言いながら。これが本物であれば今度はそちらに歩いて直接手渡すだろう。
大きな警戒を解いた、ということだ。投げ渡して壊れてしまっても彼が"困る"だろう。
「さて。君が本来の得物で最初から俺を殺すつもりであったならば分からん。
俺は自分の強弱を測ったことがないからな」
 湖城が考えるのは戦いの際、どこまで自分が剣の境地に"沈めるか"だけであり。
そこで相手や自分の強弱を天秤にかけたことは一度もなかった。
「? いや、十二分に魅力的だった。出会った場所がただの教室で、互いがただのクラスメイトであれば、
君の性別如何にかかわらず鼻血の一つでも出したかもしれんな」
 そこは素直に答える。重ねて言えば、彼は古風な男だ。やや純情の気すらある。
だから、シンプルに。

惨月白露 > 「いや、剣の腕じゃなくて、籠絡の腕が落ちたかなってさ、
 純粋な剣の腕のほうでは負ける気はしねぇよ。
 ……まぁ、やってみなきゃわかんないけどな。惣一も結構やりそうだし。」

メモリを受け取ると、それをスカートのポケットの中にしまいながら、
彼の返答に牙を見せて満足そうに笑みを零した。

「―――ふーん、そっか、ならいいや。
 俺もこれくらいしか取り柄が無いからな。」

脱いだ時と同じく、ゆっくりとワイシャツのボタンをとめていく。

「……ああ、そうそう、俺も惣一みたいなヤツはタイプだよ。」

体を起こすと、ゆっくりと入口へと歩いて行く。
『ガチャリ』と鍵を開けると、彼のほうに振り返った。

「じゃ、また会うことがあったら『宜しく』ね、惣一センパイ❤」

ここで彼を見た事と、彼の素性は他人には黙っておいてくれという事だろう。
そう言って最後ににっこりと笑って手を振って、その教室から出て行った。

ご案内:「薄暗い教室」から惨月白露さんが去りました。
湖城惣一 > 「なるほど」
 顎を撫でて思案する。生半なものではかかることはないが。
「まあ、君と積極的に争うつもりはない」
 何度も繰り返した言葉。剣を極めようとするのも、ただ一人の追求を繰り返しているだけで。
敵を切りたいだとか、最強でありたいだとか、そういう感情はない。
「タイプ? ああ、好みのことか」
 歩いて行く白露に対しても、やはり無表情で。
「ああ。また会おう。……もし、困ったことがあったなら言ってくれ。
場合によっては力を貸そう」
 相手に対しては、好いた惚れたとかそういうものではなく、単に好感を持った。
その涼やかで潔い態度は、相手が違法学生であっても特に気になる範疇ではなかった。
まあ、カツアゲじみた行為は問題だったが。湖城にとってそれはさして興味のない問題だったため。
「……名前を聞き忘れたか」
 ふむ、と最後に唸って。彼もまた部屋を後にした。

ご案内:「薄暗い教室」から湖城惣一さんが去りました。