2015/09/13 のログ
■リース・シュヴァイアン > 「ならば少しやり方を変えてみるとするかのう」
純度の高い魔力では失敗
魔術ならぬ魔術
この二つの情報から導き出す答えは一つ
「これならどうじゃ…?」
ならばより不安定な魔力で魔術を発動させようとする
先ほどよりも出来は良くなっており微かに黒く光り
■リース・シュヴァイアン > 「なるほどのう…しかしこれでは気を抜いたら暴発してしまうのう」
そう、不安定な魔力を注いでるのだから暴発しやすいのである
その不安定な状態で上手く制御するかがポイントであるとみて
そしてこの魔術、不安定な魔力であればあるほど効果を発揮するのである
常に魔力暴発のリスクと戦わなければならない
そう、思考錯誤しながらリースは一人で魔術の研究をしていく
■リース・シュヴァイアン > 「…」
とてつもない集中力に魔力の生成精度
少しでも気を抜いたら暴発してとんでもないことになる
そうした中リースは魔術を練っていき、まだまだ完成とはいえぬが徐々にその形はなっていく
この試行錯誤を何回も繰り返していき
ご案内:「風紀留置所」からリース・シュヴァイアンさんが去りました。
ご案内:「風紀拘置所」にリース・シュヴァイアンさんが現れました。
■リース・シュヴァイアン > リース・シュヴァイアンはまだ留置されている状態にある
いままで何もなかったのはこの少女の扱いに困っていたからであろう
問題児な上にその魔力破壊力は厄介なもの
処遇も保留にされてきたのもそのせいであろう
その本人と言えばあいも変わらず特殊な魔術を組み上げようと躍起になっている
看守からは見えないような絶妙な角度でその練習に励んでいて
■リース・シュヴァイアン > 「くく…あーっはっはっは…!ついに完成したぞ…」
ついにその魔術は完成する
その魔術は魔術にして魔術ならざる不安定であやふやな存在の魔術
それの魔術は魔術が使えない空間、制限をかけられていても使用が可能
現在はまだできたてなためリースが持っている魔術の中でも下位に位置するものである
しかし
■リース・シュヴァイアン > 「これでさらばじゃ!!ハハハハ!」
その魔術は下級に位置するものなれど壁を破壊するには十分なほどの威力で
その黒い球体で壁に向けて放ち破壊
このまま逃亡すればリースの黄金の剣は損失したままとなる
しかしそれでもいい
自分には魔術と言う強力な武器があるのだから
リースの剣はかなり大切なものであるがそれはあとで取り返せばよいこと
まずは自分の在住しているところに戻ってまともな服に着替えねば
そう考えながら逃亡すのであった
ご案内:「風紀拘置所」からリース・シュヴァイアンさんが去りました。
ご案内:「クローデットのおもいで」にクローデットさんが現れました。
■クローデット > きづいたときには、おとうさまはいえにほとんどいないようになっていました。
ときどき、おかあさまとおとうさまはおでんわでおはなしをなさっているのですが、
『あなたが【レコンキスタ】から逃げなければ、私はこんな思いをしないで済んだのに…
どうして逃げるの?ねえ、どうして私の気持ちを分かってくれないの!?』
おかあさまはおでんわぐちにむかっておおきなおこえでそうさけんで、なみだをながすばかりでした。
おとうさまが、おかあさまになんとおっしゃっていたのか。わたしにはわかりません。
■クローデット > おとうさまのおでんわがおわると、おかあさまは、わたしをやさしくだきしめてくださいます。
そして、こうおっしゃるのです。
『…アルベールと違って、クローデットは私の事を分かってくれるでしょう?』
アルベールというのは、おとうさまのなまえです。
わたしが「はい」といってうなずくと、おかあさまは、なみだをながしたまま、やさしくわらって、わたしのほおにくちづけをくださいます。
『ありがとう、私の可愛いクローデット。
…愛しているわ』
わたしも、おかあさまのことがだいすきです。
おとうさまは………よく、わかりません。
■クローデット > わたしたちのおうちは、「ゆいしょただしい」まじゅつしなのだそうです。
おかあさまは「れんきんじゅつ」と、ほかにも、いくつかものをつくるまほうがとくいなのだそうです。
おかあさまは、たまに「けんきゅう」のために、へやにおはいりになったまま、しばらくでてこられなくなることがあります。
そんなとき、わたしはおじいさまにあずけられるのです。
『お爺様達の言う事をよく聞いて、良い子にしているのよ』
わたしがうなずくと、おかあさまはやさしくわらって
『愛しいクローデット…今日の実験が終わったら、すぐ迎えに行きますからね』
とおっしゃって、わたしのあたまをやさしくなでてから、おじいさまのもとにおくりだしてくださるのです。
■クローデット > おじいさまのもとにでかけるとき、おかあさまはどこかこわいかおをしていらっしゃるようにおもえます。
どうしてだろうとおもってたずねても、
『…何でもないの。クローデットは何も心配しなくていいのよ。
クローデットが良い子にしていれば、何も怖い事はないんだから』
そうおっしゃってわらうおかあさまは、なぜか、なみだをながしそうなおかおにみえました。
■クローデット > わたしはおじいさまにあずけられるのですが、おじいさまがわたしをおそばにおいてくださることは、あまりおおくありません。
おじいさまにも、おばあさまにも、それぞれ「けんきゅう」することがあって、おいそがしいのです。
わたしのめんどうをみてくださっていたのは、いつもひいおばあさまでした。
まっしろなおかみ。うさぎのようにまっかなめ。
『いらっしゃい…よくきたわね、クローデット』
ひいおばあさまはベッドにふせっていらっしゃることがおおいらしいのですが、わたしがいくと、いつもげんかんまでおむかえにきて、わたしをやさしくだきしめてくださいます。
■クローデット > わたしは、おかあさまがおむかえにきてくださるまで、ひいおばあさまのおへやで、えほんをよんでいただいたり、かんたんなまほうをおしえていただいたり、ひいおばあさまのむかしのおはなしをきかせていただいたりしてすごすのです。
そんな、あるひのことでした。
「ひいおばあさま、このしゃしんのかたはだれですか?」
すこしせがのびて、たなのうえがまえよりもみえるようになったころでした。
わたしは、ひいおばあさまのベッドのおそばのたなのうえに、しらないおんなのひとのしゃしんが、くろいふちにいれられてかざられているのにきがついたのです。
わたしのしつもんをきいて、ひいおばあさまは、とても、かなしそうなおかおをなさいました。
■クローデット > わたしは、きいてはいけないことをきいてしまったのかとおもって、ひいおばあさまに
「ごめんなさい」
とあやまりました。
ひいおばあさまは、かなしそうなめをしたまま…それでも、やさしくわらってこうおっしゃいます。
『いいのよ…その子が、ベルナデットがもういないのは…くろーでっとのせいじゃないんだから』
そのしゃしんのおんなのひとは、「もういない」。
そのことばのいみは、わたしも、なんとなくわかるきがしました。
『………ベルナデットの話、聞いてくれるかしら?』
それでひいおばあさまのかなしみがはれるなら、とおもって、わたしはうなずきました。
『………ありがとう、クローデット』
ひいおばあさまのほおを、なみだがいっぽん、ながれていきました。
■クローデット > 『…魔術師はね、昔は隠れて魔術を研究していたの。
おとぎ話だと思われていたし…もっと昔は、不思議な力を使うそいつらは悪魔の手先だからと、殺されてしまっていたから』
ひいおばあさまから、なんどもきいたおはなしでした。
ひいおばあさまはむかしは「しろまほう」がとくいだったそうなのですが、ひいおばあさまのひいおばあさまは、「しろまほう」があってはいけない、という「きょうかい」と、なんども「けんか」をしたのだそうです。
それで、すごくかなしい、さびしいおもいをしたと、ひいおばあさまは、ひいおばあさまのひいおばあさまからおききしたのだと。
『でもね…そんなある日、ここではない世界から、たくさんの人がやって来た。
魔法じゃない不思議な力を持つ人も、一杯出て来た。
それで今の世界がある話は、クローデットも知っているでしょう?』
それは、いろんなかたから、なんどもきいたおはなしでした。
『世界は、変わってしまった』と。
『最初、私達の世界はそんな人達を怖いものだと思った。
…今もそうなんだけど、今よりも、もっとね。
だから、私達魔術師が、そんな人達を追い払うように、頼まれたの。
私と、あなたのひいお爺様。…それに、あなたのお爺様と、その妹の、ベルナデットも、それを引き受けたのよ。
…それで頑張れば、きっとみんな、魔術師の事を分かってくれる。…そう、思ったから』
ベルナデットというしゃしんのおんなのひとは、おじいさまのいもうとだったのだそうです。
でも、しゃしんのなかのベルナデットおおおばさまは、おわかいままのおすがたでした。
■クローデット > ひいおばあさまは、いまにもなきだしそうなおこえになりながら、おはなしをつづけてくださいました。
『でも、ここではない世界の魔法も、魔法じゃない不思議な力も、私達にとってもよく分からないものだった。
だから、追い払おうとするのは凄く大変だったのよ。
私達の仲間の魔術師も…何人も、何人も殺されたわ。
…ベルナデットも、その1人で…』
そして、ひいおばあさまは、すらすらとおはなしになることができなくなってしまいました。
それでも、とぎれとぎれにおはなししてくださったのです。
ベルナデットおおおばさまは、ひいおばあさまのめのまえでころされてしまったこと。
ふしぎなちからのほのおでやかれて、それはひどいおすがたになってしまい…ひいおばあさまがとくいとしていた「しろまほう」をつかっても、いきかえらせてさしあげることができなかったこと。
みためをきれいにするだけで、せいいっぱいだったこと。
それがあまりにかなしくて、ひいおばあさまのかみが、まっしろになってしまったこと。
ひいおばあさまは、むかしはわたしとおなじ、ぎんいろのおかみをしていたのだそうです。