2015/09/29 のログ
ご案内:「実習室」にダナエさんが現れました。
ダナエ >  
──ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス……
  ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス


実習区の一画にある実習室の一室。
マジックアイテム作成に必要な道具が置かれている教室に、
異形の重騎士が現れる。

「……ここが作成室だな」

中に入りかけて戸口にゴゴンと歪んだ大盾をぶつけ、
おっと、と声が漏れる。


室内には微量の魔力が漂い、各種道具の不思議な匂いが充満している。
教室の後ろの棚の上に並んだ、
生徒が作成途中の作品を興味深げに眺めて。

作業台に教師に勧められた本や揃えた材料を乗せ、
立ったまま付箋のページを開く。
先日図書館でもらったアドバイスのメモも横へ置き、
両腕のガントレットを外す。

ダナエ > 作業台の上の金属製の筆立てから、
魔法石でできた色とりどりの石筆を種類に注意して選ぶ。
光沢のある茶色のそれを手元に置いて、準備は完了。

「……さて」

まだ何も描かれていない、紙製の符の皺を手で伸ばす。

これから造ろうとしているのは、
一時的に鎧の重さを軽減するための魔法を込めた護符。
風属性とは相性が悪いので、以前もらった進言通り
土属性の重力操作で重みを軽くしようとしている。
だがド素人なので、
目的通りの護符にはならない可能性が高い。

チラチラと本の紋様を手本にしながらゆっくりと、
魔法石の石筆で土の神の威を示す紋様を書き写していく。
キキキ、と石筆が鳴るほどに筆圧が高いが──


【神の威の紋様の複写・奇数で成功】
[1d6→5=5]
ダナエ > 何とか破れずに済んだようだ。
無事、神の威の紋様を描き終える。


【護符の属性→
 1=聖 23=闇 45=水 6=土(成功)】
[1d6→1=1]
ダナエ > 「……よし」

護符の上方、神の威を表す紋様を書き写し終える。

だが残念なことに、見るべき手本を間違えていたらしい。
そこに描かれたのは土属性を司る神の威の紋様ではなく、
もっと上位の──属性で言うならば、聖属性の神の威の紋様。

ダナエ > 本人的には間違えないよう神経を尖らせて書き写していたので、
額に汗がにじんでいる。
手の甲で汗を拭い、本のページをめくる。

「次は…………、んむ。ややこしいな」

思わずしかめっ面で、本に顔を近づける。

護符の効果を意味する紋様は、その一つ一つは
神の威を表す紋様よりは単純ながら、数が多く、
しかも組み合わせて描くため繋ぎが難しい。

本に書かれている文章をぶつぶつ小声で読んでから、
ゴリゴリと高い筆圧で石筆を動かしていく。


【護符の効果→
 12 レビテ卜的浮遊効果、ただしどんどん浮き上がる
 34 後光が刺す
 56 無差別の聖属性攻撃魔法】
[1d6→6=6]
ダナエ > 「………………よし、描けたぞ!」

護符を両手で掲げて持ち、嬉しそうに笑う。
だが描き上がったのは、残念ながら広範囲の攻撃魔法の紋様。

目が疲れたので、目と目の間を指で揉みほぐす。
手本を確認しては描き、
確認しては描きで長時間かけて描いたため、
護符は手汗でしわしわになってしまった。
本の手順を読む。最後は魔力の注入のようだ。

ダナエ > 護符の上に両手を重ねて乗せ、

「ふむ。こうだな?」

目を閉じ、意識を集中。
真剣に、護符に魔力をそそぎ込む。


【護符の最大容量に対し、注入できた魔力の量→
 1=1/100
 23=1/10
 45=半分
 6=最大量】
[1d6→3=3]
ダナエ > 「……できた!」

どれだけしわしわだろうと紋様がいびつで歪んでいようと、
初めての自作の護符と思えば愛着が湧く。
口元がニヤつくのを抑えきれず、
愛おしそうに指先で丁寧に護符の皺を伸ばす。

「うむ、初めてにしてはいい出来だ」

──いいえ。

「意外と私には、
 マジックアイテムを作る才能があるのかもしれんな」

──いいえ。

ダナエ > その後。

重力軽減の護符ができたと思い込み、自惚れたまま、
上機嫌で実習室を去っていった──

ご案内:「実習室」からダナエさんが去りました。