2016/02/23 のログ
ご案内:「会議室(設定Free)」におこんさんが現れました。
■おこん > (ずしん、ずしんと響き渡る重たい衝撃。 地震には正確すぎ、局地的すぎる。
人々は顔を上げ、雲をも掴みそうな巨躯を見上げ、そして叫んだ。)
\ウワー!! 現世怪獣ウツシドンだぁー!!/
(千々に逃れる人々は、間一髪でウツシドンの”足”から離れることができた。
送電線、ビルディング、川…そういったものを物ともせず、
ウツシドンは悠々と邁進する。まるで己の前に立ちふさがるものなどないかのように。
かのものが通った後は、まるで竜巻にでも薙ぎ払われたかのようだ。
建物は崩れ、送電線は引きちぎられ、電柱はへし折れて車はぺしゃんこ。
まさに生ける災害とでも呼ぶべき”怪獣”が通り過ぎたあとの惨禍である。
ゆっくりと、だが進み続ける巨躯が地平線の彼方から見えてきたころ……
学園中の警報が鳴り響いた。)
■おこん > むむうー…あ、あれは!! 現世怪獣ウツシドンじゃ!!
(会議室で叫ぶおこん。 防衛部(部活)の動きは早かった。
事前に情報を得ていたのであろう。 連装ロケット砲や対空自走砲、
戦車が列をなしてウツシドンに向かい、猛烈な弾幕を展開する。
オレンジ色のつなぎを着た連中は防衛部の中でも対怪獣戦闘に特化した
チームらしく。 まるで拳銃のような何かをウツシドンに向け、トリガーを引いた。
びよよよよよよ とジグザグの光線が飛び出るが、ウツシドンには利かない…
否、質量が違いすぎてダメージにならないのだ。
弾幕をうるさいと思ったのか、ウツシドンが大きな大きな口を開く。
炎のように赤いその口から光条が溢れ、防衛隊を薙ぎ払った。
爆炎が迸り、擱座した先頭車両を踏み潰しながらウツシドンは学園に迫る。)
■おこん > (となりにいたしづき先生を見やり、何か決意を秘めた表情で口を開く。)
しづき…ワシはな、人間じゃないんじゃよ。 遠い過去からやってきた、
ウルトラコャンなんじゃよ。
『人間じゃないのは知ってますし、あとそれめっちゃ言いづらいと思いますよ。』
(しづき先生の引き止める言葉を受けながら、校庭に飛び出す。
すでにウツシドンは眼前に迫っていたが、怯むことはなかった。)
コャァッ!!
(若干発音しづらい叫びを上げながら、なんだかメカメカしいミニ鳥居を掲げる。
ぴかぴかとフラッシュした後に現れたのは、巨大な姿だった。
きつね耳としっぽを備えた、大人の女性のようなシルエットである。
全高は300mといった所だろうか。 一糸まとわぬその巨人…巨狐は、
ウツシドンの前でファイティングポーズを取った。)
『コャトラマンだ!』 『コャトラマンが来てくれたぞ!』
『コヤ…?』『コャ!!』
(救世主の登場に人々は喜びの声を上げる。 市民の方を向き、
ゆっくりとその巨大な存在は頷いた。)
■おこん > コャーッ!! コヤァッ!
(そのあとは街をフィールドにしての大格闘戦である。
投げる、転がる、跳ねる。 変幻自在の挙動に、カクリドンは
次第に追いつめられていった。 十分に相手が弱ったのを確認すると、
軽く腰を落とし、片手で狐のようなサインをつくり、もう片方の手で手首を保持。
9本の尻尾のうち4本は地面に突き刺さり、アウトリガーとなる。)
フォクシウム光線!!
(ミ”ーという大気を引き裂く音とともに、キツネサインの先端から放たれるビームが
カクリドンに命中、数秒のタイムラグの後、膨大なエネルギーを注ぎ込まれた怪獣は
爆発四散した。)
『ありがとうコャトラマン!』『ありがとう!』
(人々のお礼の言葉を受け止めながら、コャトラマンは空を飛び、去っていくのであった…)
■おこん > (かちりと小さな音がする。 動画の再生がぴたりと止まった。)
……おい。どうなっとるんじゃよこれ。 お前ら商品売る気あるのか、んん?
(ここは常世学園会議室……商品開発部(部活)が玩具メーカーとコラボし、
新たなビジネスチャンスを拓こうと頑張って作ったものの試写会場である。
机に突っ伏したまま、青ざめた表情の部員たちを見た。)
ワシはなー。おぬしらがいいもん作るっちゅうから、まあ題材にされてやろうかと。
そう思ってじゃな。なんかしたわけなんじゃけれども……。
まず主人公の名前をプロモーションムービーの中でぐらい統一しろアホが!!
だいたいコャトラマンて言い難いじゃろうが!ウルトラコャンもじゃよ!
子供に受けるなーまーえー!名前からじゃろうが!!!
あとなに、ミニ鳥居変身アイテムなの!? 子供、あれ持って遊ぶの?
(机をばんばん小さな手で叩く。ちゃんとやれや!!という激しい怒りが、
おこんを突き動かしていた。)
■おこん > あとあれ、しづきのセリフ明らかに盗み撮りじゃろあれ。
おまえらなあ…おまえらなあ……だいたいヒーローものってワシ聞いてないんじゃけど。
おこん先生可愛いからなんかそういう感じでやりますっちゅうてたよな?
プリティでキュアキュアな女の子受けするやつって言っとったよな?
おいそこの眼鏡。お主が言ってたじゃろ。 どうなったんじゃよプリティ成分。
おぬしのプリティはあれか?アウトリガーんところにかかっとるのか?
なんじゃこら、ワシクレーン車かなんかか?ん?それともおぬしは、
女の子とクレーン車の区別がつかないタイプか?
(おこんの攻撃はとどまる所を知らなかった。 名指しで言われた眼鏡は
ものすごい渋い顔である。 こっちが渋い顔をしたい。)
男の子に売りたいのか女の子に売りたいのかハッキリせえよ…
なああー。 これ売れると思ったのか? 手ぇあげてみ!
コャトラマンいけるわー!これどっかんいきますわーって思ったやつ!!
手ぇあげてみ! だれも上げられないんじゃろー! んもぉー…
(所詮学生のなんかとはいえ、あまりにひどかった。
一応企業とうまいことやろうとしたのにこれである。企業も浮かばれない。
やれやれ、と頭を振り、手で追い払うようなしぐさをした。)
終わりじゃ終わり!解散! 今度やるときはちゃんとやれよお前ら!
安易にパロディとかやったらおぬしらマジで許さんからな!
(ぷんすこしながら会議室を出ていく。 プリティでキュアな奴とか、
ちょっとやってみたかったとかは口が裂けても言えなかった。)
ご案内:「会議室(設定Free)」からおこんさんが去りました。