2016/05/12 のログ
ご案内:「農業区」にRK-1115さんが現れました。
■RK-1115 > 深夜の農業区に一隻の船舶が乗り付ける。
本来ならば人が来るような時間でもなく、そしてまた難破や探険に来るなどと言った場所でもない。
人目を忍び闇に紛れて動く彼らはまさしくなにか【わるいこと】をしようとしているに違いないだろう。
『いいか、俺たちが手引きできるのはここまでだ。
あとはここを真すぐ北上すれば駅につく。明日の朝には迎えが来る。あとは作業員に紛れて本土に向かえばいい。
そうしたなら本土で学生証の提示をしろ。うまく潜り込めるはずだ』
そういって男が渡すのは偽造学生証と常世島を走る電車の定期券。
『ああ。恩にきるよ』
『もらった報酬分働いたまでだ』
聞くにこの者たちは不当入島者とその斡旋業者だろう。
マフィアや闇側に身を置く組織ではこういったこともよくある。
数ある現場のうちの一つというわけだ。
そんなやりとりをする彼らが知ってか知らずか星が瞬く夜空を一筋の影が横切る。
飛行機にしてはやけに低くそして鳥にしてはやたらと大きなそれは
彼らの眼前でひらりと身を翻すとふわりとエプロンドレスを揺らし優雅に着地した。
■RK-1115 > 『『!!??』』
密入国の斡旋業者たちは一斉に拳銃を引き抜く。
彼らがまず疑うのは警察の存在。ここでいえば風紀委員や外部の公安の類いだろう。
とりあえずはこの場を切り抜けること
そしてどのような結果になろうとばれてしまった以上このルートはもう使えないそう考える。
しかし彼らにかけらた言葉はそれらとはまったく違うであろうものだった。
「申し訳ありません。不正入島のサインを検知いたしました。
確認のためパスの提示をお願いいたします」
無機質で平坦な声色。
その声に密入国しようとした者のうち一人が先ほど渡されたパスをおずおずと差し出す。
■RK-1115 > こんな場所に急に現れたこともそうだが。
武装した集団を前に平然と事務処理を進めるのも変だ。
だがそれらより何よりその偽造学生証はまだ登録が終わっていない。
本土での認証の際に各種データと本人認証データをすり込ませるというのが元々の仕組みだ。
この場で確認されれば一発でばれる。
『馬鹿がっ!?』
ばれるのも時間の問題と判断した一人が即座に発砲、まわりのもの達がそれに続く。
拳銃の音が十数発。
これだけうてば生きてはいまい。そうだれしも思う中
「敵対行動を確認いたしました。対象の無力化を行います」
と静かにたんたんとした声が響いた。
■RK-1115 > 『なんで生きてやがる!?』
混乱した男たちが銃を乱射する。
その弾は一つとして当たることはなくいつのまにか抜きはなっていた刀で切り落とされる。
『なんで!?なんであたらねぇ!?』
薄暗い海岸では実際に何が起こっているのかわかりづらいのもあるが
なによりこんな芸当をすました顔で行っていることを信じたくなかった。
少女はそのまま躍るように懐まで入り込むと一閃。
拳銃が鋭利な断面をさらす。
「投降をお勧めいたします」
淡々と告げられる恐怖はいかばかりか。
■RK-1115 > 『へ、へへ……』
男たちは使い物にならなくなった銃を捨てて手を上げる。
ハンズアップ。降参。
その姿を見ると少女はすっと刀を納め―――
それを見た瞬間に男のうち一人が発砲した。
デリンジャー。掌に収まるほど小さな拳銃。
完全な不意打ちに銃弾は狙い違わず頭部に直撃し、少女の頭を後方へ弾いた。
■RK-1115 > 『何も殺すことはねぇだろう』『だってよぅ』などと気の抜けた言葉が思わず出る。
緊張状態から解放された男たちからは笑い声すらもれる。
しかし少女は軽くのけぞっただけでそのまま倒れるようなことはない。
直立不動のままである。
その異様さに男たちが気付いたとき
「お覚悟をお願いいたします。お客様」
剣閃が走り男たちの手首の腱、そして意識を一瞬にして刈り取った。
密入国しようとした男が最後に見たのは裂けた額の皮膚。
そしてその中から覗く金属めいた装甲であった。
ご案内:「農業区」からRK-1115さんが去りました。