2016/05/27 のログ
ご案内:「お高めの蕎麦屋」に五代 基一郎さんが現れました。
ご案内:「お高めの蕎麦屋」に遠条寺菖蒲さんが現れました。
■五代 基一郎 > 特に何か起きたわけではないのだけれども。
しかしながら、まだ何も起きていないことがより不自然に思えたのであるからして
こうして昼時に呼びつけることとなった。
そういえば進級しているのだろうな、とか思いつつお品書きを眺める。
冷やしタヌキの文字はなかった。
呼び出した相手は遠条寺菖蒲。
当時の面識は少なかったが、生徒会時代の後輩であり
何事かに巻き込まれていたり巻き込まれに行ったりで目を掛けていた子なのだが。
さて何事かといえば
ある日突然、彼女に対して不自然な人事異動があり
その通達を見たことから探ってみてはどうかと打診してこちらも遠巻きに様子を見ていたわけで
然しながら先の通り、特に何もなく今やその時から数えて翌年度。
何もなく進み……逆に怪しくなり。これがもし何かしらの誘い込む罠的なものであっても
放置しておくのもな、と悩んだ結果
「すいません、たぬき1つと鴨を」
彼女を食事処に呼び出して、それはさておいてと昼食を注文をした。
■遠条寺菖蒲 > 人事異動で人員確保されるまで暫定的に監査局で暫定局長として椅子に座ったが未だにこの看板が下がることがない。
部下としての人材は幾人か集まったが、引継として任せる相手が未だに上から紹介されないので日々、記録と報告の書類との睨み合いだ。
けれど、休日がない訳ではない。
遠条寺菖蒲は余り理解していないが、彼女はハードワークではあるものの休日出勤やら残業という社会的闇とは付き合いのない立場である。彼女の部下たちがどうなのかはさておき。
本日は久しぶりに色々と事件だったりなんなりで世話になった先輩からの久しぶりの呼び出しだ。私服で行くべきか学生服で行くべきか悩み、制服姿の方が溢れているので制服姿にした。
呼びだされた場所は蕎麦屋だという話だ。前はスイーツキングダムという食べ放題のお店であった。
辿り着いて見ると少し古風でいかにもと言う風な少し高級感のようなものを感じる店構えであった。
彼女は「ここで合ってる?」なんて思いながらその店の中へと入っていくのであった。
■五代 基一郎 > 「こっちこっち」
店の従業員が挨拶したのが見えたのか、はたまた聞こえたのか
そちらに顔を向けて片手を軽くあげ男は招いた。
菖蒲が一年忙しいのか、変わらぬ日々を過ごしていたのかは知ってか知らぬか……
さておいて、以前会った時とは変わらぬ顔で……風紀というのに一応身分は学生だというのに
味もそっけもないスーツ姿で菖蒲を迎えた。
「お変わりなく……というのかな、元気でしたかというのか。
まぁ特に病気がというわけでもなさそうだし、進級は出来てるんだっけ?」
そんなこんなでいつもの通りか、マイペースにか席を薦めつつ
世間話なのか適当に話し始めた。メニューを手にしながら。
■遠条寺菖蒲 > 店員に確認を取ろうかと思えば、聞き覚えのある声をかけられて安堵し、彼のいる席へと向かう。
案内され席につくと軽く挨拶を交わし近況報告。
「少し忙しかったですが無事に進級は出来ましたし、元気でしたよ。
そちらはお変わりなさそうでよかったです」
そう相手の姿を確認しながら彼女は言う。
メニューを受け取り、思ったより高い蕎麦の値段に表情を悩ましいもの変え少し悩んだ末に。
「……おすすめとかありますか?」
と尋ねる。
悲しい話だが、専属家政婦がいて外食と縁のない少女には分かりやすいメニューも誘惑だらけで迷う要素しかない。
■五代 基一郎 > 「お蔭さまで今年度一杯かな、この島にいるのは。来年卒業だよ。」
だからこそ後顧の憂いを断つ……というわけではないが
せめて自分が関わった問題だけは解決しておきたいところだ。
それはそもそも問題でなかったものを、問題にしているのかもしれないが。
「おすすめは狸だな……まぁ、まずこれだろう。これが全てと言っていい。
とにかく何か悩んでいるんだったら、これにしておいていい。
一番安いが……いや、口で言っても何だ。まず食べてみてからでいいだろう。
それが全てだ……」
何やら意味深なことを呟きつつ、わかったようなことを口にしながら
店員にたぬきそばを頼んだ。
ほどなくしてお冷が二人分置かれて、注文待ちとなった。
「さて、まぁもうだいぶ経ってしまったわけだけど。
君から見て君の今の状況はどうだと感じたかな。
どうであったか……というのもなんだけど」
ことの切っ掛けになった、何かしらあるなと感じた一件。
遠条寺菖蒲が、生徒会の監査局 暫定局長になったこと。
幹部候補生なら新設の部署での適当な実績作りというのはあることだろう。
最もその新設の部署が過去に不祥事のあった部署であり、業務もまた焼き直しであり
無い期間が多かったというのに今更作る必要があるのかということを除けばなのだが。
故に”何故遠条寺菖蒲がそんなところに放り込まれたか”を探ってみては如何かと打診していたわけだが……
ただの杞憂だろうか。
杞憂にしてもやはり見過ごせないのは……
それもこれも、遠条寺菖蒲を取り巻く何かしら異質な環境を感じ取っていたからだろうか。
遠条寺菖蒲の、何がしかの何かから隔絶されていたような雰囲気。
それに対して確たる証拠はないが……何がしかの恣意的な後押しを勘ぐってしまう
勘ぐらせるものがあるが故に、どうしても気にかけてしまうのだが……
■遠条寺菖蒲 > 彼にたぬきがおすすめと言われて「……たぬき」と神妙に言ってみせるがお嬢様であった彼女が理解しているかは謎だ。
彼女は無難に「楽しみにしてます」と言うので分かっているのか怪しいが判断はし難い。
軽くお冷を口にしてから彼の問いに応じる。
「なんて言うか、今の部署って今のためじゃなくて将来の為の準備って感じがしますね。動こうにも過去の記録を探すのが先で動けないから足場を作ろうって感じで、これならまだ発足告知とかしない方が良かった気も……」
と口にしてから、そこで気づく。
「もしかすると、私が暫定局長で発表されたのって人材確保の看板的な意味合いなんでしょうか?」
彼の話で色々ときな臭いとは知ってはいてもこうして無事に一年書類に埋もれる作業だけだったので認識としては随分と甘くなってしまっている。
かつて不運にも事故に遭った彼女であるが、奇跡的にも後遺症だとかそう言ったものがないので時が経ち危機感が薄れているとも言える。
しかし、彼から気をつけろと言われてからこれまでずっと記録の文字と言う名の、事務員にとっての大敵《アークエネミー》しか相手にしていないのだから常に危機感を持ち続けろというのもやや特殊な環境にいたとはいえ過去の事件に遭うまでは平和に過ごしていた彼女にとっては難題だ。